2015年以降のバーバリーはどうなる?
2011年9月14日 未分類 0
海外ブランドのライセンス生産は危険だと言われる。
日本企業がライセンス生産でブランドを育てると、契約が打ち切られ、海外直轄の日本支社が作られてしまう。
年配のアパレル業界の方なら、「カネボウのディオールショック」と「デサントのアディダスショック」を思い浮かべられるのではないか。
「クリスチャン・ディオール」というブランドは90年代まで、あのカネボウが展開していた。
百億円単位の売上高があった。しかし、90年代に契約が打ち切られ、ディオールの日本支社が作られた。
「アディダス」も同じである。スポーツ大手メーカーのデサントがそれまでライセンス生産していたが、90年代にアディダスジャパンが作られたため、デサントは相当の痛手を被った。
その後、カネボウは会社自体が消滅した。デサントはアディダスショックを乗り越えて、新たなブランド群を育成している。もっともカネボウが消滅した理由はディオールではなく、ディオールがあってもカネボウは倒産しただろう。
さて、今注目されているのが、三陽商会と「バーバリー」の関係である。
これまで日本国内の「バーバリー」ブランドは三陽商会がライセンス生産してきた。
しかし、2020年まであった契約期間が2015年に短縮された。
さらに2008年には、英国本社の日本支社ともいうべきバーバリーインターナショナルが設立されており、直営店を東京に2店舗出店している。また、2012年秋冬から三陽商会のライセンス生産による「バーバリー」の子供服は廃止され、英国バーバリー社が製造したグローバルコレクションに切り替えられる。
これらはきちんとプレスリリースとして発表されている。
もはや着々と外堀は埋められている。
2015年以降、英国バーバリー社は三陽商会とライセンス契約を結ばないと予想される。
そもそも、契約を更新するつもりがあるのなら、契約期間を5年短縮しないだろう。
はてさて、2015年以降、三陽商会は「バーバリーショック」を乗り越えられるだろうか?