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南充浩 オフィシャルブログ

画竜点睛を欠く

2011年4月30日 売り場探訪 0

 4月は関西で商業施設のオープンラッシュだ。
商業施設のテナント構成というのはなかなかに難しく、当初予定していたブランドだけでは
埋まらないことが多々ある。

近隣の施設との兼ね合いで出店を断念することもあるし、施設側がオファーしてもブランド側が断る場合もある。
反対にブランド側が希望していても施設側が断る場合もある。

その結果ちょっとバランス悪いんじゃないの?というケースが起こる。

先日、4月29日に大阪・梅田に小規模商業施設「ヌー茶屋町プラス」がオープンした。
2005年にオープンした「ヌー茶屋町」の裏に位置し、補完的なブランドラインナップを導入した。
個人的感想で言えば、天王寺の「HOOP」とその裏にある「阿倍野アンド」の関係と似ているように思える。
「ヌー」が阪急グループで、「HOOP」と「アンド」が近鉄グループであるが、発想は同じようなものだろう。

今回の「ヌー茶屋町プラス」は1階がアパレル、2階がインテリア・雑貨、3階が飲食に分かれており、小ぢんまりと落ち着いた雰囲気で統一されている。1階は「Lee SHOP」と「スターバックス コーヒー」以外あまり知らないブランドが多い。繊維業界の片隅に居ながらお恥ずかしい限りである。

ターゲットはおそらく、30代の男女(やや女性が多いか?)という感じで、プレスリリースには20~30代がターゲットと書かれてあるが、実質は40代まで視野に入れていると思う。

しかし、1階入り口横に「ABCマート」が入店しており、全体のバランスを著しく損なっている。
正確に言えば「ABCマート」はどうやらテナントではないらしく、プレスリリースのテナントラインナップにも記されていない。地権者か何かやむを得ない事情でそのまま施設と同体化する形で営業しているのだろう。

けれども一般の消費者にはテナントに見えてしまう。何しろ「ヌー」の店内通路側に向かって入口を広げているのだから。

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ここで断っておきたいのだが「ABCマート」という店が嫌いなわけではない。
むしろ、よく利用している。
最近はあまり店頭で見かけないが2900円に値引きされたスニーカーを見かけると、よく購入している。

でも、比較的高級イメージの高いテナントで構成された「ヌー茶屋町プラス」に「ABCマート」があるのは違和感を感じる。やはりユニクロ、ライトオン、無印良品、ジーンズメイト、マックハウス、しまむらというあたりのブランドが並ぶ商業施設に入店することが望ましい。

いろいろな大人の事情があったのだろうとは推測できるものの、「ヌー茶屋町プラス」のテナントラインナップは「画竜点睛を欠く」と言わざるを得ないだろう。

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