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南充浩 オフィシャルブログ

類似品が開発されることは避けようがない ~どう差別化・独自化するかが重要~

2019年6月7日 商品比較 0

基本的にすべての商品、サービスは類似品が出てコモディティ化する。これは避けようがない。もちろん丸パクリは論外だが、丸パクリではない類似品の開発は止めようがないし、逆に類似品の開発によってその商品が普及するという側面もある。
これを理解していない、もしくは理解したくないという人が世の中には結構多い。衣料品業界にもそういう人は多々いる。
 
だが、冷静に考えれば、デニム生地のファイブポケットパンツが爆発的に売れたから、さまざまなジーンズブランドが誕生して今に至るということは否定しようがない。
現在のビッグシルエット服もそうで、ヴェトモンが話題になったから、他ブランドも追随したのであり、ビッグシルエットの模倣自体を禁止してしまえば、ビッグシルエット服はこれほど流行しなかったのではないかと思う。
 
オーマイグラス東京の清川忠康社長がこんなツイートをされており、結局のところ、洋服に限らず、飲食物の味でさえ類似品の開発は可能だということになり、大事なのはどうやって差別化・独自化するか、ブランド化するかでしかない。
 


最近若い人に大流行のサイドライン入りのスリムシルエットのジャージパンツがある。
ダボっとしたシルエットではなく、ピタっとしたシルエットに特徴がある。
ちなみに、昔懐かしいダボっと裾まで太いサイドライン入りのジャージパンツをオッサンが穿くと中学校の体育教師にしか見えないから注意が必要だ。
 
で、この細身のサイドラインジャージパンツは三本ラインのアディダスの人気が高く、「被って」着用している人を多く見かける。

 
 
 
しかし、このライン入り細身ジャージパンツをアディダスだけが発売しているかというとそうではない。アディダス人気に追随して様々なブランドが発売している。
もちろん、三本ライン入りは違法コピー品を除くとアディダスだけだが、他のブランドは一本ライン、二本ラインなど様々ある。

 
 
アディダスはだいたい1万円前後はするが、他のブランドだと安ければ1900円くらいで発売されている。似たような物は安い方で買えばいいと考える人がいる。当方もどちらかというとそういう購買をすることが多い方である。
しかし、ライン入り細身パンツはやっぱりアディダスでないと、とか、ジーンズはやっぱりリーバイスでないと、と考える人も少なくはない。
 
ちなみに、トップセラー主宰の四元亮平氏も細身のライン入りジャージパンツを愛用されているが、あれはスポーツデポで1490円くらいで買った物らしい。
当方もわざわざアディダスを買いたいとは思わなくて、アダストリアあたりの類似品の投げ売り品でも十分だと思っている。
 
とはいえ、圧倒的価格差があるにもかかわらず、本家のアディダス製品を買う人が多いのは、それはやっぱりブランド化できているということになるだろう。
商品の見た目の差別化・独自化はなかなか難しい。ブランド化も含めた差別化・独自化がいかにできるかということがカギになるのではないかと思う。
ブランド化できているからこそ、8倍近く高いアディダスをわざわざ買うのである。
 
じゃあブランド化とは何かというと、これがなかなか難しい。「ブランド化とは高い値段をつけることだ」と答えた人が以前にいて唖然とさせられたことがある。某染色工場の社員だったが、その染色工場は廃業に至り、その人も退職してしまっていると風の噂で聞いた。
その人の考え方は本末転倒だし、いくら高い値段を付けようと売れなくては意味がない。高い値段で売るために何をするかという部分が必要なのだが、この人に限らず、自社製品を展開したがっている繊維業界の製造加工業者の多くはそこに対してほとんどがノーアイディアである。
 
その部分を真剣に考えないと、デザインとか見た目とかスペック(飲食物なら味)はいくらでも追随品は作られるし、それは止めようがない。
じゃあ、追随品にはない独自化・差別化・ブランド化とは何かということを考えないと、永遠に低価格代替品にやられ続けることになる。
 
 
低価格なアディダスっぽいサイドライン入りジャージパンツをどうぞ~

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