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南充浩 オフィシャルブログ

「よほどの物」でない限りは消費者は欠品にこだわらない

2019年5月8日 お買い得品 1

洋服を買うということになると、当方はブランドホッパーである。
特定のブランドに入れ込むことがなく、そのときどきでお買い得品を選ぶ。とはいえ、選択肢になるブランドは、多くても10くらいでしかない。
ユニクロ、ジーユー、無印良品、ライトオン、ジーンズメイトあたりがレギュラーで、そこにアダストリアのグローバルワーク、レイジブルー、たまにウィゴーが混じるという感じである。
もっとも、この買い方は、当方がスーツを着ずにカジュアルばかり着用できているからということもある。
河合拓さんが、ダイヤモンドオンラインの別バージョンのダイヤモンドチェーンストアで不定期連載をしている。
つい最近の記事では

消費者に「欠品」という概念がなくなった理由と追加生産しても売れない事情


をアップされていた。
 
業界の裏事情やシステムというよりは、消費者の選択基準が変わったというところに主眼が置かれている。
アパレル企業は、あのユニクロでさえ「欠品」を異常に恐れているが、消費者からすると「よほどの物」でない限りは、欠品は無いに等しいということが書いてある。象徴的な一節はここになる。
 

「ルミネやパルコに行き、例えばベージュのニットを探します。行きつけのお店に商品やサイズがなければ隣のお店に行き、それでもなければフロアを回って、最後にはスマホで探してポチって終わりです」

 
である。これが今の消費者の服の買い方である。
ベージュのニットは別に黒でも紺でもグレーでもなんでも置き換えられる。
メーカーやブランド側が「よほどの物」を発売しない限りは多くの場合、この買い方で事足りてしまう。当然、世の中には例外もあって「あのブランドのアレでなければ嫌だ」と言われる商品もある。
例えば、リーボックのポンプフューリーというスニーカーなんかはそうだろう。ポンプフューリーが欠品しているから適当なスニーカーで我慢しておこうかという人は少ない。せいぜい、類似品のフューリーライトで我慢できるのが限界ではないかと思う。
ナイキのエアマックスシリーズもそうで、エアマックスには様々なバリエーションがあるが、それぞれに特徴のあるデザインなので、その銘柄以外の物は代替品になりにくい。エアマックス95の黄色とグレーのグラデーションが欲しい人が、欠品しているからといって、エアマックス97の真っ白を買うことはほとんどない。
しかし、そういう「銘柄」は衣料品・ファッション業界では少なくなった。
バブル崩壊後は不景気になったと言われているが、それでも90年代後半の裏原宿系ブームのときなんかは、そういう「銘柄」が今よりも多かった。そういう意味においては、今よりも格段にファッション熱は高かったといえるだろうが、今後その時代に戻ることはない。
 
当方のブランドホッピングのやり方というのは、
 
1、あらかじめ漠然と欲しい物をいくつか思い描いておく
例えば、黒の無地のニットがくたびれてきたから買い替えたいな、というように
 
2、価格帯と素材をだいたい決める
冬ならウール高混率でだいたい3000円までとか、春なら綿高混率で2000円までとか、という具合に
 
3、店頭に行きつつ、ウェブで各ブランドの商品を見比べる
ウェブで価格と店頭在庫状況を調べつつ、店頭で実際の商品を触る・試着する
 
この3つの工程で買うかどうかを決める。
実際に店頭で触って試着してみて、生地が気に入らないとかシルエットが大きすぎる・小さすぎるということがあればどうするかというと、他ブランドで類似商品を探す。
そして、価格帯が自分の想定の範囲内であれば、その他店で買う。
 
今年の初めごろに、アダストリアの通販サイト「ドットエスティ」で綿ストレッチ素材のイージータイプのカーゴパンツを買った。当方はイージーパンツタイプでもベルトルームのある物しか買わない。これにはベルトループがあった。
商品名はバルドマンストレッチカーゴパンツである。

バルドマンストレッチカーゴパンツの黒


 
 
この、バルドマンてなんやねーん?というと、インドの生地メーカーの名前だそうだが、国内では無名なバルドマンをアピールしても日本の消費者には意味がないような気がする。
2052円に値下がりしていたので買ったわけだが、オリーブグリーンと黒の2色があった。
迷った挙句にオリーブグリーンを買ったが、到着後穿いてみると具合がいい。そこで黒も買おうと思い立った。
ところが、黒は売り切れてしまった。
 
まあ、どうしても買わねばならないというほど、当方は服には入れ込まない。余談だが、同じように他人にも入れ込まない。
似たようなのが2500円までであれば買おう、と思っていたら、ジーユーのストレッチイージーカーゴパンツが990円に値下がりした。黒、ベージュ、オリーブグリーンの3色である。
アプリで店頭在庫を検索してみると、あまりに閑散ぶりに「都会のオアシス」と勝手に当方が呼んでいる心斎橋OPA店に黒のサイズが残っている。
早速、心斎橋OPA店に行って試着してみた。バルドマンカーゴよりも裾がテイパードしていて少しだけ細くなっている。生地はバルドマンよりもちょっと薄い感じがする。
しかし、990円である。しかも当方は100円分のポイントも持っていたから、これを使うと税抜き890円になる。2052円よりも圧倒的に安い。
値段を考えたら「これでいいや」ということになって買った。
 
河合さんが書いておられる「消費者にとって欠品がない」というのはこういう状況である。
もちろん、厳密にいえばバルドマンとジーユーでは形も生地も少し違う。以前ならその微細な差異にこだわる人が多かったのだろうが、現在ではそういう人は以前よりも減っている。
よほど形が違うとか生地が違いすぎるとか、そういうことなら話は変わってくるが、同じような生地で同じような形で、少しだけ裾が細いとか生地が少しだけ薄いとかその程度の差異なら、気にしない人が増えたのではないかと思う。当方は間違いなくその一人である。
そして、ほぼ無数にあるメーカーやブランドは類似品を競って供給している。
となると、そういう買い方が増えることは当然の帰結だといえる。
メーカーやブランドが「欠品ガー」と言いすぎるのは所詮は自社の論理に過ぎない。もし「欠品」を苦にするような買い方をされたいのであれば、商品のデザイン企画はもちろんのこと、売り方・見せ方から始まってブランド構築を完遂する必要がある。
それがないままに、あるいは90年代の意識丸出しのままで、「欠品ガー」と言ったところで、消費者は他社の類似品を買うだけだから、まったく誰にも響かない。
欠品させなければ売上高が増えた時代はとっくに終わっているということである。
 
 
 
 
そんなレイジブルーの西脇産地素材のオックスフォードシャツをどうぞ~。ちなみに当方はこれのグレーストライプを持ってます。

 comment
  • セラフィタ より: 2019/05/08(水) 11:18 PM

    なんかズレを感じる記事だな。

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