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南充浩 オフィシャルブログ

絞り込む作業の方が大切では?

2012年12月28日 未分類 0

 以前、ジーンズ専業アパレルは選択肢を広げ過ぎたことがあだになったのではないかと書いたことがある。

先日、阪急百貨店うめだ本店のレディースジーンズ売り場を取材した。

http://www.apparel-mag.com/abm/article/trend/310

リニューアルした売り場はわずかに15坪しかない。
売り場を覗くといつものように様々なブランドが並べられている。
けれどもよく見ると、1品番しかないブランドもある。
普通のジーンズ売り場を見慣れている者にとってはちょっと奇妙に映る。

普通なら少なくとも同一ブランドで4~5品番並んでいる。

しかし、この売り場は狭さ故に、あえて「そのブランドの最も強い品番のみ」に絞り込んでいる。
だから「○○」というブランドはスキニーのみ、「××」というブランドはタイトストレートのみ、という陳列になっているわけだ。

筆者は個人的に「これまでのジーンズ業界に欠けていたのはこの視点ではないか」と感じた。

とくにこの売り場は「ファッションの切り口」を全面に打ち出し、ボリュームである中価格帯を捨てて高価格帯に絞り込んでいる。
ジーンズをファッションとして売るならこの提案はアリだろう。
いわゆる「専門店」「ブティック」「セレクトショップ」という業態ならこの手法は取り入れて良いのではないだろうか。

幅広い層に売ろうとするとどうしても選択肢を増やすことが当然と考えられている。
けれども、年配層にも広く支持されているユニクロでさえ、以前書いたようにメンズジーンズは4シルエットしか存在しない。
ジーンズナショナルブランドのように8種類も9種類ものシルエットは逆に必要ないのかもしれない。

ジーンズナショナルブランドはこれまで様々なシルエット、加工方法を編み出してきた。
そういう開発研究を続けるという姿勢自体は否定しない。
むしろドンドン研究開発を続けてもらいたいと思う。
けれども今後は、そこから絞り込んで提案するという作業が求められているのではないだろうか。

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