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南充浩 オフィシャルブログ

ネーミングを工夫すれば売れ行きは変わる

2015年8月11日 未分類 0

 今日はちょっと気分を変えて。
商品のネーミングというのは非常に重要である。

中身は同じなのにネーミング一つで売れ行きがガラりと変わることがある。

筆者は日常生活で使う食品の9割をスーパーマーケット「万代」で購入している。
関西圏以外の人はあまりなじみのない店名だろうが、関西圏ではこの15年間で爆発的に店舗数を増やしている。
ちょうど今春にセブン&アイホールディングスとの提携が発表され、一時的ではあるが知名度が高まったのではないかと思う。

年間売上高は2800億円。

関西圏で強いのはこの「万代」と大阪都心に店舗数を増やしている「ライフ」だろう。
あと、総合スーパーならイズミヤだろうか。

商品価格は総じて「ライフ」都心店より「万代」の方が安い。
「万代」も結構都心にでき始めており、たとえば、JR西日本の大阪環状線の桃谷駅前には「万代」がある。

唯一、鮮魚が他の食品スーパーに比べて弱いというのが亡くなった母の評価である。
それ以外は「万代」の評価は高かった。

それはさておき。

猛暑の夏には冷たい麺類が食べやすい。
そうではないという方もおられるかもしれないが、筆者はそうである。

冷やしうどん、ざるそば、冷やしそうめんなどである。

最近では出汁は瓶詰で売られているから買えば良いが、大概の場合、麺はゆでなくてはならない。
ゆでた後に、冷水(まあ、水道からの常温水なのだが)で締めなくてはならない。

家族分を用意するなら、それもするが、自分一人で食べる場合ははっきり言ってめんどくさい。

そんな筆者のようなものぐさのために、最近では水道水でさっと洗うだけで食べられる冷やし麺類が売られている。

ちなみに筆者は洋服と同じで、食品もほとんど定価では買わない。
なるべく値下げされた物を買う。

で、最近、ときどき買っているのが「流水麺」シリーズである。
うどん、そば、そうめんがあり、どれもが万代では2玉入り158円で売られている。
筆者はそれが105円とか108円に値下がりしたときに買う。

写真 25

(先日購入した105円に値下がりした流水麺)

この値下がり品が人気商品であっという間に売り切れる。
先日、テレビCMが流れていたのを初めて見たから今後もしかしたらメジャーになるのかもしれない。

この値下がり品がないときはこれまであきらめていたのだが、よく見ると同じ棚に同様の商品が並んでいるのを最近発見した。
この1玉入りの「ざるそば」である。
これは万代の定価だとだいたい1玉36円くらいで値下がりすると20円代になり、それでも残っていると10円代になる。
筆者はこれを10~21円に値下がりしたときに2玉買う。

1玉36円だから定価で2玉買っても72円だから流水麺の値下げ品よりもまだ安い。

写真 14

(先日購入した18円まで値下がりした「ざるそば」)

さてここで注目してもらいたいのが商品名である。

「流水麺」と単なる「ざるそば」。

どちらの方が消費者に伝わり易いだろうか?
両方とも食べ比べてみたが味に敏感ではない筆者にはどちらもほとんど同じ味だと思えた。

「流水麺」もすごく良いネーミングだとは思わないが、単なる「ざるそば」よりはよほど消費者に伝わり易いだろう。
もしくは消費者の関心を惹きやすい。

価格だって高く売れやすい。
108円や105円に値引きされても「ざるそば」の定価販売よりもまだ高い。
ということはそれだけ利益を稼げているということになる。

安売りしない方法の一つにはネーミングを工夫するということが挙げられるのではないか。

ネーミングの手法をアパレル業界で多用するのはユニクロだろう。
センスが良いとはあまり思えないが分かり易い。

ヒートテック、サラファイン(現エアリズム)、ウルトラライトダウンあたりは上手いと思える。
最近展開がないから売れ行きがイマイチだったのではないかと推測しているのだが、単なる合皮に「ネオレザー」と名付けるという手法も悪くはない。

ユニクロのセンスがあまり好きではない部分として商品名に「ウルトラ」を、キャッチコピーに「究極」を多用するところである。
個人的には、「ウルトラ」や「究極」はそんなに大安売りするような言葉ではないと考えている。

「ウルトラ」を多用できるのは「ウルトラマン」シリーズだけで十分である。

しかし、現行の各アパレルブランドはどうだろうか?
ネーミングを工夫した形跡がまったく感じられない。
せいぜい「メイドインジャパンジーンズ」「メイドインニッポンジーンズ」程度か。
あとライトオンで廃止になってしまった「世界のカーゴパンツ」くらいか。

安売りを嘆いているくらいなら、ネーミングでもなんでも工夫してみてはどうか?
安売りを防ぐあらゆる努力を試してみたのか?

筆者にはそうは見えない。

ネーミングを工夫しているのは紡績や合繊メーカー、素材メーカーまでである。
製品ブランドではほとんど工夫されていない。

ウールメルトンジャケットとか切り替えスキニージーンズとかそのままのネーミングで店頭に並べられている。

これでは消費者に伝わらなくても当然ではないか。

各アパレルブランドは、商品のネーミングという部分はまだまだ改善できる余地が残されているのではないか。




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