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南充浩 オフィシャルブログ

社名とブランド名を混同してはイケナイ

2012年3月6日 未分類 0

 さて、販促コンサルタントの藤村正宏さんが昨日こんなブログを書いておられた。
結論は、きっとわざと出されていないのだろうけど、自分も思うことがあった。

まず、そのブログをご紹介したい。

http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11183283185.html

「どうしてヨーロッパの高級車はネーミングがないんだろう?」

そういうことです。
たとえばBMWのクルマはすべて記号です。

「BMW 530i」「BMW 335i」「BMW X5」「BMW Z4」・・・

などなど。
基本的にはクルマのサイズを「1」「3」「5」「6」「7」に分け、四輪駆動の「X」スポーツタイプの「Z」などで分類しています。
名前のついている車種はひとつもありません。

高級車の代名詞メルセデスベンツもそうです。
 

「A」からはじまって、車格によって「C」、「E」、「S」となっています。

ボルボもそうです。

ヨーロッパ車で名前がついているクルマもあります。
たとえば、庶民のクルマといわれている、フォルクスワーゲンのクルマなんかはそうですね。
でも、いわゆる高級車といわれている会社は記号です。

それに比べ、日本のクルマはすべて名前がある。
「クラウン」「カローラ」「プリウス」「インサイト」「レガシー」・・・
新しいクルマが発売されるたびに、新しい名前が誕生します。
アメリカ車もそうですよね。
名前がある。

これはどうしたことなんでしょう。

ヨーロッパの高級車の場合、クルマ自体より、そのクルマを作っている会社にブランド力がある。
そういうことなんじゃないかなと思います。

(中略)

でもこれは、自動車という商品ならではのことでもあるんですね。
自動車は性能、スペックが重要な商品です。
スペック優先の商品、クルマやカメラ、機械モノの場合に合っている。
スペック価値を表すのに、記号というのはフィットしているんですね。

同じヨーロッパのブランドでも、ファッションブランドの場合はちがいます。
エルメスやカルティエの商品が記号だけで価値が伝わるかというと、そうは言えない。

やっぱりファッションはイメージが優先する商品なので、「バーキン」という名前のバッグや、「タンク・パシャ」なんていう時計が価値をもつんです。

とのことである。
これはなかなか面白い指摘である。
ファッションブランドでいうと「リーバイス」は商品が記号である。
永遠の定番「501」を筆頭として、「505」「517」「515」などのように商品名はすべて記号だ。

大手ジーンズブランドは「リーバイス」に倣った部分もあるのか、すべて記号である。
「リー」なら「201」「200」など
「ラングラー」なら「11MW」「13MW」など
「エドウイン」なら「505」「503」など
「ビッグジョン」なら「104」「105」など

ジーンズの出自はアメリカの作業着と言われている。
そのため、分かりやすい記号が商品名となったのだろうか。
そういえば、同じワークウェアブランド「ディッキーズ」も「874」などの記号が商品名として使われている。

先の藤村さんのブログでは自動車の名前に言及されている。
トヨタなら「カローラ」「レクサス」「プリウス」・・・・
ニッサンもマツダも日本の自動車メーカーは同じように車種ごとに違った名前を付けている。

トヨタという企業ブランドがありながら、
「カローラ」や「レクサス」自体がブランドでもある。

このブログで何を思い出したかというと、ジーンズメーカー、ボブソンである。
正しくは事業譲渡する前の旧ボブソンと言った方が良い。
ボブソンは「ボブソン」ブランドだけで、量販店からジーンズ専門店まで展開していた。
3900円~1万円以上の商品すべてが「ボブソン」ブランドで統一されていたということである。

一方、先述した「ビッグジョン」だと、6900円以上するジーンズ専門店向け商品なら「ビッグジョン」、3900円前後の量販店向け商品なら「GLハート」とブランド名を変えて対応していた。

筆者は量販店向けと専門店向けでブランド名を分けた方が良いと思う。

消費者からすると、「あら?●●ブランドは2900円と8900円があるの?じゃあ2900円の方で良いわ」ということになる。また、量販店の店頭にあるという認知度が高まれば高まるほど「安物ブランド」というイメージがこびりつき、高額ラインの商品が動きにくくなる可能性が高い。

この考えは旧ボブソンに出入りしていた9年前と何ら変わっていない。

実はその当時に、取材対応の窓口のベテラン社員さんに上記の感想をぶつけてみたことがある。

そのベテラン社員さんから返ってきた返事は
「トヨタは『トヨタ』ブランドでカローラからレクサスまで販売していますよね。当社もそういう考え方なのです」というものだった。

何だか違和感があったのだが、当時まだ紅顔の美少年だったので、「そうですか」とスゴスゴと引き下がった。

でも、最近その違和感を説明できるようになった。と思う。

トヨタは「トヨタ」ブランドで低価格から高価格品までを販売しているのではない。
やっぱり「カローラ」や「レクサス」がブランドである。

ワールドが「タケオキクチ」や「ボイコット」を展開するのに似ている。

ワールドという社名もブランドではあるが、消費者が直接向き合うのは「タケオキクチ」や「ボイコット」というブランド名である。ワールドは個別のブランド名に品質の高さや、対応の良さなどを品質保証として「安心」させるための裏付けとなる企業名に過ぎないということである。

トヨタが作る「カローラ」だから消費者は安心するのであって、よくわからんメーカーが作った「カローラ」ならそこには何の品質も保証されていないと消費者は感じる。

だから、もし9年前に戻ることができるなら、
ボブソンは社名であり、量販店向けには「○○」、専門店百貨店向けには「××」というブランド名を付けるべきですよ。とアドバイスしたい。

藤村さんのブログを拝読すると、ちょうど自動車とファッションブランドについて触れておられたので、
9年前の懐かしい一コマを思い出すことができた次第である。

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