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南充浩 オフィシャルブログ

アニメ・漫画・ゲームがメインカルチャーでファッションはサブカルチャー

2019年4月15日 トレンド 0

先日、量販店・低価格店向けの某アパレルの展示会にお邪魔した。
このアパレルの稼ぎ頭は、アニメやゲームとライセンス契約してキャラクタープリントを施したカジュアルウェアである。
今回は、「ジョジョの奇妙な冒険第5部」のトレーナーやパーカが展示してあったが、しまむらに納品した分は完売したという。
昨年、このアパレルのスタッフとお会いした時には、某ユーチューバーのキャラクタープリントTシャツがしまむらで完売したとのことだった。完売した数量は1万5000枚くらいで、たった数日での完売だったという。
ジョジョにしても恐らくはしまむらでの販売なので最低でも1万枚程度は売っていると考えられる。
 
アニメ・ゲームキャラクターの強さをまざまざと見せつけられた。
それにしても疑問なのは、各キャラクターが1万枚とか2万枚とか完売しているのに、それを着用している人をほとんど見かけない点である。
ユニクロだって毎年夏には大量のキャラクタープリントを施した半袖Tシャツを発売するが、あれを着ている人をさっぱり見かけない。ユニクロでの販売だから、いくら不振でも5万枚や10万枚は売れていると思うのだが、ガンダムやドラゴンボールをプリントしたUTを着ている人をほとんど見かけない。
1万枚程度の販売量では他人とは「かぶらない」といわれている。
10万枚を販売すると「かぶる」ことが起き始めると唱える人もいる。この説に従えば、UTなんかは10万枚程度は軽く販売していると思われるから、もっとドラゴンボールやガンダムを着ている人を見かけてもよいはずなのだが。
もしかしたら所有しているだけで着用せずに満足しているのだろうか。
それはコレクターならありえるが、コレクターがしまむらやユニクロで買った大量生産品に価値を見出すのだろうか。
それとも普段には着用しないで、例えば、コスプレパーティーやコミケみたいな会合に参加する際だけに着用するのだろうか。
とはいえ、物販の視点でいえば、着用もしない服が1万枚とか2万枚売れるなら、不振で喘いでいるアパレル業界はもっとキャラクターを活用してはどうかと思う。
とはいえ、ファッショニスタが崇めている伊勢丹新宿本店やヨウジヤマモトはアニメや漫画と定期的にコラボしているから、以前もこのブログで書いたように、今やアニメ・漫画・ゲームがメインカルチャーでファッションはサブカルチャーになっているといえる。
 
ゲーム内での自分が操作するキャラクターに着せる服もバカにならないほど売れている。
以前にもこのブログで触れた。

「本来のファッションの楽しみ方」はゲーム内にある?


パクリ疑惑が指摘される中国製ゲーム「荒野行動」だが、我が国だけで300億円の売上高がある。
その300億円のほとんどはゲーム内で自分の使うキャラクターに着用させる衣装代である。
我々オッサン世代にもなじみが深い「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などのゲームでもゲーム内で鎧だとか装備を買うことはあった。そしてその鎧を着用すれば防御力が上がった。防御力が上がるから鎧が欲しかった。
しかし、荒野行動もフォートナイトもゲーム内で衣装を着せても何ら防御力も上がらないという。単に楽しみとしてキャラクター向けに服を買って着用させている。
一見すると馬鹿げている消費行動だと映るが、実は理に適っている。
ゲーム内だと、
 
1、着心地や着用感に制約がない
2、動きやすさという制約がない
3、気温による制約がない
4、いくらたくさん買っても保管場所に困らない
 
と前回のブログで書いたが、書き漏らしていたことももう一つある。
 
5、現実の自分だと似合わない服もゲームキャラなら似合う
 
である。
現実の自分は容貌、体格、体型で似合う服に制約を受ける。
当方は大して運動もしていないのに若い頃からガッチリした体型をしている。しかも丸顔である。こういう体型・容貌の人が、いわゆるビジュアル系みたいな服を着てもあまり似合わない。
着てみたいと思って試着しても似合わないから買わない。似合わない服をわざわざ買うのはカネを捨てているとしか思えないからだ。
しかし、ゲームキャラならそういう服が似合う容貌・体型にすることができる。
だからゲーム内の洋服にカネをかける人がいるというのは、冷静に考えれば理解できる。
 
これをさらに逆手にとってみてはどうかと思い付いた。
今回は思い付きを書いてみる。
ゲーム内で服を売るアパレルブランドも出始めているが、恐らく、通常の店頭に並んでいるような服だとあまり売れないのではないかと思う。現実世界ではなかなか着用しづらい色柄や形が派手なものや特徴のあるものの方が売れるのではないかと思う。
 
まず、特徴のある服をゲーム内専用で売る。
素材感よりも色柄や形の派手なものをデザインする。
もし、ゲーム内で売れれば、逆にそれを立体化して店頭で売る。もしくは、立体化して「完全受注生産」(いわゆるオーダー)で販売する。既製服として売る場合も限定100枚とか1000枚みたいな限定販売する。
というプランはどうだろうか。
 
そしてこのプランは着物にも使えるのではないかとド素人ながら思っている。
着物には
 
・メンテナンス・保管しづらい
・動きにくい
・慣れないと自分一人では着られない
 
というビッグデメリットがあるが、ゲーム内ならこのビッグデメリットは解消される。ゲーム内なら着付けはワンクリックでできるし、洋服を着ているのと同じくらいの動きもできる。
着物という服は形はほとんど決まっているから、色柄での差別化ということになる。例えば、この色柄を有名な作家やナンタラ国宝みたいな人にデザインしてもらって、ゲーム内で販売する。
それがもしある程度の額が売れたら、立体化して販売する。
高すぎても売れにくいが、コレクターが欲しがる程度の高値なら売れるだろう。それこそ数量限定販売や完全受注生産すればよい。
 
洋服にしろ和服にしろ、素材感の差別化やらブランドのストーリー化による消費促進は限界に達しつつあると感じる。メイドインジャパンガーも溢れているし、職人のこだわりガーも溢れている。洋服でいえば機能性商品も溢れている。
ゲーム内で先行して販売し、それを立体化させるという手法の方が、よりロスがなく販売できるのではないかと思うがどうだろうか。
 
 
 
 
と書いたら、すでに荒野行動のリュックが発売されていた~

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