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南充浩 オフィシャルブログ

漫画・アニメとの融合

2014年4月25日 未分類 0

 先日、心斎橋筋商店街でこんな看板を見つけたのだが、これが果たして販促につながるのかどうか筆者には理解できない。

「うる星やつら×スピンズ」という看板である。

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ほんの少し前までは漫画・アニメというジャンルとファッションというジャンルは支持層がまったく異なっていた。
筆者の高校・大学生当時を思い出してみると、オタクと呼ばれる漫画やアニメの愛好者はファッションには無頓着な人が多かった。たぶん、筆者もそのうちの一人である。

体感的にいうと、アニメ愛好家の方がよりコアなオタクで、漫画はもっと支持層が広かったという印象である。
高校・大学生当時にファッションを愛好するようなチャラっとした輩も熱心に週刊少年ジャンプを読んでいた。

逆に今の若い人は漫画をあまり読まず、漫画を愛好しているのは筆者と同年配の30代半ば~50歳にかけてだという。三つ子の魂百までというやつだ。若いころに愛用した物からなかなか抜け出せない人が多い。

当時は、友人同士で漫画について語り合うなんていうことはなかったし、いくら愛好者が多いといえども、漫画のキャラクターが描かれたTシャツやスエットなんて着るのは本当のオタクだった。

漫画よりもコアなアニメについては言わずもがなである。
アニメのキャラクターが描かれたTシャツを着ているような輩は極度のオタクとみなされていた。

数年前からユニクロでは毎夏、盛んに漫画やアニメのキャラクターが描かれたTシャツが販売されている。
ガンダム、ワンピース、あしたのジョー、などなどだ。

たとえばガンダムだったら、ジオン公国や地球連邦軍の紋章のみが描かれたTシャツならまだ着用できなくもない。しかし、ガンダムそのものが描かれたTシャツなんて着る人間がいるのか?というのが素朴な疑問だった。
ワンピースしかり、あしたのジョーしかりである。

店頭を定期的にチェックしていると、完売とはいかないし、グラフィックデザインによって残り具合に格差があったが、それでも毎シーズン一定の量が購入されていることに気が付く。
ガンダムが描かれたTシャツを買った人はどういう場面で着用しているのか気になって仕方がない。
筆者なら部屋着か寝間着にするところだが、おそらくデイリーカジュアルとして着用している人もそれなりにいるのだろう。

アニメグッズ専門店「アニメイト」の衣料品版はユニクロじゃないのかと思ったこともある。

筆者はひそかにそんな疑問を抱え続けていたわけだが、漫画・アニメとファッションの融合はお構いなしに加速している。
もっとも印象に残っているのが、ファッション雑誌「シュプール」の2011年10月号で、荒木飛呂彦さんの「岸辺露伴 グッチへ行く」という短編漫画が掲載されたことである。

荒木さんの人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のサブキャラクター、岸辺露伴が持っていたグッチのバッグにまつわるストーリーである。

筆者からすると「ファッション雑誌にジョジョが!」「グッチとジョジョが!」という驚きがあった。

また、今春はセーラームーンとプリキュアが伊勢丹新宿店と大々的なコラボを行っている。
詳細は山田耕史さんのブログをお読みいただきたい。

セーラームーンとプリキュアが伊勢丹新宿店をジャック!
http://t-f-n.blogspot.jp/2014/04/blog-post_8.html

好き嫌いは別にしてファッションの殿堂のような伊勢丹新宿店がセーラームーンやプリキュアのようなアニメと大々的にコラボをするなんていうのは以前だと考えられないことである。
せいぜい子供服売り場か玩具売り場向けの企画に終わっていただろう。

ちなみに自宅の近所のスーパーにもプリキュアバナナが販売されている。ラベルにプリキュアが描かれているだけで普通のバナナなのだけど。

それにつけてもこういう流れは10年くらい前までは想像できなかった。
でも、いくら市民権を得たとしても、ガンダムやセーラームーンのキャラクターがデカデカと描かれたTシャツをデイリーカジュアルとして着用するのは筆者には無理である。

こんなことを書いていたら思い出したことがある。
機動戦士ガンダムのメカニックデザイナーとしてガンダムやモビルスーツをデザインした大河原邦男さんは、元々はオンワード樫山のデザイナーだった。
そういう意味では昔からファッションと漫画・アニメは想像するよりも近しい存在だったのかもしれない。

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