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南充浩 オフィシャルブログ

機能性と見た目の斬新さが必要

2014年4月14日 未分類 0

 先日、海外のデニム生地メーカーと仕事をされている方と久しぶりに雑談をした。

彼が言うには「デニム生地は見た目、機能性に斬新なものを開発する必要がある」とのことで、これには非常にハゲシク賛同できた。

物にはなんでも需要がある。
ン十年前の古き良きデニム生地を再現したものというのも当然需要がある。
けれども、国内の各デニム生地メーカーは競ってその手の生地を開発しており、今更、新開発する必要もないと筆者は感じる。

一方で、機能素材や見た目の新鮮さというものにも需要がある。

たとえばクロキの「二重織りキルティング風デニム生地」(品番ではアーガイルデニムと表示されている)というのは見た目の斬新さを狙ったものである。

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(クロキの二重織りキルティング風デニム)

以前、ライトオンのニューシャイニーデニムがそこそこ売れたのも、鈍い光沢感のある見た目の新鮮さによるものだろう。このニューシャイニーデニムのヒットによって、トルコのデニム生地メーカー、ISKOが日本市場に本格的に上陸することができた。

機能性デニム生地というと、現在市場にあるのは、ストレッチ、吸水速乾、保温、防風あたりだろうか。

けれども本来はもっとさまざまな機能デニム素材があっても良いと思うし、そういうものを求める消費者は数多いと感じる。

たとえば、現在のストレッチデニムは生地が肉薄のものしかないが、もっと肉厚のストレッチデニムがあっても良い。これもクロキが試作しているが14オンスのストレッチデニム生地があれば男性にももっとストレッチが広まるだろう。

また、軽量デニムにも需要があるだろう。
軽量デニムというと薄手のライトオンスデニムを想像するが、14オンスデニムなみの肉厚感があって、なおかつ軽量なライトウェイトデニムも男性に受けるだろう。

ストレッチデニム素材ももっと伸縮性のあるものなら注目を集めるだろう。

以前に書いた「色落ちしないデニム」「色落ちしにくいデニム」も需要がある。現に、エドウインとリーは今春からセレクトショップやSPAブランドからの要望で「色落ちしにくいデニム」を発売しており、今秋冬も継続する。

ブルーのデニム生地ではないが、ホワイトジーンズ向けに「透けない」「汚れにくい」という機能も求められている。
ホワイトジーンズの悩みは「下着が透ける」ことと、「汚れが目立つ」ことである。
おしゃれに関心の高い某デザイン会社の社長がいるが、彼はホワイトパンツだけはユニクロとか無印良品とかの低価格品を買う。
なぜなら、「すぐに汚れて買い替えなくてはならないから」である。

人体から発生する皮脂、雨の日の泥はね、食事時の食べこぼしなどで、ホワイトパンツはあっという間に汚れる。何万円もするものを買うのはたしかにもったいない。

ちなみに「防汚加工」という加工は各種存在するし、それを施したパンツは存在するが、それを大々的に謳った商品を売り場で拝見したことがあまりない。

あと、下着が透けることも男女ともにホワイトパンツの大きな悩みである。

昔、ラングラーが「透けないホワイトジーンズ」というのを発売したが、この手の商品は需要があるにも関わらずその後、各ブランドからほとんど継続はされていない。

以前、中国のデニム生地メーカーのお手伝いをしているという方が筆者を訪ねてこられた。

その生地メーカーは日本のブランドにも生地を採用してもらっているらしいが、さらなる拡販を目指しているという。

筆者はその方に「正統派デニム生地をいくら研究しても、国内にそんな生地メーカーは山ほどあるから、そこへ食い込むのは難しいでしょう。トルコのISKOよろしく、機能性デニムか見た目が斬新なデニムを開発した方が良いのではないですか」とアドバイスさせていただいた。

筆者は何も従来型のデニム生地を否定しているのではない。
それは今後も継続研究されれば良いが、どれだけの消費者が「ビンテージ感あふれるデニム」を求めているかというと、それは多数派ではないと感じている。

たとえばツイードだって、昔ながらの肉厚で硬いツイードなんて生地を求めている消費者がどれだけいるのだろうか。そういうのが好きな消費者は存在するが多数派ではないだろう。
だからツイードもどんどん柔らかく軽くなっている。最近だとストレッチ性もあるかもしれない。

昨年秋から裏毛スエットの人気が復調している。
裏毛スエットというと吊り編みの丸編みが有名だ。
ビンテージ風スエットになると、度詰めのある肉厚な素材感が売り物である。

けれども密度の高い肉厚なスエットは重いし、洗濯をした際に乾きにくい。

なら、同じ肉厚感で、軽量でもっと早く乾くという機能性が求められるのではないか。

商品開発をする際には「その商品でどんな問題が解決できるか」という命題があるが、それに沿って考えればデニムもスエットもそのような機能性、もしくは見た目の斬新さが求められているのではないか。

従来型のビンテージ感あふれるデニム生地を開発・販売しながら、他方で斬新な見た目と機能性の高い素材開発を行う必要があるというのが筆者の結論である。

そうでなければトルコのISKOやアジアの生地メーカーのさらなる台頭を許すことになるのではないだろうか。

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