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南充浩 オフィシャルブログ

工業製品が生産数量の多さで店頭販売価格が引き下げられるのは当たり前という話

2024年3月27日 商品比較 0

衣料品の新商品発表にはそんなに興味が無いが、先日のバンダイナムコの今年7月以降のプラモデル新商品発表は興味深く見ていた。多分、これほど興味を持って新商品発表を見るのはバンダイナムコのプラモデルに対してだけである。

今回はプラモデルネタなので興味の無い人は読むと時間の無駄になってしまうのでご注意いただきたい。

当方が興味深く見たのはガンダムのプラモデルだった。特にHGボリノーク・サマーンとHGサイコガンダムMK2の発売は40年間待っていたので絶対に買うと決めたわけである。

それはさておき。

YouTubeや他のSNSを見ていると、ガンダムに次いで反響が大きかったのはアーマードコア(AC)というジャンルのロボットのプラモデル発売だったと感じる。

バンダイナムコが発売するACシリーズは第1弾の2商品の価格が3850円というところに反響が大きかった。

ロボットのプラモデルに3850円というのは、興味の無い人からすると高いと感じるのではないかと思うが、ACファンからすると割安感があるという意見が大半だった。

これまでACシリーズはコトブキヤというメーカーが国内では先行販売していた。

このコトブキヤのACシリーズはもう何品番も発売されているが、価格は6000~1万円前後となっているので、バンダイナムコから発売する商品の価格は6000円の物と比べても約36%オフの価格である。

もちろん、商品の出来の良し悪しは現段階ではわからないが、完成画像の出来映えと価格面から考えると、バンダイナムコ商品は非常に割安感があると感じるファンが多い。

仮に商品の出来がそこそこ良かったとすると、メーカーの名前やブランド名にこだわらないのであれば、バンダイナムコの3850円で十分ということになる。

初回2品番の売れ行きが好調ならバンダイナムコからその他機種のプラモデルも製品化されるだろうから、コトブキヤで1万円前後する機種がバンダイナムコから発売されると仮定すると、恐らくは6000円台におさまるだろうと考えられる。

ではなぜ、コトブキヤとバンダイナムコでは店頭販売価格が36%も異なるのかというと、それはひとえにバンダイナムコの企業規模の大きさと生産数量の多さによるものだろう。

 

 

今でもSNS上、特に旧ツイッターでは「洋服の製造」や「洋服の価格」についての言及が多い。

ユニクロやジーユー、しまむらのPBなんかが安いことが「おかしい」というわけである。しかし、ユニクロを筆頭にジーユー、しまむらPBなんかは生産数量が圧倒的に多い。そのため製造コストも引き下げやすい。製造コストを引き下げられれば店頭販売価格も安くできる。これが原理である。

洋服の価格になるとわけのわからないオキモチ表明者がSNS上に大量発生してしまうのだが、他の商品とて理屈は同じである。

例えば、今回紹介したバンダイナムコとコトブキヤのプラモデルの価格差も同様の原理である。

 

アニメ・ゲームに登場するロボットのプラモデルというと、バンダイナムコ一強だと思われがちだが、今回のコトブキヤや、近年支持を伸ばしているグッドスマイルカンパニーなんかがある。

特にバンダイナムコがあまり商品化しないものをコトブキヤやグッドスマイルカンパニーは商品化して住み分けしている。

グッドスマイルカンパニーの商品は2つ買ったことがあるが、商品の品質としてはまずまずだが、やはりバンダイナムコ製品に比べると高い。当方は「魔動王グランゾート」のグッドスマイルカンパニーの商品を買ったのだが、定価は4800~5500円くらいだった。

 

 

この商品はバンダイナムコから発売されていないので買ったわけだが、バンダイナムコから昨年「魔神英雄伝ワタル」のロボットが商品化された。これはだいたい2600~2800円くらいだった。

二つの商品はまあ大きさも同等で、しかもテレビアニメとしてはシリーズ物である。

にもかかわらず、バンダイナムコの方が2000~3000円くらい安いわけである。

 

これもひとえにバンダイナムコの生産数量の多さと、工場設備の効率化によるもので、他の中小メーカーではそこまで工場設備を整えることは難しい。

まったく、繊維製品と同じ原理だといえる。

バンダイナムコは言わば「アニメプラモデルのユニクロ」である。

その生産数量の多さと工場設備による効率化での価格引き下げは他社と同じシリーズが発売されると如実に明らかになる。

今回のACもそうだが、先日、「戦闘メカザブングル」のザブングルが発売された。

大きさや細部デザインのディテール、変型機構などは異なるが、バンダイナムコ製品は4180円、グッドスマイルカンパニーだと7500円、ハセガワ製品も7500円となっていて、バンダイナムコなら3000円以上安くなるわけである。

ただ、バンダイナムコのデザインアレンジや変型機構が気に入らない人はグッドスマイルカンパニー品を買うわけだし、合体変型が不要で、ひたすらにディテールアップと塗装と楽しみたい人はハセガワの製品を買うという住み分けになる。

もちろん、当方は価格訴求が大好きなのでバンダイナムコの製品を買おうと思っている(笑)。

 

まあ、そんなわけで先日の土曜日も雨の中、ブロックテックライトコートを雨合羽代わりにしてママチャリでジョーシンの開店前に並んでHGブラックナイトスコードルドラを買ったわけだが、バンダイナムコ製品の割にガンダムシードフリーダムシリーズは高くて定価は2970円だった。水星の魔女のHGシリーズよりも約二倍も高い。

 

 

 

結局は洋服とてプラモデルと同様の工業製品である以上、生産数量によるコスト引き下げの呪縛からは逃れられないわけで、高く売りたいなら高い値段で売れるような売り方を模索すべきである。大量生産による製造コストの引き下げと割安感のある店頭販売価格は決して悪ではない。くどい様だが他のジャンルの商品も同じだからだ。

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