
機能性衣料品を企画・販売する際に気を付けてほしいこと
2022年10月11日 品質検査 1
皆さんこんにちはー!
USです。
今や多くの洋服で機能性素材が採用され、様々な機能を謳ったアイテムが販売されています。
夏物であれば吸水速乾や接触冷感、冬物であれば発熱系素材は多くのインナーで採用され、皆様にも馴染みがある機能性だと思います。
その機能性ですが、何でもかんでも好き勝手に表示できる訳ではありません。川上・川中の方はよくご存知だと思いますが、表示するための評価(試験)がなされ、ある一定水準をクリアすることで表示することが可能になります。(クリアしていないと最悪の場合は不当表示で消費者庁から措置命令が出されるケースもあります)
多くの場合は、機能性の評価をするにあたり第三者機関への依頼をすることになると思います。第三者機関へ評価をお願いするということでコストと時間が掛っている、ということもこの機会に知っていただきたいところです。
さて、この評価の方法にもいくつかの種類があるケースがあります。
例えば、これから冬に向かっていくと暖かい機能が謳われる商品の展開が増えていきます。この暖かい機能にも種類があり、保温性が高いものや発熱するものがあり、それぞれによって評価の方法が変わります。
保温性が高い物は文字通り、
●温度を保つ素材=熱を逃がしにくい素材
です。
発熱する物の代表的な素材は
●湿気を吸収することで熱に変える吸湿発熱
●光を吸収すると熱に変える光吸収発熱
があります。
どれもこれも一括りにすると暖かい素材ですが、機能性の発揮の仕方が微妙に異なることがわかって頂けると思います。
評価依頼の際に、『発熱の試験をしてほしいのですが』などと依頼されるケースがありますが、吸湿発熱素材を使って光吸収発熱の試験を行っても当たり前のことですが機能性がうまく評価できません。依頼者もどういう原理で発熱する素材なのか、ということを理解した上で評価依頼をする必要があります。
また、機能性を最大限に効果を発揮できるようにするには、機能性に合ったアイテム作りも重要になります。前述の発熱素材でいうと、インナー系には、人の発汗作用を活用した吸湿発熱性のある素材が合います(ユニクロのヒートテックが代表的ですね)。
インナー系アイテムに光吸収発熱素材を利用したとしても一番肌に近いところに着るので光が当たらずうまく機能が発揮できない可能性があります。光吸収発熱素材を効果的に生かしたいならジャケットやコートなどのアウター類に使用すべきでしょう。
機能性をアピールしたい商材を作る場合は、生地や糸の見本帳に書いてある機能性がどういったことで効果が発揮されるのかを確認し、機能性に合うアイテム、機能が発揮されやすい仕様や用途、機能を発揮しやすいデザインを考えて頂きたいです。
デザインや仕様によってせっかくの機能が発揮されなくなる、ということもあります。機能素材を使うならその機能を十分に発揮できるようにした方が良いに決まってます。
販売現場においては、機能性の事をよく理解していないまま接客したり、商品説明文を書いてしまうと消費者の理解が深まらず、消費者が機能性を発揮してない(機能性を体感できない)、と感じてしまうことになるかもしれません。
せっかくコストと時間を掛けて評価、企画をしているのにも関わらず、消費者からの機能性に対しての信用がなくなったり、ブランドやメーカーに対しての信用がなくなることに繋がってしまうのは残念でなりません。
販売員さんや商品説明文を作成する人も正しい情報が伝わっているか、過剰な・誇大な表現で機能性を謳っていないか等を注意して頂きたいです。
どのような説明をすべきかわかりにくい場合は、本部やメーカーに確認してみるのも良いかもしれませんね。
以上USでした。
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僕はヒートテックとかエアリズムとか,ケミカルな素材は何だか気持ち悪いのであんまり買ったことがないからどーでもいいようなものですが,頻繁に着用すると寿命はどうも1年程度のようで,その割には少し高価な気がしないでもない。この「寿命」に関しては規定はないのだろうか?
GU では “パデット” ジャケットと称するものを売っているが,本来 “padded” だけじゃ「中綿入り」という意味にしかならないが,どうやら「中空繊維を使っている」ということらしい。「ダウンを取るのは動物虐待」と言えなくもないから SDGs を重視する意識高い人はこっちの方がよろしかろう。そんなに暖かくはないけどw