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南充浩 オフィシャルブログ

ついに、今秋から衣料品値上げへ

2011年4月28日 未分類 0

 以前、ある業界団体の役員が「原材料や中国工場の人件費が高騰しているのに、マスコミが『アパレルは製品値上げすべきだ』というキャンペーンを張らないのはおかしい」と、いささか筋違いな憤慨をされている記事を書いたことがある。
結論から言えば、アパレルが製品値上げ宣言をしていないのに、マスコミ各社が値上げキャンペーンを行えるはずがない。

4月20日の繊研新聞が「専門店が今秋から価格引き上げ」という記事を掲載した。
この記事には、ハニーズ、良品計画、しまむら、丸岡商事の対応が報道されており、各社とも今秋物から衣料品の価格が必然的に上がると答えている。

記事から引用させていただく。

すでに昨秋から一品単価も客単価も7~8%上げているハニーズは、(中略) 990円ジーンズをやめて今秋物から裾値を1990円に戻す。690円や790円で出していたカットソーも、裾値を990円に戻す予定だ。これまで1990円商品が最も多かったが、徐々に2400円へとシフトしていく。

良品計画は「上期は(価格を)抑えたままだが、下期からは上げていく」という。「ずっといい値」商品よりも「こだわりたい値」商品を増やすことで平均単価を上げる手法をとる。

丸岡商事は、昨年まで2万9800円だったウールコートの上限価格を、今秋冬物では素材感を高めて3万2000円ほどに挑戦する。

しまむらも「結果として(価格は)上がるのでは」と見る。このところ売れたファイバーヒートシリーズなど「質を上げたり見せ方を変えることで、結果として価格を上げることが出来る」。

とのことである。

一方、ユニクロは価格は据え置きで、素材メーカーとの提携強化や、生産のリードタイムを長くすることでコストを抑える手法をとるという。

ユニクロの対応がむしろ例外的であり、上の4社に限らず、アパレル製品の価格は全体的に上がらざるを得ない。

ただ、消費不振が続いている中、「商品の価格を上げるのはさらに売上不振を招く可能性があり、怖い」というブランド側の声も良く聞く。これも偽らざる心理であろう。
しかし、中・高額商品は500~1000円値上げをしたところで、通常の場合、消費者の動向はあまり変わらない。
例えば、11000円の定価の衣料品が、11500円に値上がりしたところで、大幅な売れ行き不振となることはあまり考えられない。

一方、低価格商品では500円の値上げが命取りになる。
かつて量販店向けレディースジーンズの製造販売に携わった友人によると
「3900円と4900円には大きな壁があり、これを越えることは難しかった」という。
1900円のジーンズを購入している人は、2900円に値上がりすると買わなくなるし、
2900円のジーンズ購入者は3900円に値上がりすると買わなくなる。
3900円の購入者は4900円に値上がりすると買わなくなる。

そして、量販店では3900円が一つの区切りとなり、4900円以上からは客層がまったく異なるという。

繊研新聞が紹介した値上げ4社は、丸岡商事を除いて、すべてこの低価格商品を得意とする企業ばかりである。
値上げの判断は至極当然で正当ではあるが、消費者の拒否反応が一番出やすいゾーンの商品でもある。
それだけに今秋以降の動向には注目したい。

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