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南充浩 オフィシャルブログ

ボブソン最大のヒット商品「04ジーンズ」

2011年5月6日 未分類 0

 長らく西日本のジーンズメーカーを取材していた自分にとって、なんだかんだと言っても
ボブソンの経営破綻には感慨がある。

少し、ボブソンの思い出を。

ボブソン最大のヒット商品は90年代前半に大ブレイクした「04(ゼロヨン)ジーンズ」だろう。
レーヨン綿混素材のソフトな肌触りのジーンズで、これが若い層に大いに受けた。
長らく何故、レーヨン混のソフトジーンズが「04」なのかわからなかったのだが、
「04=レイ・ヨン=レーヨン」ということからのネーミングだと言うことがわかったのが
つい数年前のことである。

この「04ジーンズ」は当初はレーヨン綿混で、洗濯をすると極度にシワシワになるというレーヨン特有の弱点もそのまま受け継いでいた。
そのうちにレーヨンが改良されて同じパルプ系繊維のポリノジックやタフセルになり、洗濯後のシワシワ感から解放された。ちなみに04ジーンズのヒットから、テンセルジーンズという新しいジャンルも認知され、大森企画が一世を風靡した。(その大森企画も今はない)

自分は94年に働き始めた。
最初は、1900円・2900円商品ばかり集めた安物のレディースカジュアル店の販売員だった。
このカジュアル店でもレーヨンジーンズを扱っていた。もちろんボブソンのではない。
1900~3900円の価格帯だったので、小泉アパレルデニム事業部(現コイズミクロージング)の商品だった。
他社の廉価商品が出回っているという段階だったので、94年時点でもかなりのヒット商品だったのだろう。

最終的に、自分もボブソンの「04ジーンズ」を3~4本は持っていたという記憶がある。

しかし、97年ごろになるとブームはかなり下火になっており、記憶では97年当時に所有していた「04ジーンズ」着用の回数は年間でも10回前後しかなかった。そして2000年以降は完全に市場から忘れ去られた。

だから2009年ごろからレーヨン綿混やテンセル綿混のミリタリーパンツなどが世に出始めたとき、一番最初に「懐かしいなあ」という感想を持った。

さて、自分が記者になって取材し始めてみると、ブームの頃から、レーヨンジーンズはジーンズ業界の中ではあまり評判がよろしくなかったそうである。
どうやら、もともと「レーヨンでソフトな風合いにしたジーンズなんて邪道だ」という観念をもった方々も相当数いたらしく、それを押し切って新商品「04ジーンズ」として発売した経緯があったらしい。
だからブームの最中にも、「あれは邪道」と言い切るジーンズファンもかなりいたという。

自分が記者になりボブソンとお付き合いさせていただくようになった時点では、
「04ジーンズ」の生みの親である企画のK氏は、同社を去られており、面識を得られないまま今に至る。
皮肉なことにK氏が去られて以降、ボブソンには大ヒット商品が生まれなかった。

04ジーンズの次のブームはビンテージレプリカブームで、ソフトジーンズとは対極の厚くて粗野な表面感のデニム生地が支持されることとなり、この風潮は今に続いている。
ビンテージレプリカの次がローライズジーンズブーム、プレミアムジーンズブームとスキニージーンズブームで、ブームが終了した2008年以降、ジーンズというアイテムはいまだに苦戦を続けている。

さてさて。
ジーンズ業界の「14オンスで表面に凹凸感があるデニム生地が最高」という固定概念が、ジーンズというアイテムを袋小路に追い込んでいるように思える部分がある。
04ジーンズブーム以降のヒットしたアイテムを見ると、ビンテージブームを除いてローライズジーンズもスキニージーンズもプレミアムジーンズもいずれも「ジーンズらしい」商品ではない。ローライズジーンズとプレミアムジーンズは、従来に近いデニム生地を採用したブランドもあるが、生地云々よりもシルエットとか股上の浅さとか、ステイタス性が受けたと言える。
さらにスキニーはまったく違う。
タイトなシルエットでありながらも動きやすくするためにかなりの量のストレッチ素材を使う必要がある。
ここから商品が違う方向へ進んで、現在では厚手のニット素材なども使用されるようになっている。

もしかしたら固定概念を完全に取り除いた先に、次のジーンズのヒット商品が生まれるのではないか、とも思う。

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