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南充浩 オフィシャルブログ

やるかやらないかの違いだけ

2014年6月11日 未分類 0

 衣料品業界において既存のルートから受注が増える時代ではない。
なぜなら、衣料品が売れていないのだから、受注が増えることは考えにくい。
個々の企業やブランドなり、個別のアイテムで「昨年より売れてますよ~」という事例は存在するが、業界全体を見れば既存顧客からの受注は現状維持が良いところだろう。

だから産地の生地メーカーや染色加工場も自社で製品を開発している。
生地や染色加工を売るだけでは受注が増えないから、製品を作って卸売りや直販を試みているわけである。
その製品の出来の良し悪しには当然格差があることは言うまでもない。

筆者もときどきそういう相談を受けることがある。
「ワシらも製品開発やりたいねんけどな~」という意見?愚痴?を耳にすることがある。
「やったら良いじゃないですか」と返答すると、
「いや、既存の卸先の〇〇に怒られる(かもしれない)から~」
との答え。

まあ、予定調和みたいな儀式である。
やりたいけど、既存取引先に怒られるからやらない。
結論はあらかじめ決まっており、とりあえず誰かに愚痴を聞いてもらいたかったレベルだろうと推測する。

べつに産地企業だけではない。
卸売りブランドだって「インターネット通販を始めてみたいんだけど」という。
「やったら良いじゃないですか」と答えると「ブティック〇〇に怒られる(かもしれない)から」と言う。

そうですか。そうですか。

繊維・アパレルなんて文化事業でも伝統工芸でもなく、単なる産業であり工業であり商業である。

好き嫌いは別にしてユニクロはビジネス的に成功を収めたブランドである。
彼らが扱っている商品の好き嫌いとか経営者の好き嫌いとかは横に置く。
一小売店が契約工場を抱えて自社企画製品を製造するという図式は、取り組み始めたときにはずいぶんと既存取引先から怒られただろう。
それでもやり続けた。

卸売りブランドがインターネット通販をやっていることだって今は珍しくない。
でもやり始めた当初は随分と既存取引先から怒られただろうと推測する。

怒られてもやった者勝ちではないかと筆者は思う。
そこに活路があると思うならやってみれば良い。
怒られないように過ごして廃業・倒産を受け入れるのも良し、そうしたくないなら、怒られてもやるべきである。
そこそこ事業が成功すれば誰も怒らなくなる。

先日、「ピネタ」というミセスブランドを今春から開始した松原という会社の展示会にお邪魔した。

この会社の沿革を聴いて面白いなと思った。
もともと問屋だったそうだ。
問屋が直営ブティックを開設した。
直営ブティックが数店規模に広がった。
今度は直営ブティックで販売する製品を自社企画した。

その自社企画ブランドを他社小売店へ卸売りしようというのが、今春から開始した展示会の主旨である。

IMG_1795

(ピネタの今秋冬企画)

これは推測だが、直営ブティックを開設する際、自社企画ブランドを開始する際、それを他社小売店へ卸売りする際、いずれもその都度、既存取引先からは「怒られた」のではないか。
それでも次々と新しい取り組みを始めている。

どんな事業でも新しいことには軋轢が生じる。
それは繊維・衣料品業界に限らない。

それでもやるのか、だからやめるのか、は経営者・経営陣の腹積もり一つである。

軋轢が怖くてやらないなら、既存ルートの現状維持に満足すべきだろう。

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