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南充浩 オフィシャルブログ

2018年度版EC統計を見て思ったこと

2019年5月21日 トレンド 0

ネット通販はどのブランドにとってもほぼ不可欠ではないかと思う。
とくに会社概要も兼ねた通販サイトは装備しておく必要はある。
しかし、その一方で、会社規模によっては「サイトは要らない」という場合もある。
1、一人とか二人とか極少人数でやっている場合
2、現状で仕事の依頼が溢れている場合
で、この2つの条件を満たしている場合である。
 
SNSを通じて面識を得たサンプル縫製工場さんがある。工場といっても、二人で運営されていて、仕事の量はそれなりにあって今も困っていない様子だった。もちろん、もっと儲けたいという気はゼロではないと思うが、現状の工賃が安すぎて苦しんでいるという気配もない。
そんなサンプル工場さんは、「サイトは要らない」という。なぜなら、一度サイトを作ったところ、国内のあちこちから仕事の依頼が殺到したからだ。
羨ましいという感じはするが、「少人数なのですべての依頼には対応できない」という。さらに「まったく理解の浅い人も多数依頼してきて、そちらへの対応や説明が想像以上に手を取られた」とも。
だからサイトは要らないという。
考えてみれば当たり前である。
 
だから一概に「サイトは絶対必要」とは言い切れず、会社の運営人数やキャパ、現状の受注状況、経営者の今後の志向によっては不要である場合もある。どちらかというと例外的だとは思うが。
ただ、仕事がないと苦しんでいるような工場は、通販サイトまでは不要だが、会社概要のページくらいは作るべきだろう。
何度もこのブログでも書いているように、今の世の中は調べ物をするときには、真っ先にネットで検索する。会社概要や工場概要のページがなければ、その検索にも引っかからない。
検索に引っかからない時点で、問い合わせはないし、もっときついことを言えば、知られないということはこの世に存在しないのも同然だということになる。
おわかりだろうか。
 

頭の中で完璧な構想を組み立てられるまではサイトは作らない

 
そんな工場関係者も何人か見知っているが、紙芝居みたいなペライチのページでもなんでも先にアップして、そこから修正を加える方がはるかに効率的である。
まず、紙芝居みたいなページでも検索には引っかかり始める。
その時点で仕事の問い合わせはある可能性が高い。
紙芝居でランニングさせれば、改善点が見えてくるからその都度改善修正していけば、いずれは見栄えも使い勝手もよくなる。
そもそもウェブへの知見もほとんどない工場関係者が、今まで取り組んだこともないウェブサイトの構想を頭の中で完璧に組み立てられるとは到底思えない。
当方なら無理である。ノウハウがない事柄を頭の中で完璧に組み立てることは絶対に無理だ。だから、おそらく他人も同様だろうと思う。
まれに「天才」と呼ばれる人がいるが、希少な天才を基準に考える方が確率論的に低すぎて意味がない。
 
さて、かなり本線から外れたままにスタートしてしまったが、今日はこの記事に注目したかったが、ちょっと脱線し続けてしまった。
https://www.fashionsnap.com/article/2019-05-19/ec-statistics-2018/

経済産業省EC統計(電子商取引に関する市場調査)の18年度版がようやく5月16日に発表されたが、その数値は至極真っ当なものでサプライズはなかった。
国内BtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は前年から8.96%伸びて17兆9845(億が抜けている?)円。うち物販は8.12%伸びて9兆2992億円、EC比率は0.43ポイント上昇して6.22%となった。うち衣類・服飾雑貨は7.74%伸びて1兆7728億円と物販ECの19.1%を占め、EC比率は1.42ポイント上昇して12.96%と13%に迫った。
 

 
 
とある。
ちょっと読みづらい部分があるので、整理してみる。
内容は2018年度の国内EC統計である。記事でも書かれているように極めて常識的な推移だったといえる。
国内EC市場規模は17兆9845億円 (対前期比8・96%増)
そのうちの物販は9兆2992億円(同8・12%増)となっている。残り8兆円はどこ行った?ということになると物販以外のサービス、例えば旅行とかライブチケットとか、新幹線のチケットとか、レストランの予約だとかそういうことだろうと考えられる。
その物販9兆円のうち、衣類・服飾雑貨は1兆7728億円(同7・74%増)となっている。
 
まあ、この伸びも順当ではないかと思う。
しかし、アパレル業界人やメディア関係者がいうように「洋服のネット通販はさらにドンドン伸びる」とは当方はまったく思わない。
これからも伸び続けるだろうとは思うが、ジワジワという感じではないかと思う。またこの売上高が5兆円を越えて実店舗の売上高をはるかに越えるようになるとも当方は思っていない。高くなっても半々の比率くらいが限度ではないかと思っている。
 
もちろん、ユニクロやジーユーなどもネット通販専用の割引クーポンの発行などでネット通販へ客を誘導しているから増えたという側面はあるし、実店舗の売上高は今後徐々に下がるだろうと考えられる。
衣類のEC売上総額が増えたのは、当方は、ECへの参入ブランド数が増えたからではないかと見ている。それこそ冒頭でも書いたように、こけおどし程度には零細ブランドでもネット通販ページを構えている場合が増えた。
個人的には、洋服のネット通販は今後爆発的に伸びて薔薇色の未来が待っているとはまったく思わない。
実店舗が過当競争に陥ったように、いずれネット通販もそれ並みの過当競争に陥ると見ている。個々のブランドや企業にとっての伸び代はあるかもしれないが、それは、他社・他ブランドから顧客を奪い取った場合だけになるだろう。
そして、他社・他ブランドからの顧客分捕り合戦はすでに始まっていると当方は見ている。
非情な弱肉強食の世界がすでに展開され始めており、今後はさらにその様相を強めるだけだろう。
 
 

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