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南充浩 オフィシャルブログ

アパレル業界のパクリ合い

2015年2月16日 未分類 0

 先日、山田耕史さんがブログでGUESSとグッチの商標権訴訟を取り上げておられた。
平たくいうとGUESSがグッチの意匠をパクったと訴えられたわけである。
紹介されている写真を見ると、なるほどれっきとしたパクりに見える。

ブランド商標権訴訟、GUCCIvsGUESSチキチキロゴ対決!
http://t-f-n.blogspot.jp/2015/02/gucciguess.html

一番ひどいと感じたのは靴である。
写真を見てもらえばわかると思うがほとんどデザインは同じ。
アッパーの側面のカラー帯の色のみが違うが、これだって、グッチの靴の別色展開と言われれば納得してしまうレベルの差異にすぎない。

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その昔、GUESSというのはアメリカ西海岸テイストのカジュアルブランドだったと認識していたのだが、日本から一時撤退していた間にテイストを変更したのだろうか。

現在、アパレル業界でパクリ問題というと中国・韓国がその例に挙げられる。
これは事実その通りなのだが、GUESSの例のように欧米ブランドだってけっこうえげつないことをやっている。

また日本でもパクりは多い。
最近だと非常に巧妙に事件にならないようにパクっているが、それでも現在でも国内ブランド同士でのパクリ問題は後を絶たない。

その昔と言ってもほんの10数年前くらいまでは、展示会に出展したブランドの商品を写真撮影して、それを短納期で仕上げて、本家よりも早く店頭投入するというパクリ屋が国内にも横行していた。
多分、今でも絶滅はしていないと思われる。
だから、合同展示会へ出展することを極度に嫌がる製造系企業が今でもある。
その当時のトラウマがいまだに消えないのだろう。

筆者は以前、某大型展示会主催企業に3年間勤務したことがある。
その当時の先輩から聞いた昔話である。

パジャマ類の某会社が年に何度か定期的に業界誌に広告を出稿していたそうだ。
単なる企業のイメージ広告ではなく、毎シーズンの販促も兼ねているので、広告にはそのシーズンの商品写真を掲載していたそうだ。

すると、この企業の特定の同業他社が必ず類似品を製造して本家よりも早くに店頭に納入していた。
本家企業はついに堪忍袋の緒が切れて、業界誌にクレームを出し、業界誌の担当者がパクリ企業に対して交渉に出向いたところ、「たしかにいつもパクってるけど何が悪いの?」と開き直られたそうである。

これだけだと、ちょっと後味が悪いが、そのパクリ企業は何年か後に倒産していたというから因果応報といえるだろう。

また、これはつい先日も経験したことである。

ストッキング類の卸売り型大手製造メーカーは数社に絞られている。
そのためシェア争いが厳しいが、すごく伸びる市場ではないため、パイの奪い合いという風に見える。

通常、展示会では3か月先か半年先の商品を展示する。
ストッキング類の展示会は半年先の商品を展示する。

洋服や肌着では考えられないことだが、ストッキング類では展示会を取材しても掲載するのは店頭投入直前まで待たされる。写真掲載もそのころまで待たねばならない。

パイの奪い合いが激しい業界だから、できるだけ直前まで手の内を競合他社に見せたくないということだろう。
もしかしたら、類似品も出回り易いのかもしれない。

山田さんもブログに書いておられるように、先日、米国のコンバースが「定番」とみなされていたスニーカー、オールスターの意匠権で多数の他社ブランドを訴えた。
その結果、そのデザインの商品を廃盤にしたブランドがいくつかある。

この流れが強化されると我が国でも状況は異なってくるだろう。

ただ、アパレル業界は日本に限らず欧米でもパクリ合いで発展したような部分もあるから、規制が強化されることで逆に何らかのデメリットも発生するのではないかとも思うが、まあ、そうなったらそうなったで仕方がないと言わざるをえない。

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