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南充浩 オフィシャルブログ

異様に根強い

2014年3月28日 未分類 0

 東京から関西に出張してきた方の感想を伺うのが好きである。
昔ほどではないが、様々なものにまだ東西差が残っているからである。

とくにファッション関連の感想を伺うのが面白い。

2,3年ほど前に東京から出張してきたブランドデザイナーとその相棒のプロデューサーは「BBOY系の服装をした人間がこれほど歩いてい街は東京にはないですよ」とアメリカ村を見て仰った。
それと同時に「ディーゼルのジーンズをこれほど多数の人が穿いているのは大阪だけでしょう。東京でもディーゼル着用人口はめっきり減りましたよ」とも仰った。

先日、東京のファッションマーケティング会社の方が関西に来られた。
実家がこちらなので正しくは帰省というべきである。

「久しぶりの関西はいかがですか?」と尋ねると、「神戸と梅田、天王寺を見ましたがイタカジ系の男性が多いですね」との返答。
ここでもやはり「ディーゼルのジーンズ着用者が異様に多いですね」との答えがあった。

そう、この2,3年で大阪都心でもBBOY系スタイルはめっきりと減った。
それでもまだたまに見かけるのが関西のすごいところである。
メンズで一番多いのは、お兄系の髪型をして、イタリアンカジュアル(イタカジ)系の服装をした人々である。
おそらく、かつて「ヤンキー」と呼ばれていた人たちもこの集団に属している。
安物のホスト連中の休日着も同じである。

で、彼らの御用達のジーンズブランドは「ディーゼル」である。

関西における「ディーゼル」人気は異様に根強い。

イタカジ人気が根強いからディーゼルが根強いのか、ディーゼルが根強いからイタカジ男が溢れているのか、その辺りの順序は分からない。

ディーゼルのジーンズとアルマーニエクスチェンジのペラペラのTシャツを合わせていたら完璧なスタイルである。

彼らの愛読雑誌は「Safari」だろう。
「Leon」はもう少しライフスタイルに寄っているし、そこで扱われている食品、ホテル、住居、飲食店は高額である。イタカジ系実業家なら手が出るかもしれないが、ヤンキーには所得的に無理である。
一方、「Safari」はファッション関連商品に終始しており、ライフスタイル提案まで手を伸ばしていない。所得があまり高くない人でも取り入れやすいのは「Safari」の方だろう。

部数は「Leon」の8万部内外に対して、「Safari」は後発ながら16万部内外と倍近い大差をつけている。
ひょっとするとその「Safari」の部数を支えているのは関西人ではないかと少しだけ勘繰っている。

さて、ジャヴァグループに「ストララッジョ」というメンズブランドがある。
レディース中心のジャヴァにあって珍しいメンズラインで、イタカジ系の典型であり、「Safari」にピタリとテイストが合う。

で、このブランドのショップリストを見てみると、
全国10店舗中、東日本にあるのは仙台店だけである。
そのほかは北陸の金沢に1店舗、中京の名古屋に1店舗である。
福岡の天神店を含めると残りはすべて関西を中心とした西日本にある。

これは結果論かもしれないが、消費者の嗜好に合致しているのではないかと思えてくる。

さて、関西圏はいつまでイタカジ王国、ディーゼル王国でいられるのだろう?筆者は別にイタカジを真似ようとは思わないが、全国の均一化が叫ばれる中、好き嫌いは別にして関西人が独自性を維持しているのは、それなりに興味深い現象である。

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