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南充浩 オフィシャルブログ

圧倒的にコストパフォーマンスが高い「グンゼYGカットオフ」

2016年8月16日 お買い得品 0

東京に2泊3日で出張した。
最終日の8月12日は最高気温が31度か32度くらいで、朝晩はかなり涼しかった。
といっても上着を着るほどではないが、日が暮れるとあの嫌な熱気はないくらいだった。

関西に帰ってくるとまだ猛暑が続いている。
おそらく8月に入ってからずっと35度を越えているのではないか。
暑さが苦手なので早く涼しくなってもらいたい。
暑いとただでさえ短気なのにさらにイラっとする。

それはさておき。

出張の間、何を着ようかと迷って、ちょっと試してみたら非常に具合の良かったことがある。
大量の汗をかくので、夏の間、ポロシャツやTシャツを1枚で着てうろうろすることは個人的には避けたい。
発汗は止められないから、汗ジミが極力表面に目立たないようにしたい。

重ね着をすればその問題はクリアできるが、普通のTシャツやポロシャツを重ねると生地が厚すぎて、ゴワつくし圧迫されて窮屈になる。

手元にあるグンゼYGのカットオフを下に着用してその上にTシャツを重ねてみてはどうかと思いついた。

早速、出発前に実験をしてみた。
カットオフのグンゼYGを着た上から普通のTシャツを着てみた。

ちなみにグンゼYGのカットオフは通常半袖タイプと、半袖の袖丈がさらに短いタイプがある。
筆者がグンゼからサンプルとしていただいたのはさらに袖丈が短いタイプである。

首回り・袖口・裾がすべて切りっぱなしなので上にTシャツを重ねても、段差がない。
袖も短いし、首回りのVも深いので、外から見えることもない。
おまけに生地が薄いので重ね着しても圧迫感がない。

IMG_1610

本来はクールビズ用としてドレスシャツの下に着用するために開発された商品だが(ドレスシャツは素肌に着るべしという五月蠅い輩がいるから)、カジュアルTシャツの下にも着用できることが分かった。
あまり汗をかかない人は必要ないが、汗っかきの人間にとってはTシャツやポロシャツを1枚で着て外回りをするのはなかなか恐怖を感じるのである。

このグンゼYGカットオフシリーズの価格は1620円(税込み)となっており、オッサン連中御用達のスーパーマーケットの3枚1000円とか3枚990円シャツに比べると幾分高い。

しかし、個人的にはこの商品はコストパフォーマンスが高いと評価している。

同じ、グンゼの「シーク」という百貨店向け商品がある。
カットオフの技法はこちらの「シーク」のほうが早くて、YGカットオフはシークのセカンドラインのような位置づけにあると見ている。
シークは税抜きで2800円くらいである。

YGカットオフはその半額だからかなりのコストパフォーマンスだといえる。

切りっぱなしということになると、ユニクロのエアリズムシームレスもある。
これと比べてみる。

まず、ユニクロのエアリズムシームレスはネーミングがダメだ。
ネーミングに偽りありだ。
シームレスとは「縫い目がない」という意味だが、裾と肩に縫い目がある。
これで「シームレス」を名乗るのはいかがなものか。
エアリズムカットオフに改名したほうが良いのではないか。

グンゼYGカットオフはたしかに3枚1000円の肌着シャツに比べると高い。
しかし、ユニクロのエアリズムカットオフシームレスは1枚税抜きで1500円もする。
税込みで1620円である。

グンゼYGカットオフと同じである。
仕様でいうなら、グンゼYGのほうが裾も切りっぱなしとなっており、切りっぱなし比率はこちらのほうが高い。
仕様だけでいってもこちらのほうがコストパフォーマンスに優れている。

次に素材面を見てみよう。

エアリズムカットオフシームレスはナイロン84%・ポリウレタン16%という組成である。
はっきり言って合繊100%である。

グンゼYGのほうは、通常版のカットオフが綿90%・ポリウレタン10%、短袖版は綿55%・ポリエステル30%・ポリウレタン15%という組成で、綿比率が圧倒的に高い。
とくに通常版はシークと同じ組成である。

綿素材が一概に良いとは言わないが、合繊100%はやはり吸水性に難がある。
合繊は基本的には汗を吸わない。業界では「汗を落とす」と表現する。
合繊が混紡されているTシャツは普通に使用するが、合繊100%のTシャツはちょっと日常使いはしたくない。
せいぜい、運動するときのウエア止まりである。

素材面から考えてもYGの方が圧倒的にコストパフォーマンスが高いといえる。

エアリズムの価格が圧倒的に安いなら、エアリズムを着用するという選択肢もあるが、価格が同じなら絶対に買わない。

とくに中高年は男女ともに盲目的ともいえる天然素材信奉者が多い。
中高年男性(通称:オッサン)がもし、アウターに響かない肌着をほしいと考えるなら、価格から考えてもグンゼYGカットオフをお勧めする。

これまでは「カットオフの肌着なんて真夏にドレスシャツを着る人向けだろ?」という偏見があったが、今回試してみて、Tシャツやポロシャツの下にも着用できることが分かった。
来年からはTシャツの下として大いに活用したいと思う。

それにしても、グンゼYGカットオフを見ていても「良い物が必ず売れる」とは限らないことがよくわかる。
グンゼYGカットオフが売れていないというわけではない。
けっこうな売れ行きだと耳にしているし、Amazonでも一時期は品切れだったとも聞いている。

しかし、ユニクロのエアリズムに比べると圧倒的に知名度が低く売り上げ枚数が少ない。
これはひとえに売り方・見せ方の差だといえる。
物性面の品質でいえば縫製仕様・使用素材ともにグンゼYGカットオフが圧勝である。
それでいて価格は同じだ。

モノヅクリガーの人たちの理論なら、グンゼYGカットオフが圧倒的に売れねばおかしいということになる。
だが、結果は逆だ。
だから、物作りを得意とする会社は売り方・見せ方を工夫すべきなのだと思う。
そうでなければいつまでもユニクロやグローバルSPA、ファストファッションの後塵を拝し続けることになる。
それで構わないのであれば、いつまでも「物作りのロマン」とやらにこだわっていれば良いと思うが。




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