型紙(パターン)についてあれこれ考えてみた
2015年5月7日 未分類 0
洋服作りにおいて重要なのが型紙(パターン)だが、あまり脚光を浴びることが少ないように感じる。
業界にはフリーランスのパタンナーさんが少なからず存在しており、さまざまなブランドからパターン作りの依頼を受けて生計を立てている。
筆者にもフリーランスのパタンナーさんの知人が何人かいる。
生地製造や染色加工、デザインの話は、筆者のような素人でも説明を聞けば何となくわかるが、パターンのことは未経験者には理解しにくい。
筆者はパターンの良し悪しがわからない。
業界紙でもパターンのことが取り上げられにくいのはそのためだろう。
今日は素人なりにパターンとパタンナーについて、あーでもないこーでもないと考えてみたい。
もし、ご指摘があればいろいろと教えていただきたい。
もう5年くらい前になるが、専門学校を卒業したての若者から「フリーランスのパタンナーになりたい」と相談を受けたことがあった。
そこで知人のフリーランスのパタンナーさん何人かにそれぞれ事情や背景を尋ねてみた。
知りえた情報を整理すると、
1、フリーのパタンナーさんへの注文はそれなりにある
2、それなりにはあるが、すべてのパタンナーさんに広く依頼があるわけではない
3、若い人がいきなりフリーになっても依頼はあまりなく、30代半ば以降のベテランには注文が多く集まり易い
ざっとそんな感じだった。
なぜ若い人がいきなりフリーになっても依頼があまりないかというと、ブランド側は若い人を育てる気もそんな余裕もなく、完成度の高さを求める。
必然的に実力が未知数の若い人ではなく、ある程度実績がわかっているベテランに依頼が集中するということになる。
また昨今では、ブランドやアパレル企業内にパタンナーを抱えることが減ったため、若い人が企業に入って腕を磨くということはなかなかやり辛くなっている。
まあ、そんな報告をその若者にした。
その後、風のうわさで何とかパタンナーとしてどこやらに就職したと聞いた。
以前から漠然と、ファッションデザイナーやファッションプロデューサー、ファッションディレクターに著名なフリーランスの人は多く存在するが、フリーランスのパタンナーで著名な人はいないと感じていた。
報道する側にもパターンに対してのそれ相応の知識が必要になるから、フリーランスのパタンナーをクローズアップしてスター化させることもなかなか難しい。
しかし、昨今ではブログを含めたSNSが発達しており、自己発信が可能になった。
他のジャンルの人が発信していることに比べると、知る範囲ではパタンナーの発信というのは少ないのではないかと感じている。
パタンナーからすると「何を書いて良いのかわからない」ということになるだろう。
何せ、本格的に仕事のことを書くと、読む側にもかなりの専門的な知識が必要となる。
あまりに具体的なことを事細かに書いても多くには読まれにくいと考えられる。
どこそこの部分を何ミリ伸ばしたとか削ったとかいわれても、知識がなければそれにどういう効果があるのかさっぱりわからない。
こんな内容のブログだったらどうだろうか?
自己の仕事に都合が悪くない程度に、という前提で、有名ブランドのパターンのどこが良いのかを書いてみるというのは。
例えば、ZARAのパターンが「着用者が細く見えて良い」という人がいる。
しかし、筆者は「そこまで細く見えるか?」と疑問に感じる。
断っておくとZARAの服が不恰好だと言っているわけではない。それなりにかっこよく見えているが「細く見える」とまでは思えないということである。
これをパタンナーが具体的に「この部分がこうなっているから、他のブランドよりも細く見えます」と解説してくれればそのブログはかなり多くの人に読まれるのではないだろうか。
別にZARAだけではなく、ユニクロとか無印良品とかH&Mとかワールドやオンワード樫山などの各ブランドの製品の特徴をパタンナー視点で解説するのは、多くの人の興味をひくのではないか。
筆者には縁がないが、もっとラグジュアリーなブランドの解説だって構わない。
「そんなことまでしなくても良いよ」という声も聞こえてきそうだが、フリーランスのパタンナーにもやっぱりスターは必要なのではないかと思う。
それによって多くの人にパタンナーの仕事の内容が理解されれば、パタンナーという仕事の重要度が業界にも理解され、地位向上につながるのではないか。