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南充浩 オフィシャルブログ

衣料品業界の高齢化は製造工場だけの問題ではない

2012年6月18日 未分類 0

 学生の間でファッション関連企業に就職したいと考えている人は年々減っているのではないだろうか。
ファッション専門学校各校も毎年入学者数が減少しているということを書く前に、そもそも毎年100人以上の入学者数がコンスタントに維持されているファッション専門学校など全国で見ても数えるほどしかない。
大概の専門学校の入学者数は毎年数十人レベルかそれ以下である。

というようなことを考えていたら、HAKATA PARIS NEWYORKでこんな一文があった。

http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/34d89ea90ccad6632d82deff0a415330

また、一般大学生が選ぶ「2012年就職人気企業ランキング」(ダイヤモンド・ビッグ&リード社調べ)でも、文系男子で150位、文系女子で100位、理系男子で99位、理系女子で30位のすべてに入っていない。

とのことである。
何が入っていないかというと、ファーストリテイリングがランクインしていないということである。

で、ためしに自分でもこのランキングを見てみた。

すると、

商社や原料メーカーを除くと、文系男子でファッション関連企業は76位に高島屋、87位に三越伊勢丹グループがランクインするほか、104位にスポーツメーカーのミズノがやっと顔を出すだけである。また理系男子では商社・原料メーカー以外のファッション関連企業はない。文系女子でも40位に三越伊勢丹グループが、84位に肌着メーカーのワコールが顔を見せるだけ。理系女子に至ってはまったくランクインしていない。

このうち高島屋と三越伊勢丹は、ファッション好きなので志望するというよりも、大手流通業としての志望者が多いのだろう。
90年代前半に就職活動を行った筆者の同級生や先輩にも大手流通に入社した人が何人もいた。
彼らは別に服が好きでも何でもなく、会社の知名度と規模の大きさだけで就職先を選んでいる。
西友に入社した同級生、そごうに入社した先輩がいた。

しかし、ご存知の通り、西友はウォルマートに買収され、同級生はなかなか厳しい環境で働いているようだ。
そごうも民事再生法を申請したため、その先輩も退職を余儀なくされた。

大学生の人気ランキングなので、過敏に反応する必要もないが、ファッション関連の企業への志望者はいないに等しい。ユニクロどころか、しまむらもポイント、ライトオン、ハニーズ、ユナイテッドアローズもランクインしていない。

同じSPA企業でも家具店のニトリは文系男子で55位に、理系男子で68位に、文系女子で53位にランクインしている。大学生にとっては洋服を扱うユニクロよりも家具販売のニトリの方が就職先として魅力的ということだろう。

このランキングだけで決めつけるのは早計だが、若者はファッション企業で働くことに魅力を感じていないということになる。

そういえば、以前、某インポートブランドの取締役部長がこんなことをおっしゃっていた。
「最近はファッション業界に就職する若い人が減った。とくにインポート業界は激減ですよ」と。

はからずもこの部長の言葉を裏付ける資料の一つにはなっている。
なるほど、ファッション業界は中高年ばかりになるわけである。

衣料品業界の高齢化は、製造工場だけの問題ではなかったようだ。

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