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南充浩 オフィシャルブログ

商品の最終処分地?天神橋筋商店街

2015年4月20日 未分類 0

 日本一長いといわれる天神橋筋商店街で定期的に店頭で立っている。
ここには「バッタ屋」と呼ばれる処分屋が数多くある。

手伝っている店舗から徒歩5分くらいの間にざっと知っているだけでも5~6店舗はある。
天神橋筋商店街は地下鉄で2駅分もの長さがあるので端から端まで数えればそれこそ何十店とあるだろう。

取扱いブランドも様々だ。
手伝っている店は大手通販各社の在庫品が多い。
在庫品の大半は完全新品だが、中には返品された商品も混じっている。
返品商品を検品していて唖然とするのだが、少なくとも何週間かは使用された形跡のある物がけっこう混じっている。
洋服の場合は使用感は分かりにくいが、靴なら丸わかりである。
靴底が異様にすり減っているし、使用感が一目瞭然である。
なぜかたまに使用済みと思われる下着もある。

写真 22

(明らかに長期間履きこんですり減った靴底  返品商品から)

写真 11

(長期間履きこんだため履きジワが深く刻まれている  返品商品から)

商品が到着して室内で何度か試着したけどやっぱり返品するというならわかるが、明らかに何週間か何か月か履いた後で返品するという行動は理解ができない。
使用済みの下着を返品するという行動はもっと理解できない。
こういう消費者が増えているのなら通販会社も大変である。

それはさておき。

近隣には、某外資系グローバルSPAブランド「Z」や、ジーンズカジュアルチェーン店のプライベートブランド「B・N」、ナチュラル系レディースブランド「N・O」が格安で販売されている店や、デザイナーブランド「ファイナルH」が格安で販売されている店がある。

Zブランドは290円だし、N・Oブランドはだいたい1000~1500円くらい。
B・Nブランドのジーンズは800円、ファイナルHブランドの長袖Tシャツは650~1300円くらい。

である。

これらがコピー商品かどうかはわからない。
織りネームはそのままだが下げ札は切られている物があるので、それはおそらく本物で、織りネームを切り忘れたのではないかと推測される。
またB・Nブランドは本物だろう。これをわざわざコピー商品を作る意味がない。

またJR天満駅近所には、どうみても「〇ルフ・〇ーレン」と思われるポロシャツが1900円とか2900円で売られているときがあるが、あれはコピー商品なのではないかと推測している。(詳細には調べていないが)
その店は「百貨店の在庫品引き取ってきました!」みたいな売り文句で販売しているが、メンズのシャツなんかは〇ンメンズウェア社の物が多く、この会社は量販店とカジュアル専門店チェーンが主な販路なので、これに関していうと、百貨店から引き取ってきたということはありえないのではないかと考えている。

ここは、2月にドライビングシューズを999円(税込)で買った店である。

そんな愉快?な商店街なのだが、見ていると「常設店」と「催事店」がある。
手伝っている店は常設店である。月額何十万円かで借りて、毎日営業をするというスタイルである。
また、家族経営で運営している常設店もある。
近隣か店舗の上の階で家族が暮らしているのだろう。

ところが、近隣には「催事店」もけっこうある。
2週間とか1か月で店の内容が変わるのである。

ときどき搬入とか搬出をしている場面に出くわすが、Aという業者が2週間の販売を終えたら、別のBという業者が2週間の販売を行う、そんな感じのサイクルである。

おそらくは店舗オーナーが廃業し、完全に場所貸しだけに徹しているのだろう。
近隣の催事店出店者にそれとなく尋ねてみると、そこの店の賃料は1日3万円だという。
広さは20坪から30坪くらいだろう。

そこは知る限りでは毎日なにかしらの催事店が出店しているから、毎月60万円の家賃が店舗オーナーには入ることになる。
毎月90万円なら1年間で家賃収入は1080万円ということになる。
店舗オーナーにとってはかなり美味しい。

催事店出店者は近隣の近畿圏内の業者が多いと勝手に考えていたが、広島からわざわざやってきている業者もいた。

昨今、商店街では店舗オーナーが高齢化し、後継ぎがいないという問題がある。
その場合、その店舗はいずれ閉店したままにならざるを得ない。
しかし、このようにして貸し出して完全催事場にしてしまえばその問題は完全に解決できる。
また定期的に商材がガラっと入れ替わるので消費者にとっても目新しさがある。

すでにこの形態を取り入れている商店街は他にもあるのだろうが、この天神橋筋商店街ではそこに行政が介在している様子はない。

ある意味で理想的な状況ともいえる。

記事などでは全国には、閉店している自店を貸し渋る店舗オーナーもあるという。
個人的にはそれを貸し渋るオーナーの意図がまるっきり理解できない。
天神橋筋商店街の店舗のように催事業者に貸し出せば良いのではないか。
もちろん、人通りが少ない商店街だと1日当たりの家賃は3万円より引き下げねばならないだろうが、1日1万円としても1か月で30万円であり、1年間で360万円になる。

シャッターを閉めたままにしておくよりはよほど美味しいと思うのだが。

まあ、そんなわけで「バッタ屋のメッカ」となりつつある天神橋筋商店街を今後も興味深く観察したいと思う。

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