ブランドラインナップは目新しくないが、売り場作りが上手いJR大阪三越伊勢丹
2011年5月11日 未分類 0
5月4日にJR大阪三越伊勢丹とファッションビル「ルクア」がオープンした。
2つともJRグループの経営であり、当然のことながら協力関係にある。
連休中には2つのビル合計で150万人の来場があったといわれている。
この商業施設の感想を。
JR大阪三越伊勢丹は、ブランドラインナップは非常に陳腐であり、目新しさはまったくないが、
各ブランドのテナントショップごとの壁を取り払い、統一什器で自主編集売り場風に見せた陳列方法は
かなり秀逸である。
ブランドネームは関係なしに購買意欲を喚起させることができる。
逆にブランドネームを見て「え?このブランドってこんなにかっこ良かった?」と驚くのではないだろうか。
5月2日の内覧会に招待されていた一般消費者を見ると、JR三越伊勢丹は40歳以上の年配層が多い。
ブランドラインナップを見ても年配向けの品ぞろえであることがわかる。
地下1階には若い女性向けのイセタンガールがあるが、こちらは上の階に比べると生彩に欠ける。
まず売り場が同じ階で2つに分断されていて分かりにくい。
次にブランドラインナップが陳腐であり、使い古された感のある「ペイトンプレイス」「ディアプリンセス」の2つは特に疑問が残る。
協力補完関係にある「ルクア」は若い客層に対応したブランドを集めているので、
そちらにすべて任せて、イセタンガールを無理に嵌め込む必要はなかったのではないかと思う。
次にルクアは、30歳前後までの若い客層に向けたブランドを集めている。
「ビームス」「アーバンリサーチストア」「トップショップ/トップマン」「ディーゼル」「エディフィス」「ルシェルブルー」などなど。
こちらは通常のファッションビルとしての造作となっており、
各テナントが従来通りに壁で仕切られて入店している。
陳列方法云々ではなく、単純にブランドラインナップを見て楽しむのが正解である。
5月2日の内覧会当日は、狙い通りに20代・30代の若い客層が多かった。
簡単に図式化すると
40代以上の年配者・・・・JR大阪三越伊勢丹
20代・30代向け・・・・・・・ルクア
という住み分けがイセタンガールを除いて明確になされている。
一つの建物にすべての客層を取り込まず、2つに分けたJRグループの計画が光るのではないか。