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南充浩 オフィシャルブログ

欧米ブランドにも採用される高野口産地の素材

2011年9月9日 未分類 1

 昨日、最後の和歌山県高野口産地巡りが終わった。
昨日は4社を巡った。

以前にも書いたが、和歌山県の高野山のふもとにある橋本市周辺を「高野口産地」と呼ぶ。
主にフェイクファー、ベロア、モケットなど毛足の長い織物と編物の生地産地である。
衣料用途以外に、電車のシートや自動車のシート、コピー機の出口のピロピロした物体、液晶テレビのレンズ磨き用の起毛素材などインテリア向けや工業用資材も多い。
ちなみに高野口産地によると、在来線の電車のシートで最高級生地は阪急電車だそうだ。

今秋冬はファーブームもあってか衣料用途としてはけっこうな有力ブランドと取り引きができたという。
ルイ・ヴィトンに2000メートル納入したり、プラダに60反を販売した。
また「ジュンヤワタナベ」にも高野口のフェイクファーが採用されており、ファッション雑誌にそのアイテムが紹介されていた。もちろん産地名は掲載されていない。
しかし、なかなか明るい話である。

0908

(高野口産地でのミーティング風景:目線が入っているのはご愛敬で)

ただ、残念な話もあった。

某インテリアメーカーが「何千メートル分の生地を発注する」という約束をしたので、糸を用意したものの、ほんの何十メートルかの受注が入っただけで、その契約自体がキャンセルになってしまったという。
当然、その糸は余っており、これを他の生地に転用して処分しなくてはならない。

産地企業からするとアパレル向けの生地開発は、苦手な色柄提案を行う必要があり、本音では苦労している。また契約が決まっても生産ロットが小さいのであまりうまみもないと感じている部分もある。
反対にインテリアとの取り引きは、色柄はあまりうるさく言われず、単価は安いが生産ロットが大きいので、美味しいとも感じているようだが、先述のように未引き取りが日常茶飯事である。
今のアパレルは、これほど大規模な生地の未引き取りは稀である。

どちらも一長一短のある業界だといえる。

しかし、インテリア業界の商取引習慣は、アパレルよりもある意味で悪質ではないか。
ちなみに先ほど出てきた某インテリアメーカーはニトリでもイケアでもないことをお断りしておく。
何千メートルもの生地を未引き取りにされると、生地メーカーは大変な損害を受ける。これが原因で潰れた高野口産地の生地メーカーも少なくない。

アパレルはうまみがないかもしれないが、そこまで大ロットでないため、よしんば未引き取りが起きても損害が少ない。それに15年以上前はどうだかわからないが、ここ数年では生地の未引き取りはほとんど起きていない。

従来のインテリアメーカーはこのような企業体質であるから、ニトリやイケアに負けてしまったのだろう。
伝統的インテリアメーカーは合併に次ぐ合併を繰り返している。これも自業自得であろう。

 comment
  • okadatx より: 2011/09/09(金) 10:57 AM

     
    画像 ナイスですねー!(笑
    ごくろうさまでした。
     

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