MENU

南充浩 オフィシャルブログ

物が良くてもタイミングが悪ければ売れにくいという話

2024年5月2日 トレンド 2

物事には何でもタイミングというものがある。どんなに良い物でもタイミングが悪ければ全く評価されない。

例えば、今でこそ、漫画やアニメ、特撮、ゲームなどで中世ヨーロッパ風の異世界というのは人口に膾炙した舞台となっている。過去には実際に中世ヨーロッパ風異世界を舞台としたドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったゲームが大ヒットした。

しかし、これもタイミングがズレていれば全くヒットしなかった可能性もある。

ドラゴンクエストの1作目が発売されて大ヒットしたのは1986年のことである。欧米のファンタジー小説などでは中世ヨーロッパ風の異世界というのはそれまでからもあったが、我が国のエンターテイメントではあまり見られなかった。小説だと高千穂遥の「美獣」とか栗本薫の「グインサーガ」とかくらいだっただろうか。それとても超メジャーな存在というわけではなかった。

そんな中、一早く中世ヨーロッパ風異世界を取り入れたアニメ作品があった。

サンライズの「聖戦士ダンバイン」と「機甲界ガリアン」である。奇しくもほぼ同時期にしかも同じアニメ制作会社によって製作されている。

ダンバインは1983年放映開始、ガリアンは1984年放映開始である。ともにサンライズが製作した。

しかし、残念ながら2作とも視聴率は悪く、おもちゃの売上高も不振だったため、ダンバインは途中で方向転換し、ガリアンは半年で終了してしまった。

(プレミアムバンダイでポチったHGダンバイン 墨入れをして艶消しスプレーを吹き付けた)

ドラゴンクエスト1の発売が1986年だから、この2作品はタイミングが早すぎたということになるだろう。もしドラゴンクエストの発売と同時期か、ヒット後に放映していれば作品人気は違うものになっていたのではないかと思う。

 

 

 

さて、最近メディアで取り上げられるコンビニの服にも同じように「タイミング」を感じる。こちらは「タイミングの良さ」である。

ファミマのコンビニ服の売れ行きがそこそこ好調・堅調だという報道をしばしば見かけるが、好調・堅調の要因はさまざまあるだろうが、個人的には「タイミングの良さ」も要因の一つだったのではないかと思っている。

靴下の好調・堅調はさほど驚くほどのことではなかったと思っているが、その後、スエットパーカや現在はボタンダウンシャツなども販売している。

ファミマの店頭面積はさほど広くないため、洋服はもれなくたたまれて透明なパッケージに入れられてラックにつるされている。店舗面積の狭さから考えるとこれしかやりようはない。

ただ、靴下や肌着はどんな店でも元来試着できない商品だから、試着無しで買うことに消費者は慣れている。だが、スエットパーカやボタンダウンシャツというトップス軽衣料になると、普通の衣料品店では試着できたり、試着できなくても広げて大きさを確認することは必ずできる。

通常はせめて広げて大きさ確認をしてからでないと、トップス類なんて怖くてとても購入できない。しかし、コンビニ服はこの行動ができにくい。

にもかかわらずそれなりに売れている。大きさを確認することができにくいにもかかわらず、なぜそれなりに売れるのか。その理由としては洋服ネット通販の普及とそれに対する「慣れ」が大きいのではないかと個人的には考えている。

 

 

到着後、試着して返品というサービスも一部にはあるが、基本的にネット通販の洋服は試着なしで購入することになる。セール品なんかになると「返品交換不可」というブランドもある。

そうなると、サイトに表記されたサイズ表を見ながら購入することになる。サイズ表の感覚に慣れるために毎月当方はネット通販で洋服を買っている。

最近はだいたいサイズ表の表記と実際に届いた物の誤差が減ってきて、感覚が合致してきたがそれでも百発百中ではない。百発八十中くらいである。

それでも試着なしで買うという作業にはだいぶと慣れてきたといえる。

 

 

広げてサイズ確認がしづらいコンビニ服がそれなりの売れ行きということは、当方も含めてこの「試着せずにサイズ表記を見て買う」というネット通販での行動に慣れてきた人が少なからずいるということではないかと思う。ファミマの服は透明パッケージにサイズが表記されている。それを読んでだいたい類推して買うことになる。

また、ネット通販の普及によって、オーバーサイズ・ルーズサイズが定着化しており、ファミマのスエットパーカやボタンダウンシャツはサイズ表記を見る限りかなり大きめに作られていることがわかる。

ボタンダウンシャツなんてLサイズで首周りが45センチだから、通常のメンズシャツのLサイズでいうと1サイズか2サイズ大きめということになる。

これだけ大きければ標準体型の人なら「小さすぎて着られない」ということはないから、サイズ表記を見ただけで買うことができる。

 

 

コンビニが服を販売する目的としては「客単価を上げたい」とか「競合他社にない独自路線を打ち出したい」などの理由が考えられ、いずれも納得できるが、これがなぜ今まで実現されなかったのかというと、大きさを確認せずに服を買うという行動が今まで定着していなかったからだと考えられる。

ネット通販での買い方がある程度定着してきた時点でコンビニ服を発売したことはタイミングを見計らったといえるだろう。

もし、ネット通販が定着する前にコンビニ服を発売していたら、売れ行きは悪かったのではないかと思う。少なくとも今ほどにはメディアに興味を持たれなかったのではないか。

まあ、本当にタイミングとか時流というのは大事だといえる。

 

 

 

 

 

この記事をSNSでシェア
 comment
  • とおりすがりのオッサン より: 2024/05/02(木) 1:07 PM

    栗本薫のグインサーガ、30数年前の高校生の頃、学校の図書室で昼休みの時間つぶしに読んでましたわ。
    海外小説の翻訳みたいな文章で主人公の設定以外はあんま面白くもなかった気がしますがw
    異世界というか未来の地球だったのか菊地秀行のバパイアハンターDシリーズは好きでした。まだやってんのかとググったら、まさかの55巻まで出ていました。絶対、作者も最初の話は覚えてないだろうw
    でも、グインサーガの148巻には勝てないでしょうねぇ。
    中世異世界だと漫画のベルセルクも好きで、まだ人気が出る前の30年くらい前にファンレター送ったら、直筆の年賀状が届いてびっくりしたことあります。こちらの作者の三浦建太郎氏も栗本薫氏と同じく、作品を完結できすにお亡くなりに・・・
    3作品とも、人気の波はあるけどずーっと続いてるのが凄いっすね。アパレルも同じでしょうけど、固定ファン獲得がやっぱり強いんでしょう。そんで、服みたいに「もう要らね」ともならない所も強みですかね。

  • 偽ずんだもん より: 2024/05/02(木) 3:22 PM

    トミノワールドは再放送のガンダムから入って、ザブングル・ダンバイン・エルガイム・Zと観てました。
    あの当時にダンバインで異世界ファンタジーのロボット物を出すなんて、富野監督はすごいなーと感じます。

    一般的にファンタジーが受け入れられたのはドラクエですが、そのキャラデザである鳥山明先生の力も大きいですよね。
    スライムは現役で通用するデザインですし。

    あと同時期に雑誌コンプティークで連載されていたテーブルトークRPGのロードス島戦記リプレイも毎月楽しみでしたね。
    これでファンタジー世界のエルフのイメージが固定される位の人気でしたし。

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ