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南充浩 オフィシャルブログ

むさくるしくない本藍プリント

2012年6月4日 未分類 0

 さて、先日、奥田染工場の奥田博伸社長が個人的に開催している浴衣を中心とした展示即売会にお邪魔した。
奥田染工場は東京・八王子にある染工場で、東コレブランドなどの染色を本業とされている。

なかなか東京にも行けないし(交通費が高いからね)(ノ◇≦。) ビェーン!!、ましてや八王子にはあまり用事がない。
今回は京都展にお邪魔したというわけである。

浴衣を中心にハンカチ、ストールなどが展示されていた。
お邪魔したのが金曜日の昼間ということもあり、なかなかのんびりしたものだった。

柄のデザインやプリントは、本業ではないので奥田社長が個人的に行っておられるという。
奥田社長は「本業のプリントや染色は、日々の業務で毎日何十万円という発注がありますが、製品を売るのは1000円稼ぐのにすごく時間がかかりますね~」とおっしゃっていたが、本業でないゆえの苦しみだろう。

この展示即売会は、昨年東京で初めて開催し、
今年5月に東京展を、今月初めての京都展を開催したという新しい取り組みである。
定着するにはもう少し時間が必要だろう。

展示物で個人的に興味を持ったのが、本藍のプリントである。
薄い水色で微細な柄をプリントしてある。
通常、「本藍」というと、濃紺に染められることが多い。
しかも、出来上がった商品は「職人のこだわり」に満ち溢れた表情をしていることが多い。まるで民芸品である。筆者は苦手である。
「仙人」風のオヤジが染めている作業風景が写真で紹介されることも多いが、あれも苦手である。
どうにもむさくるしい印象を抱いているのは、もちろん筆者の偏見である。

奥田染工場の本藍プリントは、言われなければ「本藍」とはわからない。
これが本来の提案ではないかと思う。
効能やデザイン性をまず打ち出すべきで、スペックをアピールするのはその次で良い。

そういう意味ではこの本藍プリントは、本藍というスペックよりもデザインと色調を重視しているところに好感が持てる。

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(濃紺の民芸品ではない本藍プリント各種)

東京展でもっとも好評だったのが「錆染」である。
もともとは「錆」を使って染めようと考えたらしいのだが、本物の「錆」は定着率が悪すぎる。
そのため、今はちょっと違った薬剤をつかって「錆」風に見せているという。どのような物を使っているのかは教えていただけなかった。
ただし、これも手作業であるため一反作るのに時間がかかるという。

IMG_0328

(東京展で人気だった錆染)

さて、今回で二回目というこのイベントだが、
今後は、集客・告知に力を入れる必要があるのではないか。
ブログ、ツイッター、フェイスブックを使った告知。業界新聞を使っての告知。など手法はさまざまある。
奥田社長自身もせっかくブログ、ツイッター、フェイスブックをなさっているので、それをさらに活用されてはどうだろうか。

筆者もブログを書いていると「また似たようなこと書いてしまったな~。読んでる人は飽きるな~」とついつい思ってしまうのだが、人間は意外に他人のことは「忘れてしまう」生き物である。
丸安毛糸の岡崎社長も「何度告知しても忘れてしまう人は多いですよ。人間は他人のことを本当にすぐに忘れてしまいます」とおっしゃっている。
くどいくらいに告知してちょうど良い具合なのかもしれない。

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