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南充浩 オフィシャルブログ

インフルエンサーを起用しても響かない人の割合が高いという話

2024年5月31日 トレンド 0

当方は、テレビ番組をほとんど観ない。ずっと観続けているのが日曜朝の戦隊シリーズと仮面ライダーシリーズである。

5月からは鬼滅の刃のアニメも観ている。7月から新たに始まるキン肉マンのアニメも観る。

ざっとこれくらいであとは大河ドラマを観たり観なかったりである。それ以外の番組は基本的に観ない。

なので芸能関係ニュースには疎いのだが全く不便を感じておらず、たまに「インフルエンサーの〇〇さん」というようなニュースを目にすると、全然知らない人なので「誰これ?」となる。インフルエンサーにも人気ユーチューバーとやらにも全く有難みを感じない。

そんなわけで当方はインフルエンサーという人に全く魅力を感じていないので、インフルエンサーマーケティングにも全く魅力を感じていない。インフルエンサーを起用した販促で物を買ったことがないし、実際、ブランド側にとってどれほど効果があるのか疑わしく思っている。もちろん当たる場合もあるのだろうが当たらない場合も相当数耳にしているので、当たるも八卦当たらぬも八卦くらいではないかと思って眺めている。

 

 

何年か前には相当数のブランドや企業がインフルエンサーマーケティングに販促費用を振り替えていたが、最近では国内外からインフルエンサーマーケティングへの疑問・懸念を示す報道がなされている。

もちろんヒットする場合もあるのだろうが、依頼する側がインフルエンサーを精査する必要性に迫られているといった方が適正だろうか。

「とりあえずフォロワー〇〇万人のインフルエンサーを起用しました」というような起用方法では当たらない場合が珍しくない。自社の商品とインフルエンサーとそのフォロワーの相性をブランド側・企業側が精査しなくてはならない。

海外でも

「 インフルエンサー はもう機能していない」 記者たちが耳にした小売企業の18のリアルな課題

というような記事がたびたび掲載されている。

 

 

 

国内でもこのアンケート記事は結構リアルな消費者の反応を示している。

インフルエンサーのPR投稿は“諸刃の剣”?…ブランドに対する信頼度に影響 | 通販通信ECMO (tsuhannews.jp)

調査は4月25日~27日、15~59歳の男女のうち、事前スクリーニング調査で「インフルエンサーによるPR投稿を見たことがある」と回答した人を対象に実施(有効回答者数1000人)。

 

インフルエンサーによるPR投稿を見た後に、ブランドに対する信頼度が変化するかどうかを聞いたところ、「変わらない」が55.8%で最も多く、「高まる」が24.2%、「低くなる」が20%を占めた。

 

とある。

全年代を総合すると、インフルエンサーを起用したところで「変わらない」と言う人が約56%いる。否定的になる人が20%いる。そう考えると、インフルエンサーの起用は広い意味ではあまり効果が無いといえる。

一方、高まる人が24%いるわけだから、その人にピンポイントで向ければ効果はあるといえる。

「広く薄く売りたい」ような商材やブランド、サービスならインフルエンサーの起用はあまり意味がないと考えた方が良いだろう。

 

年代別に見てみると

年代別に見ると、各世代とも「信頼度は変わらない」が最多。10代・20代は「高まる」が30%以上、30代は25%を超え、若年層ほど好意的に受け取っている様子が浮かび上がった。

とあるから、全世代共通しているのがインフルエンサーを起用しても信頼性は変わらないということがわかる。しかし、10代・20代には「高まる」人が30%強、30代は25%いるから、10~30代の特定の層にピンポイントで働きかけることができれば、インフルエンサーマーケティングは効果があるといえる。

重要なことは「特定の嗜好を持つ40歳未満」をどのようにして探し出すか、ということにかかっているだろう。

他方、40代以上にはインフルエンサーマーケティングは効果が無いと思って諦めるべきだろう。

 

 

一方、信頼度が下がる理由については、「PR投稿は信頼できない内容が多いから」という回答が最も多かった。特に40代・50代では比率が高く、虚偽・誇大広告やステマの問題から、広告そのものを信用していないことがうかがえた。

また、信頼できるかどうかの判断にインフルエンサーのフォロワー数を重視するかと質問した結果、10代・20代ではフォロワー数を参考にする傾向が見られた。一方、40代・50代では「気にしたことがない」「重要だとは思わない」という声が多かった。

とのことだ。

「フォロワー数〇〇万人」という掛け声に興味を示すのは10代・20代にほぼほぼ限定されると考えた方が良いだろう。40代・50代は「気にしない」「重要とは思わない」と答えているのは、ステマを疑っていることと加えて、自身のことを重ねるなら、そもそもインフルエンサーとやらに興味が無いという場合も多いのではないかと思う。

2000年代半ばまでのように「人気タレント」を漫然と起用すれば何となく売上高が上がったり、企業イメージが良くなるというような時代では最早ないということだろう。

2000年代にあれだけアパレル業界で重宝された(ほぼ起用する側の自己満だった場合もあった)読者モデルが短期間のうちに姿を消したように、案外遠くないうちにインフルエンサーの大部分も姿を消すことになる可能性も低くはなさそうだと思った次第である。

 

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