ピーチ・ジョンの赤字額はいくら?
2011年7月7日 未分類 0
ワコールHDに子会社化された、ピーチ・ジョンの社長が更迭された件について、
その詳細を報道した記事は、目にする範囲ではあまり見かけない。
原因はピーチ・ジョンの2期連続の大赤字だとされている。
しかし、読み飛ばしているのかもしれないが、繊研新聞でさえもが、その大赤字の具体的数字をあまり報道していない。
何に遠慮をしているのかよくわからないのだが。
先日、東洋経済に
「大赤字のピーチ・ジョン、カリスマ・野口美佳社長辞任の顛末」
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/d233c87232683e556413643db910ea32/page/1/
という記事が掲載された。
これはけっこう突っ込んだところまで取材がされておりわかりやすい。
問題の赤字額だが、
「11年2月期は2期連続の営業赤字。赤字額は30億円」だという。
ワコールHDは上場企業であるので、子会社の決算内容についてもある程度公開する義務がある。
当然のことだが、ワコールHDのHPでは、ピーチ・ジョンの前々期の営業赤字額も公開されている。
それによると、
2010年2月期は営業損失13億2500万円である。
ちなみにピーチ・ジョンの2011年2月期の売上高は117億1100万円(前期比11・4%減)であり、
ピーク時の2006年5月期からは約60億円減収したことになる。
東洋経済の記事に戻ると、ピーチ・ジョン低迷の原因は
「不振の要因はPJブームの一巡に加え、インターネット販売への対応の遅れにある。通販市場ではZOZOTOWNや楽天市場などが急速に台頭。その間、PJはカタログ通販から脱皮が進まず、売り逃しが多くなった」(記事引用)ことが挙げられている。
また、野口美佳・前社長のカリスマ性が衰えたことも同時に指摘されている。
身の回り限定のマーケティング調査で恐縮だが、
ワコールやトリンプなどに比べると「ピーチ・ジョンはデザインは可愛いが、品質が今一つ」という何人かの評価を聞くことがあった。売り上げ低迷の原因の一つに加えても良いのではないだろうか。
さて、東洋経済は
野口氏は今後もPJ全体の営業や商品担当を担うほか、海外PJの社長は続投する。特に「中国は積極的な拡大が見込める」(塚本社長)と期待する事業だ。ただ海外は自身の知名度を生かしづらい。とはいえ、軌道に乗せられなければ、PJでの居場所を完全に失いかねない。(記事引用)
となかなか辛辣に結んでいる。
ここまで踏み込んだ記事があまり見かけなかったので、ご紹介した次第だ。