量販店は肌着、靴下、ホームウェアに特化してみては?
2011年9月30日 未分類 0
先日、イトーヨーカドーが新しく開始したSPA型カジュアルブランド「グッディ」について書いたのだが、ファーストシーズンの打ち出しアイテムがほとんどユニクロと被っており、ユニクロの二番煎じにしか見えない。
現段階では、ライトダウン、フリース、ネルシャツとユニクロがメインで打ち出している商材とほぼ同じものをラインナップしている。せっかくのカジュアルブランドであるなら、例えばセーターをユニクロより強化してみるとか、デニムシャツを大幅に打ち出してみるというようにユニクロとの差別化を図るべきではないだろうか。
(イトーヨーカドーのグッディ)
常々イトーヨーカドー、イオンに代表される量販店にそもそも「ファッション」衣料が必要なのだろうかと感じていた。持って回った言い方だが、直言すると量販店にファッション衣料は必要ないと考えている。
なぜなら、売れないから。
バブル崩壊以降の消費者には「洋服が欲しいなあ、そうだ、ヨーカドーに買いに行こう」という意識が無くなっている。
消費者はファッション衣料を買う場として、ユニクロ、しまむら、無印良品その他低価格SPAブランドは認識しているが、量販店をそのようには認識していない。
ただ、量販店各社は、バブル崩壊まで衣料品で利益の大部分を稼いできたという経緯がある。
そのため、上層部は「利益率を高めるためには衣料品強化しかない」と思いこんでおり、そしてできもしないファッション衣料を強化しては失敗することを繰り返している。
もし、自分なら量販店の衣料品をどのように扱うかを考えてみた。
あくまでも仮定の話である。
量販店でファッション衣料を扱うのは無理なので、すっぱりあきらめる。
その代わりに肌着、靴下、パジャマ、ワイシャツ、ネクタイ、ホームウェアなどの実用衣料に特化する。
そこで300円均一とか500円均一という品ぞろえをしてしまえば、何のことはない単なる在庫処分の投げ売り店である。それでは意味がない。
ある程度ディスプレイをカッコヨクしながら、肌着や靴下を圧倒的に集めてみてはどうか。
300円くらいから数千円、一万円くらいまでの各価格帯・各ブランドの肌着を集積したらどうだろうか?
もちろん、靴下、ホームウェアなども同様である。
ただ、メンズのビジネスウエア(ワイシャツ、ネクタイ)などは従来の品ぞろえのままにする。なぜなら、量販店は男性が自分で買うのではなく、奥さんや娘さんなどの代理購買が多い。
そして、悲しいかな、奥さんや娘さんは、低価格のワイシャツやネクタイを選ぶ傾向が強い。
ここで、肌着、靴下、ホームウェアを強化する理由は2つある。
1、女性向け商品には嗜好品の要素が強い
2、吸水速乾や保温、保湿などの機能性が重視される商材である
嗜好性が高い女性商品を集積すると、女性は不思議なことに同じような商品であっても色違いや柄違い、デザイン違いで複数枚を購入してくれる場合が多い。
また機能性が重視されているため、きちんとその機能性が打ち出されていれば、販売しやすい。さらに昨今では高機能商品であれば少々値段が高くても消費者が購入してくれるという風潮も強まっている。
高機能性のある肌着、靴下、ホームウェアこそ「ファッション」に弱い量販店にもっとも適した商品であると考えている。
そして何より、肌着や靴下、ホームウェアを圧倒的に集積することで、ユニクロとの差別化を果たすことができる。
ただ、前例のない売り場作りであるから、実現するには相当ハードルが高いことは容易に想像できる。
今の量販店各社の上層部が決断を下せるとも思えない。
しかし、勝ち目のない「ファッション」を取り組むよりはよほど勝算が高いと思うのだが。。。。