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南充浩 オフィシャルブログ

ガンプラの品薄状態によってネット通販の不便さを強く感じたという話

2022年1月24日 トレンド 1

今回は趣味の話で恐縮である。

興味の無い方は読まずに閉じていただいて結構である。

 

コロナ禍が始まって、如実に品不足となり、売れ行きが格段に高まったのがガンダムのプラモデル、通称ガンプラである。

当方は、離婚してから空き時間ができたため、ガンプラを買うようになった。買って組み立てるだけならそれほどお金はかからない。ハイグレードと呼ばれるモデルならだいたい数百円~1500円くらいで買えた。

月に1個か2個なら当方ですら何の苦も無く買える。

まあ、そんな感じで買い始めた。2013年のことだ。

当時は大型家電量販店にはガンプラは山積みされていたし、何なら在庫処分セールで半額くらいに値下がりする物も多かった。

同時にAmazonを見てみると、通常、家電量販店なら2割引きのガンプラが、30%オフ前後で売られていた。物は同じなら安いところで買うに決まっている。

そんなわけで、在庫処分値下げをされている物は家電量販店で、そうではなく2割引き以上で販売されている物はAmazonで買うというのが、2019年末までのマイスタイルだった。

2020年初頭からAmazonの値下げがほとんど無くなった。コロナ禍の始まりとともに。

その頃、家電量販店はまだ商品が豊富にあり、しかも2割引きだから2020年春から当方が買うのはほとんど家電量販店ということになった。

コロナ禍が始まり、特に4月~5月半ばまではほとんどの会社や学校が休みだったから、巣籠暇つぶし需要として平均3割引きでAmazonで売られているガンプラが対象物となったのだろう。

この間、当方の近所にある郊外のジョーシンはまだ在庫が豊富にあり、新商品が入荷しても即日完売ということはなかった。2021年春くらいまでは。

しかし、2021年夏ごろから郊外の家電量販店に目を付けた人が増えたのだろう。どんどん棚の商品が減っていく。おまけに新商品入荷の時には、開店前から並ばなくてはならなくなり、人気機種だと入荷数よりも並ぶ人の方が多いので買えないという状態にもなった。

もちろん、この間、Amazon、ヨドバシカメラなどのネット通販でも人気機種はおろか、劇中に登場する雑魚メカまでも売り切ればかりになってしまい、実店舗へ乗り換える人が増えた。

さらにいえば、Amazonは憎き転売ヤーが跳梁跋扈し、定価の1・5倍~3倍もするガンプラで溢れている。

2021年後半になると、生産数量が追い付かないのか、家電量販店のガンプラ棚もガラガラになり、ほとんど商品が並んでいないスカスカの状態が常となってしまった。

41年前のガンプラブームを越える品薄状態である。コロナ禍によって41年後にこれほどのガンプラブームが来るとは2019年まで誰が予想できただろうか

バンダイナムコの決算もこれを如実に反映している。

ガンプラを含むトイホビー事業部の2022年3月期第二四半期連結決算では、

 

トイホビー事業における売上高は178,123百万円(前年同期比35.9%増)、セグメント利益は33,092百万円(前年同期比73.1%増)となりました。

 

となっており、大幅増収増益となっている。

ついでに言えば、ジョーシンやヨドバシカメラなどの家電量販店各社でも何年間も売れ残っていたガンプラ在庫がすべて完売してしまっているので、そちらへの相乗効果も相当なものがあると考えられる。

 

2021年秋から当方は近所のジョーシンを諦めた。

一方で、都心の大型旗艦店をリサーチを兼ねて巡回するようになった。エディオン難波店、ヤマダ電機なんばパークス店、ヨドバシカメラ梅田店などだ。

都心大型店は、郊外店に比べると品薄がマシで、再販商品も何日間かは残っていることが多い。

ここで、当方は「再販商品が欲しければ、店頭販売開始日に都心大型店に行くのが最も確実性が高いのではないか」と考えるようになった。

各ネット通販が品切れもしくは転売ヤーの高額品しかないのは今も変わらない。

 

そんなわけで、満を持して、持論を確認する作業を行ってみた。

1月22日、超人気機種であるRGのHi-νガンダムが再販される日である。午前9時半の開店と同時にヨドバシカメラ梅田店に飛び込んでみた。

そうすると5階フロアのレジカウンターの内側にHi-νガンダムが山積みされている。恐る恐るレジの人に尋ねてみると「買えますよ」とのことだったので、一つを買って帰宅した。梅田での滞在時間はわずかに10分である。

定価4950円が4450円に割引され、ヨドバシポイント592円を使い、3800円くらいに値下げして買えた。

 

 

 

もちろん、ヨドバシカメラのネット通販は、売り切れたままとなっている。恐らくは店頭在庫とネット通販の在庫は連動していないのだろう。

実店舗で言うと、需要に対して供給が追い付かないので、恐らくは都心大型旗艦店に集中的に入荷するようになっており、地方・郊外店にはあまり入荷しないよういなっているのではないかというのが、昨年秋からの南リサーチの結果である。

現在、ガンプラに関してはAmazon、ヨドバシ、DMMの3つのサイトで折りに触れてチェックしているが、Amazonは転売ヤーのクソ商品ばかり、ヨドバシカメラは常に品切れ、DMMもほとんどが品切れのキャンセル待ち予約状態である。

 

現時点においては、ネット通販よりも家電量販店の都心旗艦店に行くのが最も確実性があり、ネット通販はまったく役に立たない。

ガンプラ品薄事件を通して、通説で言われるようなネット通販の利便性には深く疑問を持たざるを得なくなり、逆に実店舗の有効性を再認識できた。

衣料品業界やIT業界には、ネット通販至上主義みたいな人が今でもいて、実店舗をないがしろにするような発言をすることがあるが、それは全くの机上の空論で自分で買い物をしたことがない人の寝言ではないかとさえ思う。

消費者としては、ネット通販だろうが実店舗だろうが、欲しい商品が定価かそれ以下で手に入れば良いわけであり、買う販路がどこなのかなんてほとんどは気にしないだろう。

最近、ネット通販で一定の実績を積んだ会社やブランドが実店舗を出店するケースが増えている。それもイシキタカイ系メディアが持て囃す試着や体験に特化したものではなく、普通にその場でレジで購入できるタイプの実店舗である。結局のところ、ネット通販と実店舗は補完し合うのが最も効果的ということである。

各社には、地に足のついた堅実な施策を行ってもらいたいと思う。あとは転売ヤーの完全撲滅も切に願う。

 

 

値段が吊り上げられたRGHi-νガンダムを高値でAmazonでどうぞ~

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 comment
  • とおりすがりのオッサン より: 2022/01/24(月) 12:52 PM

    【恐る恐るレジの人に尋ねてみると】ワロタw
    なんか「バンダイは生産量多くしても日本国内で売らずに高く売れる海外へ輸出してる」なんて噂もありますが、売上の増加率と利益の増加率の乖離が大きさからすると本当なのかも?しかし、元値が安いガンプラじゃいくら高額転売しても、それほど儲からなさそうなのに転売ヤーの方々は頑張りますねぇ・・・

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