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南充浩 オフィシャルブログ

在庫処分業者が引き取った在庫品をセーターにリサイクル

2019年10月30日 トレンド 0

最近、エコやサスティナブルが必須みたいになっているが、実はあまり興味がない。

もちろん、公害対策は不可欠であることに異論はないが、国内でいえば、10何年くらい前から結構環境に配慮した物作りは進んできた。

ジーンズ関連でいうなら、カイハラの工場にも何度か見学に行ったが、廃液は透明になるまでろ過されていたし、レーザー光線加工機やオゾン脱色機なども10年くらい前から導入されていた。

最近盛んにレーザー光線加工機やオゾン脱色機が報道されているが、少なくとも2011年の時点で実用的に使われている。遅くとも8年前には稼働していた。

まあ、「●●ブランドが導入した」ということ自体はニュースになるのもわかるが、それは「先進的」だからではない。

 

もちろん公害を出さないことは必要だが、最近はエコやサスティナブルが過剰に独り歩きしていて、却ってエコでなくなっているような取り組みも見受けられる。

例えば、このツイート。

 

笑い話のようだが、業界ではそれほど珍しくない。「エコ」を謳った商品を作りたいがために逆に無駄な生産を増やすというのはよくある話である。

 

そんな当方でも比較的賛同しやすい取り組みもある。

在庫処分業のショーイチが不良在庫を糸に戻して、セーターを製造してクラウドファンディングに臨んでいる。この取り組みは比較的自然で賛同しやすい。

 

「廃棄処分されるはずの服から生まれたリサイクルウール&国内生産●ユニセックスニット」

https://www.makuake.com/project/shoichi/

 

もう達成し終わっているが、興味のある人は覗いてみて欲しい。

今回のセーターはウール80%・ナイロン20%の組成となっている。サイズはダボっとした感じで「サイズ感ガー」というリスクを低減している。

WWDにも記事が掲載された。

 

https://www.wwdjapan.com/articles/967394

 

見出しの「応募殺到」はちょっと煽りすぎではないかと思う。

 

服を糸に戻す工程についてはマクアケに詳しく掲載されている。

愛知県一宮市はウール生地、ポリエステル・レーヨン混生地の産地として業界では有名で、昔から各社のウール生地の端切れを回収してウール糸に戻す「反毛(はんもう)」屋が多くあったという。

現在はだいぶと少なくなったらしいが、今でもいくつか残っている。

不良在庫でウール混率が高い物をそこで仕分ける。

ボタンやファスナーなどの付属品を取り除いた後、砕いてワタにする。

そのワタを紡績でウール糸にする。ここまでが一宮市での工程。

 

このウール糸をセーターに編むのは大阪・泉大津のニット工場である。

出来上がった製品は、マフラーが2980円、大判ストールが4980円、セーターが5280円と5980円、ニットワンピースが6800円となっている。

マクアケの画像より

 

 

 

 

この手のリサイクル品の中では比較的低価格に抑えられている。

 

基本的にリサイクル品というのは、リサイクルする工程が加わっているために、新品よりも高くなってしまうことが多い。

リサイクル品が広まらないのは販売価格が高めだからという理由が大きい。

 

無印良品は「訳あって安い」をその昔キャッチコピーにしていたが、リサイクル品はこの逆で「訳あって高い」のである。

しかし、いくら「カンキョウガー」と言ったところで、わざわざ高い物を買う人は基本的に少数派である。しかもメジャーなブランドでもないのにわざわざ高い方を選ぶのはよほどのイシキタカイ系だろう。そんな「よほどのイシキタカイ系」は少数派である。

 

今回のプロジェクトの案内をもらって、ショーイチの山本昌一社長に個別インタビューも行った。

どうしてセーターにしたのかと尋ねると、

 

「いろいろなアイテムで試してみましたが、これが一番値ごろ感のある価格でできたからです」

 

との即答があった。

さらに「Tシャツなど他のアイテムでの展開はどうか?」と尋ねると、

 

「Tシャツは新品を作った方が安くできるのでやりません。経済合理性のない商品は広まらないので」

 

とも。

 

この辺りの感覚は当方に近い。

数ある「エコ商品」の中で、当方が賛同しやすいのはこの観点があるのと、在庫処分業者が取り組むという必然性にある。

 

まあ、そんなわけで必然性がある取り組みが増えることを切望する。

 

 

ショーイチつながりで、麻雀の漫画をどうぞ~

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