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南充浩 オフィシャルブログ

日本繊維新聞が自己破産へ

2010年11月2日 未分類 0

 昨日、繊維業界紙大手の日本繊維新聞の営業停止が発表された。
しかし、自社での発表があまりにお粗末であったため、発表前の午前11時に社名を伏せて他のブログで疑問を投げかけさせていただいた。

http://apalog.com/minami/archive/328

その後、11月1日の正午以降に報道され始めたものの
信用情報と帝国データバンクでは少し書いている内容が異なる。

http://www.sinyo.co.jp/sokuhou/sokuhou.htm

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/3376.html

信用情報によると原因は資金ショート。負債総額は約6億円。
帝国データバンクによるとこれから自己破産の準備に入るというから、会社も紙名もなくなることになる。

複数の業界関係者によると、
10月29日の時点で社内と、一部の取引先に通達があったという。
自分が耳にしたのは10月30日の土曜日のことである。
金曜日にわかっていたのなら、なぜ製作途中にある11月1日発行号の新聞紙面に「今号を持って営業を停止し発行を中止いたします」という告知文が入れられなかったのか疑問に思う。

業界紙の発行スケジュールから考えると、
月曜から木曜は、だいたい午後4時~4時半くらいに記事提出が締め切りとなる。
しかし、土日が休みなので金曜日は締め切りが延長される。
ケースバイケースだが、だいたい午後5時~5時半までの延長が可能だ。
ひょっとしたら午後6時も可能かもしれない。

ただしその場合、スペースと時数が決まっていて、その部分を除いて紙面が完成していなければならない。
だから「○○の記事、写真縦1枚、20行入ります」と申請しておけば対応が可能になる。
10月29日の午後に社内通達があったのなら、理論上は11月1日の新聞に掲載することは可能だったのではないだろうか。

いくら、11月1日の正午に自社ホームページ上で告知を掲載したと言っても、インターネット回線がないorネットを見る技術がないなどの読者には甚だ不親切な告知であるといえる。
これが工場やメーカーの廃業なら理解できなくもないが、少なくともメディアのはしくれならその対応はキチンとしないといけない。

また信用情報や帝国データバンクの記事を読むと、
新聞業界の部数水増し体質が明らかにされている。
日本繊維新聞は倒産直前まで公称発行部数を12万4000部としていた。
月額購読料は4000円弱だから、この通りの部数だとすると毎月4億円以上の購読料収入となる。
年間だと48億円以上。
これが事実だとすると6億円程度の負債などなんともない。

両記事によると、直近の全社の年間売上高は5億2000万円にまで落ち込んでいたという。
この5億2000万円には購読料以外に、広告料収入や単行本売上高などが含まれている。
5億2000万円を12カ月で割ると約4300万円。
ここから毎月の平均売上高が4300万円ということがわかる。
この4300万円を4000円(1部あたりの新聞購読料)で割ると、約1万部ということになり、
毎月の発行部数は約1万部となる。

しかし、売上高には広告料収入や単行本売上高、その他雑収入が含まれていないため、
実際の毎月の購読料収入は4300万円以下となり、発行部数は1万部以下ということになる。
これが実情に則した数字である。
一般紙でも「押し紙」問題が取りざたされているが、業界紙や業界雑誌にも部数水増し疑惑が常につきまとっている。業界紙・業界雑誌の公称部数が信用されない由縁である。

ちなみに昨夜ツイッターでの風評被害がすさまじかったが、
日本繊維新聞社と繊研新聞社は、まったく別の会社で資本関係もゼロである。
繊研新聞読者はご安心願いたい。

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