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南充浩 オフィシャルブログ

合成ダウン登場

2012年3月9日 未分類 0

 日ごろから深く交流させていただいている樋口尚平くんがブログで
ダウンを越える合成ダウンについて紹介していた。

天然ダウンを超えるモノ 
http://www.apalog.com/shohiguchi/archive/158

 「雪や雨でダウンが濡れてしまったら嵩が減ってぺしゃんこになり、断熱層を形成するデッドエアが作られなくなり保温性が著しく低下してしまう」からだという。「撥水加工を施したダウンも開発されているが…」とささやかな抵抗を試みたが、言下に否定されてしまった。

 この展示会にはちょうどレンジャー(雪山で遭難者を救出するなどの作業に当たる)の方が訪れていたが、私とブランド担当者の話を横で聞きながら「さもありなん」という表情だった。天然のダウンを雪山で使用するにはデメリットがあるという意見を持つ前出のお二方が良いと評価していたのが、12年秋冬の新作ダウンジャケット。このブランドの新製品である。ダウンと言っても100%合繊でできていて、細く糸状にした繊維を、何日も櫛を入れていない髪のような状態にし、ダウンパックに詰め込む。触感はダウンジャケットに限りなく近いが、水に濡れた時の撥水性や速乾性に優れているという。雪山では雨でも汗でも「濡れる」という状態が危険なのだという。ゆえに吸汗速乾性が必要不可欠なのだそうだ。

 その人工ダウンジャケットは天然ダウンの欠点をある程度補っているようだ。正直、天然ダウンの方がいいだろうという(幻想かも知れないが)価値観を持っているわたしには新鮮な驚きだった。

とのことである。

実は筆者は別の方からも合成ダウンが提案されていることを聞かされた。
その製造元は紡績だったか合繊メーカーだったのかを忘れたので、再度聞いておきたい。

樋口君の記事によると、合成ダウンを製造した目的は「濡れても保温性を保つため」とされているが、筆者が別の方から聞いた理由は「中国を始めとする各国でダウンジャケットのニーズが高まり、ダウンが確保できなくなることに備えて」というものだった。

要するにダウンの需要が増えているが、ダウンというのは鳥の羽毛なので、鳥自体を増やさないことには増産できない。当たり前だが生物なので、そんなにポンポンと機械を製造するようには増やせない。
そうすると、羽毛が足りなくなるということである。

ところが、合成繊維なら原料さえ確保できれば、無限に作ることが可能である。
そして、日本の技術ならば天然ダウンを越える機能性を付加することも可能である。

おそらく、その両方の観点から複数の日本企業が合成ダウンの開発に取り組んでいるのだろう。

今後、合成ダウンがどこまで機能性を高め、どこまで消費者に浸透するのかを見てみたい。

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