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南充浩 オフィシャルブログ

「来週は寒波 年末年始は高温傾向」という寒暖差が体調にも衣料品販売にもつらいという話

2023年12月15日 天候・気候 0

熱を出したり寝こんだりするほどではないが、ここ2~3年、体調がスッキリしないことも多いのだがその理由の1つには気温の寒暖差が激しいということもあるようで、怪我や発熱のようなすぐに体感できるしんどさではなく、ジワジワとしんどくなる、なんだかスッキリしないという具合になるようだ。まあ、加齢による老化も大きいことは間違いない。

 

特に今秋も気温の寒暖差・上下動が激しい。

11月の頭は夏日になったが、その1週間後は急激に気温が下がった。

11月全体を通して見ると暖秋傾向だったが、ピンスポットでは寒い日もあった。12月に入ってからも気温の寒暖差は続いており、今週は暖冬傾向で最高気温20度という日もあるが、日曜からは一転して「10年に1度の寒波が襲来する」と予想されている。

12月16日~1月15日までの1か月予報がつい先日発表されたのだが、寒暖差の大きい1か月になるとされている。

詳細は動画を観てただきたいのだが、めんどくさいという人に文字化してみる。

 

・12月16日~22日はほぼ全国的に平年よりもかなり気温が低くなる。(記録的な寒波)

・12月23日~29日は全国的に平年並み

・12月30日以降は平年を上回る高気温

 

となっている。

面白いのが、この1カ月間の平均気温は「平年並み」となっていることである。「平均値」の罠というのを改めて見せつけられたといえる。

1週目の寒波と3週目の高気温を足して割るとプラスマイナスゼロということになるわけである。

ただ、体調面から言うと恐らく、この寒暖差というのはかなりダメージを受ける人が多いのではないかと思う。

 

もう1つ面白いと感じたのが、1週目の低温傾向についてだが、関東一円だけが「平年並み」でそれほど気温は低下しない。それ以外の地域は記録的な寒さになる。

2010年代前半までは「東京は大阪より基本的に冷涼な気候」と言われていた。実際に日々の天気予報を見ていても、大阪よりも最高気温が低い日が多かった。

しかし、2010年代半ば以降は東京は大阪と変わらない暑さになっているし、ここ2~3年は大阪よりも暑い日が多いくらいになっている。

特に今秋冬はその傾向が顕著で天気予報の気温だけ見ると、大阪が比較的気温が低めの日でも東京では夏日になっていたりする。

来週の「記録的寒波」も東京を中心とする関東一円はあまり影響されないという予報になっており、その間の予想最高気温も軒並み大阪よりも高い。

気候変動が云々でエスディージーズがナンタラと大げさに叫ぶ気は毛頭ないが、東京の気候は確実に変動していると感じる。

 

さて、衣料品の販売について言えば、来週の「記録的寒波」が今冬最大の防寒着類の需要を迎えるのではないかと予想される。翌週は平年並みなのでそこそこ売れ行きは持続するかもしれないが、年末以降は「高気温」に転じるため、防寒着類は見切り販売を余儀なくされる可能性がある。

需要が長く引っ張られたとしても「正月バーゲン」が最後になるのではないだろうか。正月バーゲンで売れ残った防寒着類は「損切り値下げ」で売りさばくのが最も賢明な判断になると当方は予想する。

 

今年1月の気温変化を思い返してみよう。

昨年末から正月明けは非常に高温だった。年末大掃除が楽だった。ちなみに十日えびすも非常に暖かかった。しかし、1月24日・25日に「10年に1度の寒波」が襲来し、大雪被害を関西にももたらした。

その後、1週間ほどは平年並みかやや高いくらいで推移していたが、2月の節分翌日か翌々日くらいから記録的な高温に転じた。

 

12月末から1月中旬までの高温傾向は確定しているので、問題は昨年同様に下旬に再び寒波が襲来するのかどうかである。襲来すればその後1週間程度は売れ残った防寒着類を売りさばくチャンスになるだろうが、寒波が襲来しなかった場合、昨年同様に高温な2月になるだろうから、売りさばく機会を失ってしまう。

 

となると、安全策を採って防寒着類は正月バーゲンで何としても売り切るという販売施策がもっとも効率的ではないかと考えられる。

正月バーゲンで数字を稼いでいれば、下旬に寒波が来たとして防寒着類の販売機会ロスをしても1月トータルで見ると売上高目標を越えたり、それに近い実績を挙げられるだろう。

 

防寒着類販売の勝負は来週から正月明けまでの3週間にかかっていると言えるが、25日以降の年末に気温が上昇し始めるため、販売量が低調に終わる可能性も低くないだろう。

勝負所は来週いっぱいと正月休み期間中に限定されていると考えた方がよいのではないだろうか。

 

よく「気温任せにするな」と販売店では言われるが、いくらカッコヨクて高い服でも、暑くて着られないならそれを買うのはオブジェや彫刻を買うのと変わらない。

服なんて着てナンボという商材だから、気温はことのほか重要になる。

暑くて着られない、寒くて着られないような服に何万円も支払って平然とできるのは、よほどの金持ちかよほどの変態的洋服愛好家だけだろうが、そういう人の数は極めて少ない。

そんな少人数の特殊性癖に向けて商売が成り立つブランドやショップなんて数えるほどしか存在しないから、大多数のブランドやショップは気温に応じて損切りすることが必要不可欠だろう。

 

 

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