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南充浩 オフィシャルブログ

実情からズレているファッション専門学校

2011年9月1日 未分類 0

 最近、HAKATA PARIS NEWYORKというファッションブログを拝読している。

http://blog.goo.ne.jp/souhaits225

このブログの筆者は、ファッション業界への造詣が深く、勉強させていただいている。
タイトルにあるように福岡市に在住で、地元に密着した記事が多い。

先日、ファッション専門学校について書かれていた。
この中で書かれている「プレス学科」と「スタイリスト学科」の課題は、的を得た指摘であり、自分では漠然と思っていたことではあるが、ここまで的確にはまとめることができなかった。

以下に引用したい。

 そもそも、スタイリストがファッション業界の仕事か、ということから学生は誤解している。メーカーやショップから商品を借りることはあっても、仕事は雑誌なら出版社の編集者やカメラマン、CMなら広告代理店のディレクター、タレント直は事務所関係者などと行なう。つまり、実際に働くのは「メディアの世界」で、当然、ギャラもそこから支払われる。
 服飾のディテールやトレンド用語の知識が全く必要ないとは言わないが、小物含めて商品や小道具の入手ルートから雑誌制作のフロー、グラフィックや写真撮影などの知識、現場での臨機応変な対応(裾のまつりやサイズ調整)などまで、習得しておかなければ、使いものにならないのだ。

 プレスにしても然り。商品を貸し出し、雑誌やCM等に露出する。返却後は検品し、タグを付け、プレスルームで保管。掲載された媒体はチェックし、問い合わせに対応する。ただ、そんな程度の認識なら単なる“貸し出しのお姉さん”に過ぎない。
 限られた予算の中で、いかに効率の良い販促企画やメディア戦略を考えるか。それはキャンペーンか、純広告か、編集タイアップか、インスタレーションか、コレクションショーか。あるいは投資家向け、一般向けのディスクローズとは何か。そうした活動の中でネームバリュや信頼度、ブランド価値を高めていくのがプレスの本当の仕事なのだ。

 あるDCブランドメーカーのプレス採用試験で、こんな論文問題が出された。テーマは「記事と広告の違いを書きなさい」。 筆者はこれを見て目から鱗が出た。 まさに的を射た問題である。  
 おそらく、この答えが導き出せるのは、雑誌の編集者やコピーライター経験者だろう。

とのことである。

ちなみに文中にあった、05年に福岡に進出して来年3月で撤退する有名専門学校というのは、バンタンではないかと推測している。

「スタイリスト」も「プレス」も
アパレルの仕事というよりは、メディアの仕事に近い。

果たしてこのことをどれくらいの専門学校がきちんと教えているのだろうか?
もちろん、教えている学校もあると思うが、そうでない学校の方が数多く存在するのではないだろうか?

知る限りでは、スタイリスト学科では、洋服の組み合わせやコーディネイト、メイクアップの基礎などを勉強するが、雑誌の製作サイクルは教えていない。
また別の専門学校のプレス学科では、なぜかフリーペーパーの製作を教えているが、製作そのものを学ぶよりも広告戦略だったり、新聞・雑誌・テレビなどの媒体の性格の違いなどを学ばせるべきだろう。

それらが具体的に理路整然と語られている点において、上のブログは、専門学校関連の記事の中では特筆されれるべきであろう。

専門学校がいつまでも洋裁教室の延長線上や、バブルの頃のぬるい業界体質の延長線上では、到底現状に即した人材など育成できるわけがない。
専門学校も旧体質からの脱却が求められている。

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