ファイブフォックスの企業サイトが立ち上がっていた
2012年4月10日 未分類 0
昨日、知り合いの経営コンサルタント事務所からお知らせをいただいて確認して驚いた。
ついにファイブフォックスの企業公式ホームページが立ち上がった。
先月中頃に確認したところ、このHPはまだ存在していなかったので4月から立ち上がったものではないだろうか。
これまでファイブフォックスは人材募集用のホームページしか存在していなかった。
少し名の知れた企業ならほとんどが企業ホームページを持っているという状況下で、2012年3月中頃まで企業ホームページが無かったというのはかなり異例だと言わざるを得ない。
筆者の体感では2005年ごろから自社ホームページを持つ企業は爆発的に増加したと感じている。
ファイブフォックスほどの規模と知名度を持つ会社なら遅くとも2007年ごろには自社ホームページを完備しておく必要があったのではないか。
ファイブフォックスの自社ホームページが無かった理由はわからない。
一説には上田稔夫社長が「無類のネット嫌いだった」からという噂がある。
事実かどうかは分からないが、そういう噂が流れるような素地があったことは確かだろう。
「火の無いところに煙は立たない」というやつである。
さて、90年代後半から2000年前半まで、大型ショッピングセンターの林立と相まって、ファイブフォックスの低価格ライン「コムサ・イズム」の話題が業界でよくささやかれた。
筆者が量販店メーカーを取材に廻ると、必ず「コムサ・イズム」の話題が相手から出た。
良いにつけ悪いのつけ、それだけ業界から注目を集めていたということになる。
しかし、2005年ごろから「コムサ・イズム」の話題はあまり聞こえてこなくなる。
だんだんと注目度が落ちてきたということだと理解している。
残念ながら2012年現在、量販店向け低価格ブランドを取材する際に「コムサ・イズム」が話題にのぼることはほとんどない。
じゃあ百貨店向けアパレルや専門店向けアパレルで「コムサ」の他のラインの評判を聞くかというと、こちらもあまり聞かない。
ここまで注目度が落ちた要因はさまざまあろうが、
その一つに自社ホームページが無かったことが挙げられるのではないかと考えている。
ユニクロを例に取れば、インターネットを有効に活用している。
自社オンラインショップは当然のことながら、自社のニュースや経営者のメッセージを活発に自社サイトでも発信している。好き嫌いは別にして、ユニクロというブランドやその経営者がどういう考え方をしているのかが良く分かる。
自社ホームページがなかったということは、その企業にどんなブランドがあるのかも、そのブランドがどんなテイストなのかも、その企業の経営者がどのようなビジョンを持っているのかも発信できないということになる。
自社サイトの代わりに新聞や雑誌、テレビで情報なりメッセージなりを流せば事足りるが、それもあまりなかった。
業界だけでなく、消費者からの注目度・知名度が低下しても仕方がないだろう。
百貨店向け高級ラインはあるにしても、「コムサ・イズム」という大衆向けラインを持っているのに、その「大衆」に向けた発信がない企業・ブランドは、苦戦することはあっても好調に転じるはずもない。
「カッコイイ物を安く提供していれば黙っていても売れる」という構図は90年代までで終わっている。
ファイブフォックスの自社ホームページ立ち上げは遅きに失した感があるが、それでもやらないよりは随分マシだと思う。今後は、活発な情報発信を期待してみたい。