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南充浩 オフィシャルブログ

物の売り方は一つではない

2015年6月12日 未分類 0

 見せ方・売り方にはさまざまある。
どんな見せ方・売り方だろうが、売れればそれが正しいし、その売れ行きが長続きするならそれはさらに正しい。

個人的に注目しているのが、Tシャツ・ポロシャツ専門の販売サイト京都イージーである。
http://www.easy.ne.jp/index.html

オリジナルのTシャツ・ポロシャツを何種類かの価格で販売している。
低価格から高価格まであるが、超高価格ではない。
夏物だと4000円代くらいが頂点である。
そしてそれは日本製である。

サイトを見てもらえばわかるが、スペックがぎっしりと書き込まれてある。
生地の厚さは最終的には想像するほかはないが、生地の厚さや触感以外のことはほぼ、このぎっしりの書き込みで理解できる。

物作りの姿勢やスペック自慢のブランドは数多いが、ここまで懇切丁寧に書き込まれている販売サイトはあまりない。

その昔、といってもまだ7年くらい前、ネット通販が伸び出したころに「ネット通販ではあまり文字を書き込んではいけない」というような説明をするコンサルがいた。
実際にそういう人を筆者も何人か知っている。
しかし、実際に物にさわれない・試着できないネット通販こそ本来は文字を書き込むべきなのである。
いくら長くてもその商品に興味を持った人はそれを読んでくれる。

その長文を読んだ人が商品を購入する比率は高い。

物作りを誇るブランドなら筆者はこの京都イージーのサイトを参考にすべきだと思う。

その一方でほとんど商品の詳細を語らずに売れているサイトもある。

「ニットキッチン」元社長の奮闘記ブログで紹介されている中国の通販サイトである。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-12034479927.html

この中で SASA小姐 というサイトが紹介されている。

http://miss-sa-sa.taobao.com/

筆者もこのサイトを覗いたがたしかにオカシイ。
どうオカシイのかを引用する。

だって通販サイトなのに

商品画像がまさかの

「自撮りーーー!!!」( ̄□ ̄;)!!セルフィー
しかも・・

通販サイトなのに

「商品の全体像がわからないっ!!」( ̄□ ̄;)!!売る気ない?
さらに・・

通販サイトなのに

「商品画像に友達とか普通に出てくるっ!!」( ̄□ ̄;)!!仲良しかっ!
サイト自体の作りもそうですが

一言で言えば、

個人の「Instagram」を

見てる感じです。(*^-^)b

もう

何もかもが

破天荒過ぎて

突っ込みどころ満載なワケです(笑)

そして、

もっと驚くのが

これで(って言ったら失礼ですけど 笑)

売れ売れなんだそうです!

(「売れ売れ」って最近使わないですね笑)

多いもので

1型あたり5千着とか1万着とか

売れるそうです。Σ(゚д゚;)

とのことである。
中国と日本では人口に大きな差があるから単純比較はできないが、中国はおよそ日本の10倍の人数があるので、10分の1にしてみる。
そうすると1型あたり500枚とか1000枚ということになる。

日本国内だと有名ブランドでも1型500~1000枚売れる商品はなかなかない。

これはさっきとは真逆だが、サイト主がカリスマ的な人気を誇っており、それに対する消費行動だと考えるのが妥当だろう。
この人が紹介する商品だから欲しい、この人を信用しているから細かいことがわからなくても商品を買う、そういう顧客作りをしているのではないか。

これと近いのが以前も紹介した短パン社長のオリジナルブランドである。
最近も丸首Tシャツ、コーデュロイ短パン、スエットパンツなど3、4種類の商品をSNS上で発表した。
ところがこれらは定価も書かれておらず、商品の全体像もあまりわからない。
また各アイテム何色かの色展開があるのだが、その色展開も画像上からはわからない。
サンプルで写されているのは1色だけで、他の色はまるでわからない。
オマケにやけに薄暗くて商品そのものが見えにくい画像すらある。

にもかかわらず、だいたい100~200枚程度の受注があった。

これは完全に短パン社長のファンが、「この人が紹介する物なら信用しているので詳細はわからないが買う」という消費行動をとったということだろう。

物を売る方法は一つではない。
京都イージーのようにきっちりすべてを説明して納得してもらってから売るというのも一つの手法だし、自身の個性を圧倒的に打ち出して(プライベートも犠牲にして)強烈なファンを作って売るというのも一つの手法である。

どちらが正しいか間違っているかではない。
結果を出し続けている限りにおいてどちらも正しい。

もし自社が売るとしたらどちらの手法の方が取り入れやすいか、それを考えれば良い。
どうアレンジすれば自社の性格に合うかを考えれば良い。

それをしないで通り一遍の売り方をするから売れないのではないか。

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