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南充浩 オフィシャルブログ

生地の特性をお客に説明するのが販売員とブランドの仕事だろ?

2017年9月25日 産地 0

みなさん、おはようございます。^^
驚いた方も多いと思うが、昨日の夜からこのブログのデザインが変わった。
変わったというと自分で変えたように聞こえるが、変えてもらったのである。当方はウェブなんて触れない。(笑)
このブログも開設してもうすぐ7年になるので、デザインを一新してもらって、気分転換してみたいと思う。
ちなみにドメイン、URLは変わっていない。以前まではライブドアブログだったが、今のこれはワードプレスである。
また引き続きお付き合いを願いたい。
9月22日の金曜日、朝に見知らぬ人からメールをいただいた。
「このたび、当社がテレビから取材を受けていて、その取材の内容の放送が決まりました。これまでこのブログを読んできて、一つの成果が出たのでお礼方々」
という丁寧な内容だったが、当方はお会いしたこともないし、何もしていない。まったくもって先方が努力してこられた成果でしかない。
しかし、ほんのわずかでもお役に立てたというなら嬉しい限りである。
メールをいただいたのは、新潟五泉市の横正機業場さんである。
五泉というとニットの産地として有名だが、和装用の絹織物の産地でもある。
とはいうものの、実は当方も五泉に絹織物の産地という認識はなかった。当方の勉強不足もあるが、産地としての知名度もそれほど高くないといえる。
http://www.minkyo.or.jp/01/2017/09/nipponnochikara_105.html
関西ではこの番組は9月24日(日)朝5:50~6:20という早い時間帯の放送なので、到底起きることができないので録画した。
日曜の朝は、午前7時30分の宇宙戦隊キュウレンジャーに間に合うように起きるというのが当方の長年の生活習慣である。
録画したのを見た感想をまとめてみたい。
まず、五泉の絹織物は、京丹後と同じく、真っ白な白生地で出荷される。
白生地産地ということが、京丹後と同様で、産地ブランド化しにくい。
なぜなら、白生地は他の地域に出荷され、染色や柄付けを施され、違う名前の織物になってしまうからだ。
例えば、京友禅などになってしまう。京丹後も五泉もまったく同じだ。
今回の横正機業場さんは、染色業者に依頼して、オリジナル商品化に臨んだが、京丹後の白生地業者はリスク(開発費用の投資、売れ残り、返品など)を恐れて一部を除いてはそれに踏み出せずにいる。もちろん、踏み出した業者も京丹後にはあるが、付き合った感じでいうとそれは1割か2割で、残り8割近くは手をこまねいている状態にある。
まず、白生地産地というところに五泉も京丹後もハンデがあったといえる。
そのハンデを乗り越えるかどうかは、経営者次第である。
番組の作りは、過剰な演出もなく、見やすい物だったと感じる。
しかし、個人的な補足や感想もここでまとめてみたい。
「五泉の絹織物がどうして洋装には進出できなかったのか?」
という言葉が番組中で流れる。
これには理由があって、白生地だということ。
もう一つが、和装の生地は幅が狭くて洋服の生産には向いていないということもある。
生地幅が狭いということは番組中では触れられていない。
和装の反物の生地幅は38センチしかない。
洋装の生地は、狭幅でも70センチ強あるし、広幅だと1メートル~1メートル50センチある。
絹織物自体も価格が高いが、狭幅の生地で洋服を作れば、裁断による生地ロスが生じて、和装よりも生地値がさらに高くなる。
となると、使用した生地値だけで1着2万円とか3万円になることも珍しくない。
これを店頭販売すれば軽く10万円を越える値段になる。
よほどブランド価値がなければおいそれとは売れない値段である。
番組内で気になったことがもう一つ。
横正機業場さんは、自社オリジナルのストールブランド「絽紗」を完成させる。
夏物の着物で使用されるスケスケ生地の「絽」「紗」の織り方を生かした絹の薄手生地ストールである。
もちろん、白生地ではなく染色されている。
これがユナイテッドアローズの重松理会長の目にとまって、商談が始まるのだが、
ボリュームが欲しいという重松会長の言葉から、横幅を広げることになる。
大判化した結果、広げたときにピンとまっすぐにならず、たわんでしまい、それを解消するように指摘される。
様々な試行錯誤を繰り返し徐々に解消していくのだが、完全解決したという放送はなかったので、今も試行錯誤が続いているのではないかと推測される。
細い糸で低密度で織っているのだから、厚地や高密度織物のようにピンっと張ることは不可能で、さらに生地幅を広げているから自重はさらにたわみを作る。
重松会長も「生地の特性だから」と番組内でも発言している。
しかし続けて「お客に特性だからとは説明できない」と発言しており、個人的にはここに疑問を感じる。
え?それを説明するのが販売員であり、ブランドの仕事じゃねえの?

じゃあ、防縮加工(スキュー)を施していないデニム生地を使ったビンテージ風ジーンズを何故のうのうと販売しているのか?
洗濯したら捻じれて縮むのが「生地の特性」ではないか。その「生地の特性」をお客に説明して納得してもらっているのではないのか。何を寝ぼけたことを言っているのか。
デニム生地は「生地の特性」を説明し、あまつさえ、それを「味」だと説明している企業が、何故、薄手絹織物の「生地の特性」は説明できないのか。ダブルスタンダードにもほどがあるのではないか。
もちろん、テレビ番組の発言なんてズタズタに切り裂かれて再構成されていることは承知している。実際にその場でどういう文脈でその発言に至ったのかはわからないから、幾分か割り引いて聞く必要はある。
だが、それでも「特性だからとは説明できない」という発言は、どうかと思う。
本心から語っているのだとしたらお笑い草でしかない。まさしく草不可避だ。
トップ企業の経営トップが本心からその認識だとすると、やっぱりアパレル業界はダブルスタンダードが横行するろくでもない業界だといえる。
いずれにせよ、横正機業場さんには飛躍のチャンスが訪れており、うまく掴んでもらいたいと思わずにはいられない。
NOTEを更新しました⇓
「原価率50%」商法はナンセンスでしかない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nf12f449b36a1

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