今春のワイドパンツは昔のように裾を引きずる長さはNG
2017年2月22日 トレンド 0
今日は柄にもなくトレンドのことでも書いてみようかと思う。
自分のオサレ度に自信を持っている人は男女を問わずちょっとめんどくさいと感じる。
なんだろうか、その自信に満ちた表情を何らかの形で踏みにじってやりたいなんて思うのはたぶん筆者の人間性が歪んでいるせいだろう。(笑)
それはさておき。
これまで細身のスキニーシルエット一辺倒だったパンツだが、一昨年くらいからワイドシルエットがトレンドに浮上してきた。
今年の春夏はそのワイドパンツ類の着用者がさらに増えそうな気配があり、各社ともワイドパンツの提案が増えている。
逆にスキニー人気もそこそこに根強く、先端ファッションブランドはどうだかしらないが、筆者が利用するマス層向けの店なら、スキニーがベースで、そこにワイドがプラスされる感じである。
こういうトレンドの話になると、太いか細いかに注目する人が業界内でも多いのだが、現在のトレンド傾向は、実は太くても細くても一つだけ変わらない部分がある。
それは「丈」である。
ジョーではない。カタカナにするとレングスである。
英語のスペルだとlength。
要するに丈の長さである。
スキニーシルエットが08年に主流となって以降、ズボンの丈は少し短めが主流になった。
真冬でもくるぶしが見えるくらいの丈が男女ともに主流になった。それは今も変わらない。
昔、といっても10年ほど前までは長らく「ズボンの丈は靴の上にワンクッション乗るくらいが最適」とされてきたが、スキニー全盛になり、その後、アンクル丈や7分丈ズボンが発売されたことによって、「靴の上ギリギリくらいのノンクッション丈」が新しいスタンダードになった。
筆者の親世代(70代)なら、「丈が短すぎる」と感じるだろうが、これが新しい標準になってすでに7年くらいが経過している。
元来、股下が短く、腰の位置が下についている人が多い日本人にとって、ワイドパンツは似合いにくいとされてきたし、筆者もそう感じる。
要するに短足にワイドパンツは似合わないことが多く、さらにいえば、ワイドパンツでワンクッションの丈の長さにしてしまえば、地面に裾を引きずるようになって見た目にもだらしなくなる。
だからという部分も含めて2008年以前のワイドパンツブームはどれもこれも業界が煽るほどには広がらずに、いつも一部の人たちだけのトレンドで終息してきた。
同じ着こなしなら、今回のワイドパンツブームもあまり広がらないと考えていたが、今回のワイドパンツは丈がノンクッションで短いのが主流である。
スキニーと丈の長さは同じなのである。
さらにいえば、裾が少し細くなったテイパードシルエットのほうがどんな人にも似あいやすい。
要するに、太さには違いがあるが、丈の長さは同じであり、同じ靴が着用できるということになる。
かつての丈長めのワイドパンツなら履く靴を変えなくてはならなかったが、今回のワイドパンツは履く靴は変えなくても良いということになる。
スキニーは丈が短いので靴底がフラットなスニーカーを合わせられるが、もし、丈の長いワイドパンツを穿くとスニーカーなら裾を引きずってしまう。
必然的に、男性ならかかとがついたワークブーツ類、女性ならかかとのあるヒールやパンプス類を合わせることになる。
しかし、今回のワイドパンツはくるぶしくらいまでの丈なのでスキニーと同じスニーカーを合わせることができる。
極論をいえば、今回のワイドパンツはスキニーの亜流・変型版ともいえるだろう。
先日、お邪魔したジョンブルの今春夏向け展示会でも、ゆとりのあるシルエットのパンツをくるぶし丈で提案しており、2005年当時の引きずるような丈の長さとは全く異なる。今後はこれが主流になると考えられる。
(今春夏のジョンブルのワイドパンツ)
(2005年の裾を引きずるようなジーンズ)
http://www.rakuten.co.jp/joy/757113/767120/
ついでにいうと、春夏シーズンというのは体形が残念な男女にとって、ワイドパンツを合わせやすい季節でもある。
呼び名は様々あるが、大概の人がそれなりにカッコよく見える着こなしに3つのシルエットがある。
1、トップスがタイトでボトムスがワイド (Aライン)
2、トップスがタイトでボトムスもタイト (Iライン)
3、トップスがワイドでボトムスがタイト (YラインまたはVライン)
である。
逆によほど顔も体形も整っていないと難しいのが、上下ともにワイドなシルエットでそろえることである。
そこら辺の人間がやってしまえば、90年代のイケてないヒップホッパーみたいになってしまうことは間違いない。
で、ワイドパンツを合わせるには、トップスをタイトにするのがコツだが、秋冬だとダウンジャケットやら分厚いウールのコートやらで、トップスはもれなく膨れるのでワイドパンツを合わせることは容姿の残念な人は避けたほうが良い。
春夏だとトップスはカットソーやシャツ1枚になるので自然とコンパクトになるからワイドパンツを合わせてAラインを作りやすい。
容姿の残念な人は、トップスのシャツやカットソーをタイトなシルエットにすれば、少しはマシに見えるだろう。
そんなわけで容姿も頭髪も残念な筆者は、できるだけ無難な着こなしを心掛けたいと思う。