繊維の製造加工業者の発信方法についての基本をザックリまとめてみた
2021年2月12日 プレスリリース 1
なんだかんだと言っている間に独立して11年が経過した。
そのうちの前半5年間はまともに食えなかった。その後は何とか生活できるレベルになったが大儲けしているわけではない。今でもエラい先生方が聞いたら、多分驚くだろう金額で質素倹約を旨として暮らしている。
とはいえ、11年もやっていると、それなりの件数の仕事をさせていただいた。
繊維の製造加工業の広報関係も何件かお手伝いさせていただいた。先日も一件、繊維関係の加工業者からご相談をいただいたが新型コロナのためにストップしたままである。
で、この手の製造加工業者の多くの問題は発信をすぐにやめてしまう点にある。
今回は国内の製造加工業者に向けて、めちゃくちゃ基本的な広報・発信についてザックリと説明してみたい。
大きくわけて
1.自社発信
2.報道機関からの発信
の2つがある。
インターネットという道具の普及によって自社発信が容易になった。
それまでの発信というのは、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどマスメディアに採りあげられて初めて成立するものだった。もしくはそれらに広告を出稿するという形でなされていた。
ところが、インターネットが普及して、自社で発信することが容易になった。ホームページ、ブログであり、2010年からはそこにSNSが加わった。
多くの人に見られないと意味がないが、すでに知名度が高い企業やブランド以外、いきなり多くの人に見られるということは望めない。
インターネット通販でもそうだが、今、インターネット通販でそれなりの売上高を稼げている大手企業は元々の知名度があって「指名検索」が多かったという背景もあることを忘れてはいけない。
多くの人に見てもらえるようになるためには、地道に定期的に更新することが重要になる。
別に毎日更新する必要はない。例えば、週に1回、月に1回でも構わない。毎週月曜日更新とか毎月15日更新とかそういう具合に決めて、あらかじめそれを告知するのである。
「このブログは毎週月曜日に更新します」
みたいな感じで約束してしまうわけである。
WEBに強い人たちからすると「何を当たり前のことを」と思われるかもしれないが、これができていない製造加工業者は多い。
もちろん本業が忙しいことも多いだろう。しかし、それでもやらなくては前進しない。
次に報道機関に報道してもらうということである。
これは広告とは異なり、報道機関に対して費用を払う必要はない。無料である。
だが、上場企業や有名企業を除いて、報道機関の方から「取材させてください」とお願いに来ることは極めて少ない。ほとんど無いと考えた方がいいだろう。
なぜなら、日本には山ほど企業があって、そのすべてをメディアが網羅していないからだ。そう、知られていないことは存在しないのも同然なのである。
だから自社はこういうことをやっていますよ、というお知らせ手紙を報道機関に送付するのである。これがニュースリリースとかプレスリリースと呼ばれる文書になる。
業務としてこれを作成したこともある。
やりやすいのは「新ブランド立ち上げ」とか「新規事業開始」「社長交代」「イベント開催」あたりであるが、そんな大事件は普通は毎年定期的にはない。
だから、製造加工業者のプレスリリースは1回か2回で途絶えてしまうことになる。
だが、残念なことに1度や2度報道されたからといって、読者や視聴者はそんなニュースはすぐさま忘れ去る。例えばSNSの炎上だってだいたい2~3カ月後くらいにはすっかり忘れ去られている。
昨年8月ごろに炎上した件を覚えている人が一体どれほどいるだろうか。
だから定期的にリリースを送付する必要がある。
毎月1回必ず送るというのが理想だが、難しければ2カ月に1回、最低でも年に4回(3カ月ごと)は送付が必要である。
送付したから必ず掲載されるとは限らないのだが、無料だから当然で、それでも送付し続けることが重要になる。
ただし、定期的に送付しようとすると「ニュースを作り出す」という技術が求められる。自社のスタッフや経営陣は意外に自社の強みをわかっていない場合がある。
ちょうど、自分の長所を自分ではわからないのと同じである。逆に自分で「私は真面目で責任感が強く、熱く誠実な人間です」なんて強くアピールする人がいたら、ちょっとキモイ。
そういう場合は、他人に長所を見つけてもらった方が手っ取り早いし、勘違いが少ない。
だから広報専門の業者に相談されればいいし、当方に相談していただいてもいい。
アパレルブランドは、90年代後半からSPA化が急激に進んだため、消費者へ直接アピールしにくい業界紙を敬遠する傾向が強くなったが、製造加工業者の場合は、メイン販路がBtoBなので、業界紙や経済紙に掲載されることが重要である。
これは当方だけでなく、大手一般紙から転職した知人も同様の説を唱えている。
繊維業界の場合だと、繊研新聞、繊維ニュース、WWDあたりが大手業界紙ということになるだろう。あと、WEBメディアを加えるならファッションスナップドットコムくらいだろうか。
まとめると、
・WEBを使った自社発信の場合は「定期的な更新」が重要
・報道機関には定期的にニュースリリースを送付する。繊維の製造加工業者は業界紙・経済紙が第一ターゲット
ということになる。
ご依頼いただければ基本的なことはレクチャーさせていただくが、懇意にされている業者があるならそちらに強談されても構わないだろう。
定期的、あるいは指定日に更新するというのが本当に難しいんですよね。
ネタは、あらかじめストックしておかなければいけないし。
ストックのためには、いつも「ネタがないかな」と意識しておかないといけないし。
内容も長すぎると、書くのも疲れるし、読むほうも読む気が起きなくなります。
更新の間が空きすぎると、「今日も更新ないな」って読者が離れていってしまいます。
個人でブログ書く、あるいは読むときにも、すごく感じます。
自分の場合、確実に毎日更新があると分かってるページは1日1回見ます。
それ以外だと、SlackにRSSを登録して、更新があったら見に行くようにしてます。
※RSSなんかまだ一般的に使われてるのか、個人的には疑問ですが…。
その点、南さんはきっちり平日にはほぼ必ず更新されてて、有言実行なのさすがだな、と思いました。