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南充浩 オフィシャルブログ

日暮れて道遠し

2014年7月18日 未分類 0

 最近すっかり年を取ったと感じる。
今年で44歳なのだから、世間的に見れば立派なくたびれたおっさんである。

以前、アウトドアブランドの展示会で「最近はフリース人気が復活しています」と聴いたときには驚いた。
なぜなら、フリースジャケットはユニクロのかつての爆発的なブームのおかげで、「安物イメージ」が定着したアイテムだったからだ。

ところがブランドの企画マンから「ユニクロのフリースブームは98年ごろなのであれから現在まで15年以上が経過しています。あのとき10歳だった子が今、25歳になっているわけです。彼らにはユニクロのフリースブームの記憶がありません」との説明されたときに、衝撃が走った。
筆者にとっては昨日のことのように鮮明に記憶されているユニクロのフリースブームが、もう15年も前のことで、その当時の10歳だった子らが、もう25歳を超えている。

いやはや、年を取るわけである。

ちなみにユニクロの影響で苦戦が始まっているのが、軽量ダウンジャケットであるそうだ。
現代の若き消費者にとって軽量ダウンジャケットはどうもウルトラライトジャケットとダブって見えるらしい。
これはこれで面白い現象といえる。

先日、日経ビジネスオンラインでハイウエストボトムスのことを書いた。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140707/268232/

今年4月に行われた「リー」の今秋冬向け展示会でハイウエストスキニーパンツが出展されていたが、白シャツと合わせたマネキンボディはどうみても全盛時代のW浅野にしか見えない。
セーターのプロデューサー巻きも加わっているから余計にそう見えて仕方がない。

リーの「ハイウエストスキニー」

記事中にも書いたが、ボトムスの標準がローライズになったのは、2000年ごろである。
96年ごろに買ったボブソン「04ジーンズ」の股上も深かったし、98年ごろに所有していたビンテージレプリカジーンズの股上も深かった。
2000年ごろにローライズ化したのはレディース先行だったので、メンズのローライズ化はさらにそのあとということになる。
体感だがメンズのローライズが完全に移行したのは2004年とか2005年ごろではなかっただろうか。

だから筆者のようなオッサンにとってはローライズ化したのは昨日のことのような気がするのだが、それでもレディースで14年、メンズで10年強が経過していることになり、今の若い人たちがハイウエスト時代を知らなくても不思議ではない。

当時10歳だった子が20~24歳になっており、その前後の年代の人がハイウエストボトムスに斬新さを感じても当然であろう。

ただ、今後、ハイウエストのトレンドが加速したと仮定しても筆者は穿かないだろうと思う。
やっぱり10年強前までのイメージが強すぎる。

そして新しいトレンドに新鮮さを感じずに、むしろ、昔っぽいと感じるようになったということは筆者は確実にオッサン化しているといえる。

そういえば、亡き母も筆者と同じ年齢のころ(25年前)によく「今の流行りの服装は、ン年前の〇〇の焼き直しみたい」とぼやいていたが、今の筆者のような心境だったのだろう。

さてさて、いよいよ「日暮れて道遠し」である。
まさに伍子胥の心境である。

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