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南充浩 オフィシャルブログ

膝丈の薄手の穿きものなら全部「ステテコ」か?

2012年8月2日 未分類 0

 7月27日付の繊維ニュースの1面にステテコの記事が掲載された。
記事を要約すると、

色柄を着けてリニューアルしたステテコが昨年夏に大ヒットとなったが、反面、楊柳やクレープなどといった強撚糸素材を使わずに、普通の平織りやニット素材の物までが「ステテコ」を堂々と名乗っているため、混乱が起きている。
とのことである。

さらに、

ステテコという名称が広がったことを評価する産地の意見もあるが、本来の素材使いのステテコもアピールする必要がある。

としている。

これはなかなか面白い記事で良くまとめられていると思う。

これまで白無地で「オッサンの穿きもの」だったステテコに色柄を着けることでルームウェアとして復活を提案したアズの功績は大きい。しかし、ステテコは楊柳やクレープなどの強撚糸使いの織物を使っているところに特色があった。綿100%でありながら、さらっとした肌触りがあり吸水性も高い。
これを平織りやニットで外見の形状だけ再現したものは、ステテコというよりもロングトランクスというべきだろう。
平織りで機能性を高めようとするから、吸水速乾ポリエステルを混入するということになる。

産地から「ステテコという名称が広がったことは評価すべき」という優等生的な発言もある。
たしかに評価すべきだが、何のアクションも起こさなければ、膝丈の薄手生地の穿きものはぜんぶ「ステテコ」として括られてしまうことになる。
産地側は楊柳やクレープ素材をアピールする必要があるだろう。

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(これが伝統的なステテコ)

鷹揚に放置していると、海外でカリフォルニアロールやカラーロールが「本場の寿司」として認知されて、日本伝統の寿司を駆逐してしまったような事態に陥る可能性がある。

「悪貨は良貨を駆逐する」ならぬ「贋物が本家を駆逐する」ということになる。

繊維ニュースの記事でも触れられていたが、昨年夏のブームによって今夏はさらに取扱業者が増えた。
ユニクロはその典型例だろう。
取扱業者が増えたために、消費者の購買先はバラけてしまっている。
さらに比較的涼しかった7月中頃までは昨年夏ほどは動いておらず、7月下旬からは猛暑が到来しているが、すでに売り場はセールに突入しており、当然だが各社のステテコもセール販売されている。

盛夏の穿きものとして、ようやく復活したステテコだが、来夏に向けてもう一度デザインや販促方法、素材選定などを練り直さないとこのままではまた埋もれてしまうことにもなりかねない。

肌着メーカー各社や産地の奮起に期待したい。

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