SPAブランドの不当返品は恥をさらしているのと同じ
2012年9月12日 未分類 0
昨日に続いてつらつらと考えてみた。
ナショナルブランドは返品交換ができる。
現在はどうだかしらないが、これは長年の商習慣であった。
例えば、ジーンズのボブソンやラングラーなどのナショナルブランドの場合、「A」という商品の売れ行きが悪ければ、ジーンズショップはこれを「B」という商品に入れ替えてもらうことが可能だった。
引き取られた「A」は値引きされて他店に振られるか、自社のファミリーセールで叩き売られるか、2000年代以降ならアウトレットモールで叩き売られるかのいずれかで処分される。
全部の処分は無理でも、大半以上はこの3つのルートで処分が可能である。
しかし、ショップオリジナルのブランドをOEM/ODMしている事務所に、返品した場合、3つのルートはいずれも使用することができない。
下手をするとOEM/ODM事務所は返品された商品を抱えて倒産・廃業するしかない。
昨今、専門店も自社オリジナル商品を販売している。
自社オリジナル商品のみを販売する業態を特別にSPAと呼んでいる。
SPAブランドがその下請けであるOEM/ODM業者に返品することは、本来あってはならないことである。
商道徳からしてもそうだし、売れ行きが悪くて製造業社に返品するということは、SPAブランドの販売方針がしっかりしていないことを社会的に知らせるものである。
考えてみてもらいたいが、SPAブランドの場合、何をどれだけの数量製造するかということはブランド側に100%裁量がある。
OEM業者が「この商品は、売れそうなので1万枚製造しなさい」と指示することはない。
SPAブランド側が製造数量を決めて、製造業社に発注するのである。
その商品が売れ行きが悪ければ、SPAブランド側の企画内容が悪いということであり、数量予測が不確かであるということである。SPAブランド側の企画担当者、MDの精度が悪いことにほかならない。
そして、自社で企画した商品を製造業社に返品するということは、恥の上塗りである。
SPAブランドの中で悪質な返品をしないのは、ユニクロ、しまむらくらいだと言われている。
この点だけでもユニクロ、しまむらは他社に抜きんでている。
両社の後追い企画が巷に溢れているが、できれば商品だけでなく、悪質な返品をしないという姿勢も後追いしてほしいものである。