ショート動画からの購入商品で分かる「洋服」への興味の薄さ
2023年4月27日 ネット通販 0
10年くらい前からたまにYouTubeを観ていた。というより、昔懐かしい歌が上がっているとそれを聞いていたと言った方が適切だろう。
たまに昔の歌を聞く動画サイトというのが当方の位置付だった。
2010年代半ばごろからユーチューバーという職業?が話題になり始めたが、その時でも、当方はYouTube番組を全く観ていなかった。昔の音楽をたまに聴く程度だった。
2020年4月にコロナ禍による長期営業停止が起き、仕事もさほど無かったのでなんとなくYouTube番組を観始めた。そこから急速に有名芸能人がYouTubeに進出してきた。
それ以降は毎日2~3本はYouTube動画を観るようになったが、当方が観るのは、
1、ガンプラ
2、犬と猫とその他ペット
3、プロ野球OB番組
4、経済・歴史解説
あたりのジャンルである。
ファッションYouTube番組はまず観ない。
で、そんな中、仕事の一環としてたしか2021年に「ショート動画をアップしてみては?」と勧められた。具体的に言うと、若者向けのショート動画TikTokだった。
しかし、動画編集がめんどくさいという理由(文章を書くよりも時間がかかる)に加えて、当方に喋る内容が無いこと、さらには当方が自分の容貌と声が嫌いなこともあっていまだに手つかずである。多分今後もやらないだろう。
その際、YouTubeショートというのも勧められたが同じ理由でやっていない。
それ以降、YouTubeショートの動画もたまに観ることがあるが、個人的には短すぎて何が面白いのかよくわからない。若者はショート動画の何を楽しんでいるのだろうか。さっぱりわからない。
かと言って、某業界新聞が某コンサルに高い金を払って出演させていたYouTube番組のようにジジイがダラダラと40分~1時間もかけて喋っている番組なんていうのも長すぎて苦痛でしかない。
5分~15分くらいの長さが最も適切だろうと思う。
とはいえ、ショート動画の面白さがわからないのは、ジジイの単なる繰り言として、ショート動画に力を入れるのが現在の販促の主流の1つといえる。
そんな状況下ではこのアンケート調査はいろいろと参考になるのではないかと思えるのでご紹介したい。
「ショート動画を見て商品を購入したことがある」は32.2%。購入ジャンルのトップは「食品」【ショート動画とEC調査】 | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)
記事の終わりに明記されているのだが、18~69歳の男女7000人を対象としているので、全世代の嗜好がごちゃ混ぜになった結果である。
それはごちゃ混ぜともいえるが、全体的な総意ともいえる。逆に年代別にアンケートを集計するとまた異なった結果となり、各世代間の相違点が明らかになることは間違いない。
「デバイスを所有している」という回答者に、「YouTube ショート」「Instagram Reels」「TikTok」「LINE VOOM」「Likee」の利用状況について聞いた。「視聴のみしている」「視聴も投稿もしている」を合わせて「視聴している」の割合は、「YouTube ショート」が38.5%で最も多く、次いで「Instagram Reels」が23.1%、「TikTok」が20.6%だった。
と、まずある。
若者に人気と言われるTikTokだが、全体的に見ると20%のシェアしかなく、YouTubeショートより18ポイントも低く、インスタグラムリールにも3ポイント及ばない。
年代別の結果は書かれていないので若者の占有率がどれほどかは分からないが、総体的にアピールしたいのであれば圧倒的にYouTubeショート、次いでインスタグラムリールといえる。
そして
ショート動画を視聴して商品を購入したことがあるか聞いたところ、32.2%が「購入したことがある」と回答した。性別で見ると、男性は34.8%、女性は29.4%。
とある。
だいたい、3割の人がショート動画を観て商品を購入したことがあるということで、この3割を多いと見るのか、少ないと見るのかは各企業によって意見が分かれそうだが、これも年代別の購入は分からないので、若者はもっと高いかもわからないし、30代以上はもっと低いかもわからない。
ただ、広くマスに売りたいという企業ならショート動画に過剰に注力する必要は今のところ無さそうだといえるのではないだろうか。
そして、購入されている商品だが男女で少し異なる。
「ショート動画を視聴して商品を購入したことがある」と回答した人に、購入したモノを聞いたところ、トップは「食品」(30.0%)で、「雑貨(靴、バッグ、アクセサリー)」(23.7%)「化粧品」(23.2%)と続いた。
性別で見ると、男性のトップは「食品」(30.2%)で、次いで「雑貨(靴、バッグ、アクセサリー)」(24.4%)「日用品・文房具」(23.7%)だった。女性のトップは「化粧品」(36.6%)で、次いで「食品」(29.6%)「雑貨(靴、バッグ、アクセサリー)」(22.7%)だった。
とのことで、記事中の表を見てもらえればわかるのだが、男性は1位食品、2位雑貨、3位日用品・文具となっており、4位キッチン用品(20・4%)、5位家電(20・1%)となっている。女性は1位化粧品、2位食品、3位雑貨で、4位は洋服(21・6%)、5位日用品・文具(21・0%)となっている。
女性の化粧品は圧倒的だが、それを除くと、男女ともに「食品」はかなりの好調商品だといえる。女性でも29・6%は買っており、男性の30・2%とさほど変わらない高さである。
ここからが当方としての注目点だが、洋服の購入比率は比較的低いといえる。特に男性は上位5位にも入っていない。今の男性がいかに洋服に興味が無いかということが現れているのではないかと思う。女性は4位に洋服がランクインしており、男性よりは洋服に興味を持っているが日用品・文具とさほど変わらない。化粧品と食品からは大きく離されている。
女性といえども洋服の優先順位は衣料品業界人が想像するほどには高くないといえる。
衣料品業界もYouTube、それから各種ショート動画での販促に力を入れているが、このアンケート結果からすると男性は衣料品は興味の対象外だし、女性ですらも化粧品と食品に比べると興味が薄く日用品と変わらない程度ということができる。
繰り返すが18~69歳と幅広い年齢のアンケートなので、各年代の嗜好はまた異なると考えられるが、アパレル企業各社はショート動画の効果を冷静に分析検証してみることは必要だろう。
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