MENU

南充浩 オフィシャルブログ

あべのキューズモールの好調

2011年6月15日 未分類 0

 4月にJR天王寺駅前にオープンした「あべのキューズモール」はなかなか好調と聞く。
実際に平日昼間覗いてみると、近隣のお年寄りや専業主婦、子連れの主婦などがかなり来店しており、
にぎわっている。
JR天王寺駅はターミナル駅であると同時に、すぐそばには多数の住宅がある。

6月7日付の繊研新聞によると、
「あべのキューズモール」は、開業1カ月で56億円の売り上げがあり、計画予算を上回ったという。
このペースで行くと、年間では

56億円×12か月=672億円

ということになる。
このままのペースで推移するかどうかはわからないが、650億円の水準には到達しそうだ。

面白いのは記事中に
「一人当たりの購買単価が『思っていたよりも低い』ため、客単価の低さを購買客数でカバーしている」という一節があるのがいかにも天王寺らしくて面白い。

大阪の消費者は価格にシビアである。
ここが東京の商売人からすると「大阪は嫌い」と言うことになるのだろう。
物事には良い面と悪い面があり、大阪の価格にシビアな気質が、
現在の大阪の停滞を生んだ側面はある。
しかし、他方では、価格にシビアであるから、
東京に比べて物価が安くて品質が安定している。

とくに天王寺界隈の人たちは、かなり価格にシビアであり、
まだマシなのは梅田界隈の人たちだろうか。

しかも「あべのキューズモール」は量販店と低価格ブランドを集積しており、
天王寺界隈の人たちの消費志向に適合している。
天王寺には、近鉄百貨店もあるが、ここも百貨店の割には従来から低価格品が豊富にある。
これも天王寺界隈の消費者の気性に合わせたものだろうか。

それにしても、大阪市内はいよいよ梅田と天王寺の駅前に消費者が集約されつつある。
難波も高島屋がかなりがんばっている。
心斎橋筋商店街を懸念する声もあるが、地下鉄御堂筋線の駅直結ということではある程度は持ちこたえられるのではないか。

アメリカ村、堀江、南船場、西梅田、この4か所が危うい。
とくに高感度店が集積したと言われていた堀江と南船場の過疎っぷりは尋常ではない。

知り合いが南船場4丁目に昨年10月に衣料品雑貨店を出店した。
彼によると、この半年で近隣のショップが8店舗撤退したという。
そういえば、南船場地区の御堂筋沿いのベネトン心斎橋店も6月19日で閉店してしまう。
オープンレセプションに参加しただけに感慨深い。

堀江もメインストリートの立花通り1階でさえ、空き店舗が目立つ。

南船場、堀江の状況はいよいよ危機的になってきた。

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ