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南充浩 オフィシャルブログ

大丸梅田店にポケモンセンターがオープン

2010年11月30日 未分類 0

 11月26日、大丸梅田店に国内最大規模のポケモンセンターがオープンした。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/101126/biz1011261100005-n1.htm

記事によると、26日は平日にも関わらず、早朝から約200人の行列ができたという。

この記事を読んで、わけのわからんラグジュアリーな衣料ブランドを導入するよりも集客にはポケモンセンターの方がよほど効率的だと考えた。なかなかに良い手だと思う。

苦戦を続ける百貨店が続々とリニューアルを行っている。
ユニクロ、フォーエバー21、ヤマダ電機など低価格衣料品やファストファッション、家電量販店などをテナント導入している。これに対して旧世代の流通コンサルタント諸氏からは「あんな低価格品を導入するのは百貨店の品位を下げる」と猛反発の意見が聞こえる。

大丸百貨店は、これまでから従来型の百貨店にこだわらないテナントを導入してきた。大丸梅田店には、はるやまの2プライススーツショップ「パーフェクトスーツファクトリー(PSFA)」を、心斎橋北館にはファッションビル的ブランドをそろえたフロア「うふふガールズ」を誘致した。
今回のポケモンセンターも実に大丸らしい有効な取り組みだと思う。

百貨店が苦戦を続ける原因は、旧世代のコンサルタントの甘言に乗っかって、ラグジュアリーな女性衣料品ブランドに特化したためだと考えている。高度経済成長やバブル時代ならいざ知らず、世の女性がそれほど多数のラグジュアリー衣料品を求めているはずがない。また、都心駅前の百貨店の店舗数も多すぎる。売上が低下するのも当然である。

例えば大阪の梅田で考えてみると、
ラグジュアリーなファッション衣料は阪急百貨店で十分であり、大丸梅田店が追随してもそれは二番煎じであり、まったく意味がない。阪神百貨店は食料品が強いが、ファッション衣料を追いかける必要はない。だって追いかけても負けちゃうから。
来年春には伊勢丹ができるが、本店以外の地方店のオペレーションが下手くそな伊勢丹がどのような店作りになるのかに注目したい。

梅田の4店舗中、ラグジュアリーファッションは阪急1店舗で十分だと思う。食料品に特化した阪神、ポケモンセンターとPSFAを導入した大丸の住み分けはすごく良いアイデアである。伊勢丹がどういう店作りになるのかしらないが、4店舗すべてが高級ファッションブランドを重点的に扱うと、おそらく閉店せざるを得ない店舗が出てくるだろう。

海外の事例はあまり知らないが、
百貨店という業態が残っているのは米国に少しある程度で、ヨーロッパ諸国にはほとんどない。反対に韓国は百貨店天国でショッピングセンターがない。中国は百貨店、ファッションビルが乱立していると言われている。先進国中で日本は百貨店の数が多すぎる。

こんな状況下で、百貨店に「品格あるラグジュアリーなファッションブランドの導入」を提言するコンサルタントはいかがなものかと思う。まったく現実が見えておらず高度経済成長のノスタルジーに浸りきっているといえる。
百貨店はさらに淘汰されて減るべきだし、淘汰されたくないのなら、高級女性ファッション衣料一辺倒のテナント誘致を止めるべきである。

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