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南充浩 オフィシャルブログ

プラモデル屋兼古着屋という個性的な店に行ってみた話

2024年1月25日 売り場探訪 0

職業柄、一応、衣料品関連の新店舗オープンの案内が来ることがある。

時間と距離が合えばとりあえずは見に行くようにしているが、精神的な老化のためか、ほとんど何の感想もない。「ふーん」程度であり、どの衣料品店とほとんど同じに見える。

老人特有の思い出補正ではないと思いたいが、90年代の衣料品店の方がブランドごとの差別化が目に見えて分かりやすかったと感じている。

そんな中、先日、某ブランドのガンプラ仲間が一軒のお店を教えてくれたので、早速見に行ってみた。

このYouTube動画で紹介されているお店である。

古着屋兼プラモデル屋という形態である。

JR西日本の大阪環状線「寺田町駅」から徒歩6分くらいで到着できる「ザ・パンタロンズ」というお店である。「源ヶ橋商店会」というシャッター商店街の突き当りで、食品館アプロの対面にある。

食品館アプロという食品スーパーで、ここは大阪府、一部兵庫県、1店舗だけ京都府で展開している。チラシ内容を見ると「お買い得野菜」の値段は当方が愛用するスーパー万代と同等である。

ちなみに当方は先日、スーパー万代でキャベツ半玉を税抜き50円(税込み54円)で買えたので相当テンションが上がった。

 

 

店の前には洋服のシングルハンガーラックが2本出されている。

 

商品をチェックすると古着に混じって、メーカーの在庫処分品も並んでいるようだった。岐阜の量販店メーカーの在庫品やアズールバイマウジーの在庫処分品があった。特にアズールの在庫処分品は2本のハンガーラックだけで10数枚かけられており、不良在庫をまとまった数量で仕入れてきたのではないかと推察できた。

価格は全品880~2200円くらいで、もちろんアズールのシャツ、シャツジャケットなども880円で売られている。

食品館アプロから出てきた80歳前後と見られるお婆さんが、ハンガーラックの洋服を見て買わずに帰ってしまったのだが、恐らくはアプロのお客がついでに安い洋服を買うことも多そうである。

 

店内に入ってみると、向かって左半分のスペースが模型、右半分のスペースが古着(在庫処分品含む)という配置になっている。模型スペースの奥が中古プラモのコーナーになっている。

ガンプラを始めとするアニメロボットプラモデルのほか、自動車、戦車、飛行機、フィギュアなど各種の新品プラモデルが並んでいてだいたいが定価販売である。値下げ品も中にはあるが、定価に上乗せした価格は無かった。(当方の知っている範囲において)

古着を見てみると、何枚か革ジャンがあったが、ほとんどが8000円台~9000円台なので古着も変なプレミアム価格にはしていないと見受けられた。

 

せっかく電車に乗ってきたので、ケチな当方は手ぶらで帰るのも時間と交通費を無駄にした気がしてしまうので、何か買おうと思った。

そこで、今月に再販されたばかりのHGゴッグ(880円)を買った。当方の同行者(注:女ではなく、オッサンのプラモ仲間)も何やら2~3品購入していた。

この店が助かるのは、入店しただけでは店主は全く話しかけてこない点である。それほど広くはない店だから、店主があれこれと話しかけたら嫌だったのだがそれがなかった。逆に当方が買っていくつか質問すると気軽にいろいろと話してくださった。年齢は肌や容貌から察すると当方と同年配だろうか。40代後半から50代半ばという感じである。

今回は取材ではないからそんなに事細かに尋ねてはいないが、プラモデルの話が主体だった。店オリジナルの野球帽と半袖Tシャツも製造販売されていて陳列されていた。通常、オリジナル品を作るとなるとそこそこのロットが求められるのだが、野球帽に関しては「10個から作ってもらえる先に発注している」とのことだった。

上に挙げた吉本プラモデル部のYouTube動画では開店した動機を語っておられるので、ザックリとまとめる。

コロナで失職し、プラモデル屋を開業しようと思った。

しかし、当時はまだガンプラブームは来ていなかったためプラモデルだけで食えるかどうかわからなかったので、多少知識のある古着屋も始めた。

古着屋を始めるために古物商許可証も取得したので中古プラモの販売も始めて今に至る。

とのことである。

実際どれほどの売上高があるのかは全く想像できないのだが、年商1億円とか2億円はとても無いだろうと推測できる。月商100万円くらいだろうか。月商100万円とすると年商1200万円なので店主1人が生活して行く分には問題ないのだろう。家賃は安そうだし、水道光熱費と次回以降の商品仕入れ金を引いても店主1人なら生活できるのではないだろうか。

 

冒頭にも書いたが、当方はもう普通の洋服店には興味が持てなくなっている。アメリカ村などに集積している古着屋は店員の風貌や雰囲気が苦手なので絶対に入りたくもない。マス層の消費者も似たような気分ではないかと思う。この「ザ・パンタロンズ」が多店舗化するほど成長するとは思えない(失礼)が、この手の予想外の商品との複合店というのは今後は意外に注目の業態になるのではないかと、勝手に想像した次第である。

 

 

「ザ・パンタロンズ」

環状線寺田町下車、北口改札から徒歩6分 源ケ橋商店街奥、食品館アプロ前

月火木13時〜19時 金曜13時〜21時 土日11時〜19時 毎水曜定休
☏06-6710-4956
大阪府大阪市阿倍野区天王寺町北3丁目1-11

 

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