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南充浩 オフィシャルブログ

外資SPAも勝ち組と負け組に

2015年2月4日 未分類 0

 トップショップが日本国内の全店を1月末で閉鎖した。
ついでながら、韓国発の低価格SPA「MIXXO」も1月末で日本全店を閉店した。

外資SPAにも負け組と勝ち組が明確化し始めた。

トップショップの撤退については日経新聞の記事が詳しい。

英「トップショップ」、日本の全店閉鎖 円安進行で業績悪化
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ02I4G_S5A200C1TI0000/

英ファストファッション大手「トップショップ」が1月末、日本国内で展開する5店舗すべてを閉鎖した。日本で店舗運営するティーズ(東京・渋谷)は「今後の事業継続は未定」としている。低価格を売り物にした欧米のファストファッションの進出が続いてきたが有力企業の全店閉鎖は初めてだ。日本企業もファストファッションの事業モデルを取り入れるようになっており、競争の激化が響いたとみられる。

 東京の新宿駅前にあるミラザ新宿店(東京・新宿)やラフォーレ原宿店(同・渋谷)、横浜コレットマーレ店(横浜市)、イオンモール幕張新都心店(千葉市)、ルクア大阪店(大阪市)の全5店を閉鎖した。入居するラフォーレ原宿は「1月30日夜に突然、『2月以降店を開くことができなくなった』と連絡があった」と説明している。

 民間信用会社によると2014年2月期のティーズの売上高は35億円。06年に初上陸し、外資系ファストファッションブームに乗り販売を伸ばしたものの、昨年ごろから売り上げが落ち込んでいたもようだ。

 日本進出時は森ビル系の森ビル流通システム(東京・渋谷)と投資ファンドがティーズに出資していたが、昨年に提携を解消していた。

とある。

トップショップは英国法人の直営ではなく、国内の運営会社が介在している。
記事中にもあるティーズという会社だ。

英国滞在経験のある人たちからは、「本国で見た品揃えと日本とでは異なる気がする」という意見もあったが、それが事実だとするなら運営会社の介在による部分があると考えられる。

日本国内で店頭を見ると、トップショップの特色はあまり感じられず、国内市場で果たして必要とされているのだろうかという疑問は以前からあった。
H&Mほど安くはない。ZARAほどモード感を打ち出せているわけでもない、GAPほどベーシックでもなければ投げ売り価格まで値引きするわけでもない。
どの方向性からも中途半端だと映った。

06年に進出してからすでに9年が経過しているが、9年間で5店舗しか出店できなかったというのは、展開のスピードが遅すぎる。ファストファッションは一気に店舗数を拡大しないと意味がない。
数店舗でじっくりとこだわり商品を売るというビジネスモデルではないからだ。

ただ、5店舗で売上高35億円というと1店舗あたりの平均売上高は7億円ということになるから、好調な方だといえる。この35億円の中には実店舗以外にインターネット通販のZOZOTOWN出店分も含まれるだろうから、店舗売上高はもう少し下がるだろう。

今回、記事では不振の原因を円安だとしているが、これには異議がある。
同じ状況下でH&MとZARAは店舗数を拡大し、GAPは店舗数をほぼ維持している。
トップショップのみに円安のアゲンストがあったわけではない。
同じ円安状況下でも業績を維持ないし伸長させている外資SPAがあるわけだから、何を甘えたことを言っているのかと呆れてしまう。

また日本企業がファストブランドの手法を取り入れて競争が激化したともあるが、それはトップショップのみが競争にさらされたということではなく、他の外資SPAも同様に競争にさらされているわけだから、トップショップのみが競争に負けたということになる。
トップショップに競争力がなかったというほかない。

運営会社の店舗運営手法、本国の政策決定、すべてに問題があったのだろう。

上にも書いたが、現時点での外資SPAの勝ち組はGAP、H&M、ZARAであり、負け組はトップショップ、MIXXOといえる。MIXXOと同じグループ会社のSPAOも負け組に入れても良いだろう。

韓国ブランドMIXXOも約2年前に日本へ進出したが、わずか2店舗しか出店することができずに早々に撤退を決めている。

2013年当時は韓流ブームはすでに終息していた(愛好家はそうは思わなかったらしいが)し、そもそも欧米ブランドと比べてもステイタス性が低い韓国ブランドをわざわざ多くの日本人が買うようになるとは到底思えなかった。
MIXXOの撤退は不運などではまったくなく、当然の結果だといえる。
1店舗だけ残っているSPAOの日本撤退もそう遠くないのではないかと個人的には考えている。

それにしても、トップショップは各店舗が本当に少なくとも3億円以上売っていた(先ほどの平均売上高計算から)のかな?と疑問を感じる。
年間3億円前後というと結構な売上高であり、好調店と呼んでも差し支えない。
それなら業界で「やっぱりトップショップはすごいよ」「あそこは店舗数は少ないけど好調だよ」という噂を耳にするはずだが、この2年間はそういう噂を耳にしたことがない。

ちなみにティーズのウェブサイトはこうなっている。

http://www.ts-tm.co.jp/corporate/

業務内容
1. TOPSHOP/TOPMANブランドの輸入販売
2. 衣料品、履物、繊維製品及びそれらの原料の企画
3. 服飾雑貨品およびアクセサリーの輸入販売

とあり、幾分かあいまいな記述なので如何様にも読める。
2と3の業務はトップショップとは別の事業とも読める。
トップショップと別事業の2と3とを合わせて、会社売上高が35億円と言う風にも推測できる。

となると、トップショップの1店舗あたりの売上高はもっと少なかったとも考えられる。

不振外資SPAの日本撤退は今後さらに増えるだろう。
現地に適合化できなかった企業は退場あるのみである。

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