かつての大手アパレルの理想を実現したのはユニクロだった
2017年5月10日 ユニクロ 0
苦戦を強いられているアパレルショップは多い。
基本的にオーバーストアで、供給量が需要を上回っているので売れにくい。
また、低価格品の見た目が良くなったことから、単なるデザイン勝負では高価格ブランドは売れにくくなった。
さらにネット通販市場の拡大で、実店舗の売上高がさらに減る傾向にある。
この傾向が進むとアメリカのように大規模閉店ラッシュとなるが、いずれ日本もそれに近い状態になると考えられる、
その一方で、少数ながら売れているショップもある。
不振アパレルの中にも好調店舗もある。
苦戦店舗の中にあって、確実に「売る」販売員もいる。
いろいろとシステムだ、コーディネイト提案だ、トレンド先取りだ、などと言われてきたが、結局のところ、現在売れている店舗は多くの場合、「人」に客が付いているといえる。
いわゆる「売る」販売員がいて、その販売員に客が付いているということである。
様々なコンサルタントが言い方やアプローチの仕方が異なるが、つまるところ同じ内容のことを言っている。
それは、「販売員や店長によるファンづくりが重要」ということである。
これに対して、かつて大手アパレルは隆盛を誇っていたころ
「人に付けるな、店のファン、ブランドのファンを創れ」
と言っていたそうだ。
坪井秀樹さんのブログでそんなことを振り返っておられる。
http://tosboi.com/business_theory/7209/
たしかに企業体として考えるなら、不確かな「販売員」に客が付くよりも、ブランドそのもの、店自体に客が付く方が確実性が高い。
万が一その販売員が退職したり、何らかの理由で長期休職したりすれば、人に客が付いている場合だと、店の売上高は激減してしまう。
しかし、店やブランドそのものにファンが付いているなら、スター販売員がいなくなっても売上高はほとんど減らない。
アパレル企業、アパレルブランドとしてはそれを目指すことは当然といえる。
自分がアパレル企業の社長でもそれを目指す。
時は流れて、そう言っていた大手アパレル各社はどうなっているだろうか。
かつての大手アパレル各社は厳しい経営状態に追い込まれている。
めんどくさいから一々社名は出さないが、経済面をにぎわしている各社のことである。
苦戦の大手アパレル各社の店でも中には好調店もある。
そういう好調店の多くは、販売員や店長に客が付いており、結局、旧大手アパレル各社は自分たちが掲げた理想は実現できないまま、次のやり方を模索せざるを得なくなってしまった。
旧大手が掲げた理想を実現しているブランドがある。
旧大手が目の仇?にしているユニクロであり、ジーユーである。
ユニクロもジーユーも国内では圧倒的な販売力を誇っているが、店員にファンが付いているとは聞いたことも見たこともない。
店員が変わろうが店長が異動になろうが販売力は変わらない。
そもそもユニクロやジーユーの店員や店長の名前なんてレジで行列を作っている客は誰一人として知らないだろう。
ユニクロとジーユーだけは、人に客が付いているのではなく、店やブランドに客が付いているのである。
かつての大手アパレル各社が掲げた理想を実現したのはユニクロとジーユーだったということは何とも皮肉な結果といえる。
こういう部分を見ても、旧大手アパレル各社は今のままではユニクロに絶対に勝てないということがわかる。
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