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南充浩 オフィシャルブログ

低価格SPAのロゴ入りアイテムは「ダサい」と思う

2012年4月26日 未分類 0

 先日、日経ビジネスオンラインに「ユニクロはまだダサいのか」という記事が掲載された。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120328/230332/?ST=nbmag

銀座店のオープン時と、その前段階での取材を合わせた記事である。
個人的に注目したのが、オープンに先駆けての柳井正会長の言葉である。
これを掲載した紙面はなかなかない。ほとんどの紙面がオープン当日の強気に満ちたコメントばかりだ。

記事から抜粋引用する。

「我々がグローバルブランドであるということが、今、世界各地で認知されつつある。だが残念ながら、日本では過去の歴史があり、なかなかグローバルブランドとしての認知が足りない。もう一度、グローバルブランドとしてのブランディング、最新鋭のユニクロを見せたいと思い、世界に誇る銀座という立地を選んだ」

 続く質疑応答でも、柳井会長は何度も同じような趣旨の発言を繰り返した。

 「ユニクロは日本だと、ブランドというよりも、もっと生活に密着したもの。ロードサイドや(消費者の家の)近所に店があるので、寒くなったらヒートテックを買いに行く店になっている。だがグローバルに展開している旗艦店は、店自体が最新鋭なうえ、いずれも数少ない一等地にある。日本で売っている商品が、グローバルな一等地でも売れているということを、日本人にもう1度認識してもらうことが大切だ」

 「ユニクロの世界でのイメージと、日本のイメージが一緒にならないといけない。ロードサイドの時代から、27~28年経っているが、まだ古いユニクロのイメージを持つ人が多い。そのためにフラグシップストアを持ち、新しいユニクロを伝えないとだめだ」

 「(消費者のユニクロに対する)認識を変えさせないといけない。昔のロードサイドで、我々は自分たちのブランド以外の商品を売っていた。そういうイメージがまだあるのではないかと思っている。我々は、ブランドのアイデンティティをもっと表現して、理解してもらうことが必要だ」

 要するに、日本人のユニクロに対するイメージがあまり良くないことを刷新するのが、銀座店だというのだ。単なるロードサイド店ではなく、世界で評価されているのと同じ「ユニクロ」に変わる。いわば、ユニクロというブランドイメージを逆輸入しようとしているわけだ。

とのことである。

こういう弱気な発言も各メディアは報道してもらいたいと思う。

記事は「いまやユニクロは認知されており決してダサいものではない」と結論付けているが、まったくその通りだと思う。
しかし、一方で「進んで買いたいほどカッコいいイメージがあるのか?」と言われるといささか疑問を感じる。
日本人の96%までが所有しているといわれる国民服だが、購入した人間の多くはその理由に「安くて品質が良いから」ということを挙げる。
私見だが「カッコイイから」と答える人の割合を遥かに上回るだろう。

「ダサくはない」が、「あこがれのブランド」ではない。これが正直な位置づけだと思う。

筆者も無地のラムウールセーターを愛用しているし、値下げされたヴィンテージノータックチノパンも愛用している。
無地のアイテムは市民権を得ており、国民の必需品である。

しかし、ロゴ入りはどうか?ロゴ入りははっきり言って「ダサい」と感じる人が多いのではないか。

先日、テニスプレーヤーの錦織圭選手モデルのウエアがオンライン限定で発売された。
色の切り替えや全体のデザインは好き嫌いの範疇であり、「ダサい」と判断する人もあれば「なかなかカッコイイ」と判断する人もいるだろう。
しかし、ロゴマーク入りはどうだろう?
購入された人もおられるだろうが、あまり食指が動かない人が多いのではないだろうか。
ユニクロ愛用の筆者でもロゴ入りは「ダサい」と思う。390円くらいまで値下げされても絶対に買わない。

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これは別にユニクロに限ったことではないと思う。
雑誌モデルの発言がきっかけで若者に人気が爆発した「しまむら」も同じである。
胸に「しまむら」とか「shimamura」とロゴが入ったポロシャツとかTシャツを「しまらー」の若者たちは欲しがるだろうか?おそらく欲しがるのは少数派だ。

「無印良品」とて同じであろう。「無印良品」とか「MUJI」とロゴが入ったウエアが「カッコイイ」と思う人間はあまりいない。「ハニーズ」しかり「ジーユー」しかりである。
「H&M」「ZARA」もしかりだろう。以前にロゴ入りトレーナーを盛んに販売していた「GAP」ですら、それに対する評価は怪しい限りである。

低価格SPAブランドは、決して「ダサく」はないが、いずれも「あこがれのブランド」ではない。
そういうポジショニングだということを「ロゴ入り」アイテムは改めて浮き彫りにしてくれるのではないか。

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